オリジナル小説「胸の大きな女子との中学生日記」第2話

制服というのは私服と違ってコーディネートで個性を発揮できない。

皆同じ服を着る以上、個性はそれぞれの体の作りで発揮される。

中学生ともなれば体も成長し、同じ制服だからこそ体の個性が否応無く表面に出てくる。

女子は尻より胸の成長の方が早い。胸が成長してきた女子の制服は白いワイシャツを大きく引っ張り、ボタンとボタンの間の隙間からは中学生らしい清潔な白いブラジャーが見えたり見えなかったり・・・

予想通り私立中学の受験に敗れ、ブレザーの着用が自由である市立の中学校に進学した僕、北村正一は、自分のクラス発表の掲示板に宮本千鶴子の名を見つけた。だがその時僕は、「自分は私立中学を受験したんだから、この市立の中学の中ではトップレベルの成績を取らなければ!でもそもそも新たな環境で、どこまでできるだろうか・・・」という不安とやる気がごちゃ混ぜになっていたのでそれどころでは無かったのだ。いや違う、正確にはそうじゃ無い。

以前話した通り、僕はまだ中学入学時は制欲に目覚めていなかったのだ。だが、小学校6年の後半、彼女のアプローチに対して薄い反応しか返さなかった僕に愛想を尽かしたのか、同じような感じで何回か別のオーケストラクラブの男子に宮本が抱きついていたのを目撃した僕は、要するに嫉妬していたのだ。「あんなチビのつまらなさそうな男にも抱きつくのか・・・誰にでも愛想振り向くんだね」という感じだ。

だから中学入学式の後、指定されたクラスの前の廊下で同じ小学校の知り合いと雑談している時、自分の背中を「つんつん」と叩かれ、振り向いたら意味あり気な微笑をしていた宮本千鶴子に対して、プイと顔を背けてしまった。

その時の彼女の顔を覚えていない。ただ、小学校の時の彼女ならいきなり抱きついてきたはずなのだが、同じ学区の隣の小学校の生徒も半々で含まれ、自分の小学校の生徒だけでは無いその空間で、流石に彼女もそんなことは出来ないと気遣ったのか、あるいは既に思春期に入り、彼女も僕を異性をして意識し出したのか、

今考えると、この時の対応で僕の青春も変わっていたかもしれない・・・

僕の反応に対して千鶴子がどんな反応をしたかは見て無いから知らない。ただこの後中学の三年間で、僕が拗らせた性格のせいでどんなことになって行ったのか、そして千鶴子の胸が制服の中でどんなすごいことになっていったのか、第3話以降に持ち越すことにする。

第3話に続く

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