20年余の国際便輪行歴を振り返る pt2 折りたたみミニベロ篇
pt1↓からつづく。
折りたたみミニベロ++ちび輪バッグ
90年代からクロスバイク→MTBで海外の旅を重ねてきたわたしであったが、ある時から小径折りたたみ車 Birdy / BD-1を導入することになった。
そのはじめての試みは3度目のタイ旅行、2003年のことである。
初期にあってはオストリッチのちび輪バッグを使って、これまでのように梱包して預けていた。これは現在も生産され続けているロングセラーだが、当時から厚手のしっかりした生地で耐久性が高く、その後の国内の旅でも頻用した。20年経った今も健在である(さすがにボロボロだが)。
ちなみに計6回に及んだタイ旅行はすべてアシアナ航空を利用した。すなわち自転車もソウルは仁川での乗り継ぎ=積み替えを要するということであり、前稿で自転車運ぶなら直行便にしろと書いたのに矛盾するという指摘もごもっともだ。しかし仙台空港から出発できる手軽さには勝てなかったのだ。
Birdy セミハードケース
折りたたみ自転車は当然畳んだ状態で梱包することもあり、折りたたみ機構に致命的な損傷が生じた場合に走行できなくなるというリスクが想定し得た。
そこでさらなる安全のためふたたびセミハードケースを導入した。もちろんミニベロ用の別製品である。
当時買ったのはBD-1のロゴが記されていたが、Riese & Müller の純正だったかは定かでない。今調べてみたらずいぶんいいお値段になっていて驚いたが当時は1万5000円前後だったと思う。
以前MTBを運ぶのに使ったGiantのセミハードケースは側面にプラ板が入っていたが、これは硬質ウレタンフォーム板でのガードだ。耐荷重性ではやや劣るので内部にダンボールで補強した。強度的にはこれで充分と思われる。
側板は真ん中から折れるようになっており、使用しない時は小さく畳めるようになっている。旅行中ホテルに預ける際や、家庭での保管に便利がよい。
あと底板のコーナーに車輪が付いており、反対側の取手を持って引っ張れる造りになってはいるが、転がりがよくないのと重心が不安定なのであまり実用に供さなかった。
これなら抱えて運んだほうが早いと感じ、わたしは小さなキャリーカートを導入した。それに乗せて運び、カウンターで預けたあとは手まわり荷物運搬に転用するという使い方だ。旅行中はケースと一緒にホテルに預けておくのである。
これはこれまでずいぶん酷使したが立派に自転車を護ってくれた。その後BirdyからKHS F20に自転車を換えてからも使用し、ブロンプトンを導入するまで10年以上、欧州、アジア、国内と幾多の輪行旅を支えたのだった。
自転車はあらかた無事ではあったが、ケースは一度タイから戻ってきたら底板外層の布がナイフでカギ状に切られていたことがあった。やったのはバンコクか仁川の空港係員と思うが、麻薬か何か隠していると思われたのだろうか。
またあるときはコーナーの取っ手の縫製がちぎれかけて帰ってきた。そこを持ってよいしょと乱暴に持ち上げたと思われる。ヘタに取っ手が付いてて持ちやすくなっているとそこを掴んでズボラに扱いたくなるという乱暴な荷扱野郎の乱暴な心理が想像できた。よって自転車ケースは抱えて運ぶことを余儀なくさせるような形態がよいと考える。
Birdyをスーツケースに収めて海外輪行した御仁の記事も参考に挙げておく。
海外に行くと日本では見かけないような、そんなでかいのどこで売ってるんだと訊きたくなるようなバカでかいスーツケースを持っている西洋人をよく見かけるが、そういうのを使用すれば収まるようだ。
番外編: 現地で自転車を借りるというオプション
そんなこんなで毎回苦労して自転車を運んで旅していたが、あるとき現地で自転車をレンタルして旅するというオプションにも目覚めた。旅に妻氏が参加するようになり、さすがに二人分の自転車を荷造りするのは億劫になったというのもあるのだが。
観光地でよくあるレンタサイクルの類でなく、ちゃんとしたツーリング仕様のを貸してくれる業者を見つけることができれば海外自転車旅の敷居はぐぐんと下がることを経験した。
かくして2010年代前半には、チェコ、エストニア、スロヴァキアの各国でレンタサイクルの旅を重ねたのであった。
とくにエストニアの業者は同国で借りて旅してラトヴィアやリトアニアで返却できるというレンタカー並みの便利なシステムであった。
もちろん借りられるのはフルサイズのクロスバイクもしくはMTBであるので、折りたたみ車に比べると輪行ほかの現地行動に多少の不便はある。
前ブログにその辺のことを以前にまとめた。
ずいぶん昔のものだが、この機に上に記したプラハとタリンの業者についてはこの機に現時点での営業を確認した。
自転車の安全とめんどくささのはざまでいろいろ悩みながら続けていた海外サイクリングだったが、収納性と走行性、可搬性において究極の横綱が登場する。ブロンプトンである。
Pt3 ブロンプトン編につづく…
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