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2019年8月の記事一覧
今日、どんな花と生きる?
初老の詩人が言った。
今日がつらい、人生がつらい、
暑い、寒い、さみしい。
まあ、いいさ。
ところでおれは
ちいさな夏の庭に
白味の入ったブルーサルビアを
どっさり植えてる。
大事なのは
今日どんな花と生きるか、だぜ。
その人生を、
そのやわらかい地獄を、
どんな花と生きるか、だぜ。
PV「軽蔑 LE MEPRIS」
詩人が詩を書いた。
喪失と傷でこころがえぐられる。
救いはない。
しかし、これはわたしの物語の途中。
そしてこの喪失と傷も
わたしの一部。
永続と無傷という幻想を軽蔑する。
やっと大人になれた。
夏の桃を囓る。
救いは必要ない。
PV「軽蔑 LE MEPRIS」
#lemepris
軽蔑 trailer5
詩人が言った。
おれの中には
壊れて止まったままの
夏の時間の中で過ごす
ふたりの女の子がいる。
おれは、その子たちに
いつまでも怠惰に豊かに
すごしてもらうために
詩を書いてる。
彼女たちはおれの詩の中の
夏の住人さ。
「軽蔑 Le Mépris」trailer 5
https://youtu.be/EwBwaZtgqM4
#lem もっとみる
どうせ魂はつながったまま。
十万億土から精霊になったひとがやってきて言った。忘れてくれていいさ。むしろ好きに生きて欲しいね。どうせ魂はつながったままだしさ。うちは代々花が好きだから、あたしたちひとりひとりは、花が好きというなにか波動みたいなものの、のりものにすぎないのかもって、精霊になって思うよ。
お前の薬莢に詩は足りているか。
悪い大人のせいで
この国は地獄だね。
子ぐまが言った。
アライグマの兵士が言った。
「正しい」大人や世の中のせいで
おれはずっと前から地獄だぜ。
さてと、言われるままに
飼い殺されるより
銃を撃ちながら殺されようじゃないか。
お前の薬莢に詩は足りてるか。
無駄?わかってるさ。
さ、いくぜ。
自己否定委員会と自己肯定委員会。
きつねは思った。おれの中の自己否定委員会はすこぶる有能で、おれはダメだ、とすぐにおもわせる。一方、おれの中の自己肯定委員会の声はいつも小さくて、がんばれー!と応援しているが、あまり票が伸びない。ちいさな声を大事にしてゆかねば、ときつねは思った。
自分を否定する感情は信用しなくていい。
子ぐまにクマが言った。自分を否定する感情は信用しなくていいよ。大概、体調が崩れかけているか、ほんとのことを言われたか、掃除をしてないせいだよ。体調は時間をかけて整えればいい、ほんとのことは感情と切り分けて対処すればいい、掃除はすればいい。感情なんてすぐに変わるさ。