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2023年12月の記事一覧
瞬きは、意地らしく。
神様が地下室に降りっていきながらぼやいた。
何度やっても人間はうまくいかないな。。
地下室では人間たちの魂が瞬いていた。
瞬きは、祈りとときめきで
意地らしく燃え続けていた。
神様はホットワインを飲み
眠ってしまった。
外は酷いほどの嵐だった。
瞬きは、意地らしく燃え続けていた。
好きは優劣ではない。
詩の学校で北原白秋先生が言った。あなたがあなたの作品を好きにはなるでしょうね。あなたのつくるお味噌汁の味をあなたが好きなように。好きは優劣でもなければ、傲慢でもありません。むしろしかたのないもの。あなたの好きを他の人の好きに左右されないようにね。大事に好きになってあげてください。
こころなんて切り取ってしまいたい。
こころなんて切り取ってしまいたい。
きつねは思った。
さみしがりで、妬み深くて。。
そして、ある日、切り取った。
子猫くらいのこころは、
雨の夜道をついてきた。
きつねは言った。
付いてくるなよ、
もう関係ないんだから。
しばらくして、きつねは
ずぶ濡れのこころを
コートの内ポケットに入れた。
結果は一過性のもので、続けることは人生だった。
世界の果てのある街で暮らす男は、歩み続けた。いちどだめでも、酷い目にあっても、みじめでも、孤独でも、疲れ果てても、雨降りでも、嵐でも、歩み続けた。結果は一過性のもので、続けることは人生だった。男は、なにかある度、部屋のコットンとティーカップに言った。でも、おれは、続けるよ。
無駄をしなければ、出会えなかった。
男が薔薇に言った。やっと見つけた。やっとわかった。遠回りした。人生だいぶ無駄にした。薔薇が言った。ちがうわ。遠回りしなければ、無駄をしなければ、出会えなかった。お料理のようにコトコトと時間がかかった。そして、そもそもあなたが探さなければ、出会えなかった。