見出し画像

1992年 SideB-6「クリスマスキャロルの頃には/稲垣潤一」

秋元康作詞 三井誠作曲 清水信之編曲

・「ホームワーク」(TBS系 1992/10/16~12/25)主題歌

 TBS系金曜9時枠10月クールドラマ主題歌。「ホームワーク」は、4人の男女の恋愛と仕事の葛藤を描いたいかにも90年代前半らしいラブストーリー。雌伏の時を経て「愛という名のもとに」でついにブレイクした唐沢寿明の連続ドラマ初主演作。相手役の清水美砂は「稲村ジェーン」「シコふんじゃった」と話題の映画に立て続けに出演、ドラマでも「クリスマス・イヴ」「しゃぼん玉」「愛はどうだ」と主演級がコンスタントに続いていた。清水美砂に愛想をつかされるヒモ男を演じた福山雅治は「あしたがあるから」「愛はどうだ」に続く3作目の遠藤環プロデュース作品。すでに音楽活動も始めていた福山だが、この時点では「歌手活動もしている新進俳優」という位置付けであり、この作品のダメ男っぷりで大きな注目を集めた。唐沢の同僚役の浦江アキコもロカビリーバンドBLUE ANGELのボーカリストとして頭角を現していた時期で、キュートな魅力で人気を集めた(BLUE ANGELは今もバンド活動を続けているようである。ちなみに福山と浦江は同い年である)。

 といろいろチェックポイントの多いドラマではあるのだが、このドラマで最も広く知られているのはやはりこの主題歌であろう。1991年の「クリスマス・イヴ」以来、“ブレインスタッフ”やら“企画協力”やらさまざまな肩書きで遠藤環プロデュース作品に参加していた秋元康だが、遠藤環作品の主題歌を作詞したのはこれが初めてである。稲垣潤一最大のヒット曲であり、クリスマスソングブームの一翼を担ったスタンダード曲であるが、よく知られるように歌の中にはクリスマスの描写は一切ない。別にバレンタインでもお正月でも成り立つ歌で、まあ作戦勝ちである。作曲の三井誠は「僕にまかせてください」「さよならコンサート」(共にさだまさし作詞作曲)のヒットを持つグループ、クラフトの中心メンバー。クラフトは1979年に一度解散したが2013年に再結成、ソロ活動とともにバンドも継続しているようだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?