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1992年 SideB-1「浅い眠り/中島みゆき」

中島みゆき作詞・作曲 瀬尾一三編曲

・「親愛なる者へ」(フジテレビ系 1992/7/2~9/17)主題歌

 フジテレビ系木曜10時枠7月クールドラマ主題歌。ダイナミックでドラマティックな中島みゆきの楽曲は、早くから多くのドラマの中で使われていた。「3年B組金八先生」や「北の国から」などのドラマがきっかけで中島みゆきのファンになったという人も少なくないと思うが、実のところ発表済みの曲が後追いで使われるケースがほとんどで、連続ドラマの書き下ろし主題歌というのはほぼこれが初めてである(そもそも「親愛なる者へ」というタイトル自体中島みゆきの過去のアルバムから取られたものだし、劇中では彼女の楽曲が数多く使用されたほか、本人が女医役で出演もしている)。

 主演は浅野ゆう子と柳葉敏郎。脚本は野沢尚。坂元裕二、野島伸司と、フジテレビヤングシナリオ大賞の受賞者たちと組んでビッグヒットを飛ばしてきた大多亮プロデューサーが、次に組む脚本家として野沢尚を選んだ時は正直「やるな」と思った。当時の野沢尚といえば、読売テレビの「木曜ゴールデンドラマ」「ドラマシティ」枠において鶴橋康夫監督とのコンビで名作を次々に生み出していた知る人ぞ知る実力派ライター。鶴橋康夫監督の名の陰に隠れ、いささか過小評価されていた感のある野沢尚にとっては待ちに待った晴れ舞台であった。野沢尚はこの作品を皮切りに同じフジの木曜10時枠で「素晴らしきかな人生」「この愛に生きて」と、のちに“夫婦三部作”と呼ばれる3作品を手がけヒットメーカーの仲間入りを果たす。ちなみにこの“夫婦三部作”、主演は順に浅野ゆう子、浅野温子、安田成美で、3作ともかつて月9を彩った女優たちのセカンドキャリアへの地固めとなっていた。かつてのフジテレビはこんなにもアフターケアが行き届いていたのである。

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