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【入浴日記】HALO.

 一年前のこれくらいの時間に、私は「適応障害」という病名を告げられた。そして、約半年の療養に入った。

 あの半年で、本当に色々変わった。
 職場も変わり、住まいも変わり、体重も落ちた。大好きだったパートナーには別れを告げた。思考も変わりつつある。趣味嗜好も変わった。

 給料が八割になることがどれだけ厳しいか、そして今までどれだけ浮かれて過ごしていたかを痛感した。周りの友人達は車を買い替えるだけの貯金がある中、俺は目先の借金に追われて過ごしている。

 そして病状も、現在と一年前とで比べると何ら変わりない。ここまでの経緯を見れば大きく変化しているのだが、結局療養休暇を取り続けているという点ではどうなのだろう。

 九月に復帰して、何度も苦しみ、乗り越えて年内を終えた。乗り越えられたのは、目の前の敵を間違えなかったから。敵、と言うよりは壁であるが、何を倒せば次に進めるかを色々な人から教わって、その敵と向き合っては次に進んできた。

 現在、何と戦えば良いのか依然掴めぬまま日々は過ぎている。一月最終日は本当に心調が酷かった。二月になってから、突然元気が湧いてきている。ルーティーンのラジオ体操、筋トレが出来るようになっている。それでも職場に行けるかと問われれば、まだ「No.」と答える。多分今行っても症状酷くなるだけだって直感してるから。

 その直感の根源は、何かを倒したか。まぁ何かを克服したって所かな。十二月八日のあの日は、確かに目の前に聳える壁を木端微塵にした感覚があった。その感覚が無い。

 リミットは二月二十六日。二十七日からは、這いつくばってでも出勤し仕事をする。これは自分に課した制限である。制限無くては、怠惰に時間を捨ててしまう気がするから。現に、昨日久々に遠出したが、社会不適合という言葉がしっくり来てしまうレベルまで引き篭ってしまっている。

 外に出れば、金が減る。車を走らせればガソリンが減り、ガソリン代がかかる。何か美味いものを食べに行けば、自炊の十倍以上の金がかかる。目的も無く徘徊するには、今の私にはエネルギーが足りない。

 週末は予定が詰まっている。喜ばしいことだ。家族に会って、朋輩と会って、野球の練習をする。社会性を少しでも失わないように、外には出なければ。

 もしかしたら、目の前に壁なんて無いのかもしれない。何度もそう考えた。しかし身体は言うことを聞かぬ。解決の術は行方不明。ただ、昨日と今日は自分に勝てたって思うから、一週間ぶりに酒を嗜みに行こうと思う。

 酒を求める感覚も、この一週間でかなり変わった。依存性一歩手前、何なら一歩踏み出していた。毎晩憂鬱を紛らわそうと飲みに行くか葛藤して、紛らわす為に飲む酒は敗者の酒だと己に言い聞かせて止めてきた。酒代の上限を設定したのも良かったのかもしれない。

 酒代も、調整しないと家計に黒字が生まれない。色々切り詰めているが、嗜好品が家計を圧迫している。しかしこれらだけは削りたく無い。ではどこを削ろうか。生きていくのは難しい。

 今回の一曲はムック「HALO」。諸々な意味の中に軽い挨拶という意味がある言葉だが、その挨拶は「こんにちは」であり「さようなら」も込められているという。どこで読んだかは覚えているけれど、そのサイトは閉鎖されてしまって大元を覚えていない。

 一年前は、知らなかった自分に「HALO」を告げた。今年、異なる意味で過去の、いや今の自分に「HALO」を告げる日が来るように出来ることをして行こうと思う。

ハロー ハロー ハロー
このすばらしい世界に呟けば
High?Low? How Low.Oh No….
憂鬱が笑う

ハロー ハロー ハロー
このすばらしい世界が 見えますか
ハロー ハロー How Low.
君のいない夜

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