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料理をしていると寂しくなかった。

うまくいかない男がいた。
男はふと料理をしだした。
不器用でせっかちで
上手くできたためしがないのに。
けれど傷が料理を求めた。
祈るようにキッチンに立った。
料理をしていると寂しくなかった。
外部を遮断し身体が治癒される
ように感じた。
料理がお腹から
人生をあたためた。

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眠れない夜に

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