見出し画像

読書日記:『台所から北京が見える』この本と出会って、中国語の勉強を始めました

初めての投稿に、思いがけずたくさん”スキ”を押していただいて、感動しました!
そしたら、次何書こうかと力が入ってしまって、なかなかアップできずに(汗)。
でも読んでいただけること、すごくうれしいです!
書き続けているみなさん、すごいなと思います。


2023年で一番心に残った本(になるであろう)、その話をしたいです。
昔から本が好きですが、読みたい本は本屋さんで見つけるのが特に好みで、今回も本屋さんでたまたま見つけた本でした。

『台所から北京が見える 〜36歳から始めた私の中国語』 
 長澤信子著 ちくま文庫


文庫本がズラッと並ぶ棚の中で、たまたま表紙がこちらに向けて陳列されていた本でしたが、
北京という文字と、本の絵と、そして本の帯に目が吸い寄せられました。

〝語学はいつ始めても遅くない、 学習者のやる気に火をつける名著”

いつ初めても遅くない、というフレーズ。好きですねぇ。
この手のフレーズに背中を押されて、たびたび英語を勉強したり(結構テキストだけは買ってみたり)、韓国語を勉強してきました。
それでも、途中で息が切れて?しまい、、、ペラペラですか?と聞かれて「はい」とは言い切れないレベルです。

中国語を勉強しようと思ったことはないものの、直感で、これはすぐ買いました。
すごい本でした。

長澤さんの中国語勉強にかける想い、型にとらわれない勉強法が見事

著者である長澤信子さん。主婦であり、子育て最中の37歳から中国語学習を始めて、40代で看護学校へ通い、准看護師の資格も取り、学びと経験を深めて中国語通訳や旅行ガイドをしたり、ご自身の本を出したり、学習教室も開くようになるという、そんな滅多にできないようなすごい体験が語られた本でした。
ひとりの主婦が中国語を学んだことで、いち主婦を超えて、人脈も行動範囲も仕事も大きく拡げていった、というお話だったんです。

長澤さんは、子育ての早い時期から、子育ても好きだけど子供が全てになってはいけない、子育てが終わっても何か自分が打ち込めるようなものを持ちたい、自立したいと考えていて、それが中国語だったようでした。
そして、子育てが大変な時期にもかかわらず、その想いを行動に移されたのでした。
自分の心を熱くさせるような何かを持って生きていきたい、そんな気概が行間から感じられて、ぐいぐい引き込まれながら読みました。

一度夢を持って行動を開始したら、思いつくことは全てする、、、そんな長澤さんの勉強方法も独創的でした。
たとえば、中国語の勉強のため語学学校に行く、というのは一般的ですが、テープレコーダーを家のあちこちに置き、移動するたび聴くとか、辞書を5冊買って、家のあちこちに置いてその都度目にして単語カードに書くとか、目からウロコでした。 
違う種類ならともかく、結構なお値段する辞書を、同じものを5冊買うなんて、思ったこともなかったです。

長澤さんは、自分が大事にしているもの、夢や目標を、ご自分でしっかり把握されてるから、できるんだな〜と思いました。
それだから、何に時間とお金を集中してかけたらいいか迷いがないんだ、と。
ここに、もう、はぁ〜ッ、、、と感動しました。

夢や目標をまず描いて、バックキャスティングやチャンクダウンでやることを細分化して、、、など、夢実現のための方法本はいろいろ読んだことがありましたが、
長澤さんのように、実際ご自分の体験として具体的に語られると、より心に刺さって、こちらがハッと気づいて理解を通り越して一気に感動!ってなりますね。
心が揺さぶられます。

勉強を続けるための資金づくりに、勉強と仕事の一石二鳥をねらう


中国語学習が進むにつれて、「学習するためのお金を工面したい」、と思う長澤さん。
働きながらお給料ももらえて、しかも資格も取れるという一石二鳥の方法を探します。
准看護師学校ならそれが叶う、ことを見つけます。
長澤さん、この時40代。お子さんもまだ学校へ通っている時期。普通だったら、年齢的にあきらめてしまいそう、、、。
それでも、長澤さんは、午前中は学校、午後は病院、夕方帰宅して家事をする、という生活サイクルを始められるのです。そして見事に、資格も取得して目的完遂されます。
もう、すごいなとしか言いようがなくて。

長澤さんはどんなに情熱を持った、芯の強い方だったのだろう、と思いましたが、きっと学ぶ楽しさ、目標への熱意、経験で自分が成長している実感もあったからこそだろうなとも想像しました。

勉強して行動すると開く人生のドア


長澤さんは、日中国交正常化の前後という、まさに歴史が大きく変化する時に中国語を勉強されて、通訳や旅行ガイド、コラムを書いたり、いろんなお仕事をされていますが、
長澤さんの中国語のレベルが上がるにつれて、人生のドアがどんどん開かれているような展開、スピードを感じました。
長澤さんが押して開けるのか、向こうも開けるのか、どちらもあるような。

私は今50代です。人生折り返し地点にいるので、長澤さんが中国語を学び始めた37歳はもうとっくに過ぎてますが、それでも、真似できる何かがあるはず、『何かを始めるのに遅いということはない』のだからと思い、食い入るように読みました。

私もそんな人生を送ってみたい


長澤さんは相当な時間、勉強されたんだな〜、語学はまずそこありきだな〜、そう思うと、あまりに先が長過ぎて気持ちが萎えそうになりますが、せっかくこの本を読んだので、気持ちが下がって終わってしまうのはもったいない、と思いました。

なので、
そうか〜、辞書って何冊買ってもいいのか!とか、テープレコーダーあちこち置くのもありだな、など、長澤さんの独創性を真似する楽しさを思い浮かべていたら、自分の勉強欲にうっすら火がつきました。
勉強している自分が想像できて、ムフムフ(笑)とうれしくなったんです。

中学の時に買ってもらったデイリーコンサイス。表紙革がボロボロですが大事な一冊です😊



数年前に行った上海がとってもよかったので、また行きたいと思っていたし、見たい中国ドラマの字幕がなくて、字幕なしで見るようになりたい、とも思いました。

話変わりますが、この本を友人が「読みたい」と言うので貸したら、即、中国語を勉強し始めたんですよ。
普段、全く私が読んでる本に興味がない友人だったので、これは驚きでした。
やっぱり、そんな力があるんですね。この本には。
勉強仲間が先に見つかったので、私も中国語を勉強し始めたところです(スマホアプリのDuolingoです)。

この出会いに感謝です


この本のことを知っていただいて、長澤さんの魅力が少しでもたくさんの人に伝わるといいなぁと、心から思います。
私のように、何度か語学の勉強をしたけど目指すレベルまで到達してない、でも、またやってみたい、と思う方の、やる気が上がるヒントになれば、うれしいですし。
語学勉強でなくても、長澤さんの文章や人生を知り、長澤さんの目を通した中国のことを知るのも、この本の醍醐味です。

長澤さんの他の本も探しました。
絶版もありますが、1冊、図書館で借りることができました。


『専業主婦のアフターファイブ 〜夢のつづきがかなうとき』 
 長澤信子著 主婦の友社刊


こちらはショートエッセイ集のような本ですが、同窓生とのランチでの会話や、長澤さん宛に届いたお悩み相談への回答など、長澤さんのウィットに富んだ魅力に触れることができて、これまたいい刺激をいただきました。
とても素敵な女性だな〜、と、つくづく思います。

先のことは修正すればいい、すごくいいと共感しました



残念ながら、長澤さんはすでにご逝去されていることがわかりましたが、長澤さんの本に出会えて本当によかったです。

出会いって、生きてる人だけじゃないですね。
きょうもあちこちで、よき出会いが生まれていますように。

長くなりましたが、最後まで読んでくださってありがとうございました。

🌟2024年2月7日追記:
スマホ教室 KAZIRU公式note さんが、この記事をおすすめに挙げてくださいました。
ありがとうございます!
https://note.com/kaziru/m/m85b446e00d7e

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?