見出し画像

「重」

 おはよう。ここ数日、日記書いてなかった気がするけどそうでもない?
 友人がうちにきて、妹のところに行くことになって、朋輩達とタコパなんてして、友人の家に泊まって、温泉入って、大学の同期と数年ぶりに会って、二軒目に行きつけのバー行って少し飲んで、今度は友人がお泊り。そんな数日間だったね。

友人が茄子を持ってきてくれたので。
ツナと茄子のバター醤油パスタ。

 二軒目のバーはマスターの地元が同じ市で、女性従業員の方も気さくで、紙煙草が最も美味しく吸える場所の一つ。今回は左隣の席の人が文豪にとても詳しい人で、酒と煙草を交えながら語り合えたのもまた、「バー」という場所の良さだった。もっとも、俺は太宰治や、芥川龍之介の晩年作に惚れ込んでいる人間なので、かなり偏った知識だったけどね。博識な「オトナ」って、やっぱかっけぇなぁ。

 それは泊まりにきた朋輩にも言えることだった。寝る前に、安倍政権について話をした。政治には無関心だったので、深い話はできない。彼は社会科に強い男なので、その辺り考え方をしっかり持っていて、素直に尊敬した。すっげぇ。

 今日は台風ということで一日大荒れを予想していたが、生粋の雨男である俺を上回る露払いだね、彼。昨日も歩いてる間雨降らなかったし、今朝も散歩行って帰ってくるまで晴れ間すら見えたよ。表題は今朝の一枚。

 今朝散歩に行ったのは、重たい靄のような心境を吹き流したかったから。一巻試し読みしてストーリーに惚れ込んで全巻買っている「明日、私は誰かのカノジョ」の持ってなかった新刊を昨日さりげなく買ってきていて、朝起きてすぐ読んだから。
 「明日カノ」は、一言でいえばビターラブストーリー。各ストーリーで一人の女子にスポットが当たり、その登場人物にとって「幸せ」というよりも、「これでいいんだな」という形でストーリーは終わりを告げ、次のストーリーが始まる。

十巻、十一巻は枕元に。

 寝る間際、その朋輩と人生観・死生観について語り合った。こんな重たい話、友人と話すようなもんでもないけど、俺はこういう各々異なる価値観を語り合うことが大好きである。「命」というものが関わることに限られるが。

 俺は人生は決して楽しいものでは無いと思っている。血反吐を吐き、干乾びる程汗を流して、銭を稼いでその銭で「楽しい」思いをする。銭を稼ぐことに楽しさのみを覚えられる人は、きっと人生は美しくて仕方ないだろう。そんな人がいたとしても、その人の背景にはしんどいこと・苦しいこともあるだろうけれど。

 俺は、人生というものを考える時、どうしてもスポットを当てるのはそのダークな部分。「明日カノ」も、まさに女子の陰の部分にスポットを当てている気がする。俺は男だけど、「やっぱ人生ってそういうもんだよね」って、すっげぇ思う。だから流行りの曲は好きになれないものばかり。

「人生って、素敵だよね!」
「恋って、キラキラしてて素敵だよね!」
「毎日頑張ろ!きっといいことあるよ!」

 百パーセント独断と偏見だが、流行る曲ってこんなのばっかだよなぁ。最後のは少しだけ共感できなくもないけど、ほぼ全部共感するの無理。どれだけ頑張っても報われない人間だっている。俺の仕事なんて頑張れば頑張るほど時給が落ちる。語弊あるな。ある程度頑張れば時給すっごくいい。でも結局仕事沢山降ってきて、それを捌くために仕事をすればするほど、時間が経過し、経過した分だけ時給換算すると安くなる。こないだ年収から時給計算を大雑把にしてみたら、都内の最低賃金の四分の一相当な額で物凄く切なくなったな。

 ヴィジュアル系のバンドにのめり込んでいるのは、ただ単にメンバーの顔が良いだけではない。アングラ気味な界隈では、歌詞もそれとなく人生のダークな部分を歌うことが多い。そこに俺は共感を激しく覚える。やっぱそうだよなぁ、と。
 歌詞を解釈していくことも好き。「売れよう」として小難しいことを並べているのか、「己の価値観」をベースに小難しい表現を重ねているのかは何となく感じられる。特に好きになったバンド・ムックの背景を本やネットで調べて知った時は、曲の重みがずっしりと伝わった。

 友人から、「お前重低音好きだよね」と言われたことがある。確かに好きなジャンルはヴィジュアル系の、特に重いギターとベースを掻き鳴らす曲が好きである。他にはEDM。重低音好きというのも、ある種「重」な性格なのかもしれないな。

 昨日の同期会で俺の話をして、ありのままの俺の今を伝えた時、周りからは「寂しいぃ~…(笑)」みたいな反応だった。やっぱ普通の人というか普通の感性から見たら、間違いなくそうだよな。でも俺全く寂しくないんだよね。一人なら一人でやりたいことやるエネルギーも充電されたし、我が家を「一人じゃ寂しいんだよぉ」なんて言いながら一時間かけて訪れてくれる朋輩もいる。今日は先輩も泊まりに来る。(ZONEは((ry
 部屋数も多くて東向きは絶景、風通しも良くて家賃も安い。自分用の部屋があって、推しに囲まれている。寝室には一緒に寝てくれる大切なぬいぐるみ抱き枕がいてくれる。この環境の何処に寂しい要素がある?俺はそう思う。幸せだなぁ、と。

 いつものようにジャングルジムの頂点で煙草を吸い、帰り道に親しくしてくれるおばあさんと話ができた。近況報告、台風のこと、田んぼや畑のこと…。でもそのおばあさんが毎回必ず言ってくれるのは「無理しちゃだめよ」である。それは自覚しているつもりだが、やはり他の人、しかも知り合ってそこまで時間の経っていない、けれどとても優しくて心温かい人から言われれば、再度自覚する。無理はいけんよ、本当に。優しいおばあさん、少しでも長生きしてて欲しいなぁ。

 今回は、メリーの「絶望」で〆。曲名とは裏腹に、滅茶苦茶パンクでライブでは盛り上がる一曲だが、歌詞はすんごくわかりみ深い。カラオケ入ってて、サビはほぼ絶叫。純粋にヴォーカル・ガラの声がハスキーで高いというのもあるけれど、それ以上に自己投影が激しいからかな。

もし僕がただのゴミになっても軽蔑しないでくれ
もし僕がただの馬鹿になっても笑い飛ばしてほしい
嗚呼 人間失格 生きてるだけ もう始末に負えない
嗚呼 仰げば尊し
終わりなんてすぐそこに顔を出している

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?