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1994年 SideB-7「空と君のあいだに/中島みゆき」

中島みゆき作詞・作曲 瀬尾一三編曲

・「家なき子」(日本テレビ系 1994/4/16~7/2)主題歌

 日本テレビ系土曜9時枠4月クールドラマ主題歌。1981年の「悪女」以来13年半ぶりにヒットチャートの1位を獲得した、中島みゆき90年代の代表作である。愛することの悲しさ、苦しさを驚くほどピュアに歌い上げた非常に厳しいラブソングで、無償の愛に至る境地をここまでまっすぐに描けるものかと、初めて聴いたときは驚いた。今ではこれは中島みゆきがドラマに登場する主人公に寄り添う犬・リュウの目線で書いた歌詞であることが知られている。なるほど天使のような無償の愛もむべなるかな。

 「出会った頃の君でいて」と同じ4月クールに小杉善信プロデューサーが手がけたもう1本のドラマが、あの「同情するなら金をくれ!」の名台詞で有名な「家なき子」である。フジとTBSでヒットを連発していた野島伸司を企画・原案に起用、当時中学校に上がったばかりだった安達祐実を主演に迎えて、大きな期待とともにスタートした「家なき子」は日テレドラマの歴史に残る大ヒットを記録。最終回は37.2%をマークして、フジもTBSも抑えてこの年の最高視聴率ドラマとなる。日本テレビはこの年初の視聴率三冠王を獲得し、10年以上にわたってフジテレビが君臨してきたテレビ界の盟主の座を奪い取る。翌年金曜8時のドラマ枠を終了させたことも含め、日テレのこうした一連のドラマに対する戦略が、三冠王奪取の原動力の一つになっていたことは言うまでもない。

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