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SS11

 買ってからそんなに時間が経ってないはずなのに、もう靴が破れだしました。サイズも小さい訳では無かったので、純粋に日々の散歩の所為でしょう。何十キロ、もしかしたら百キロ近く歩いたかもしれませんね。笑
 さて、今日は友人がご飯を食べに来てくれるので、何時に書き終わるか分かりません。(2022/07/18 11:38:10現在)
 今は水風呂に温泉の素を入れて、全身を冷却させております。散歩して、筋トレして、暑くて仕方ないので。だいたい二十数度くらいかな?サウナの隣にある水風呂より少し温いくらいの冷たい家庭用温泉ですな。笑
 ということで、ここまでiPhoneで書いています。私のiPhoneは完全防水+完全防水スピーカーで重低音に浸りながらの入浴です。ここから先は、PCに切り替えて、お題を見て、ストーリーを考えるとしましょう。

 時は経ち、現在(2022/07/20 12:39:47)やっと書く時間ができました。お昼にお蕎麦を作って食べ、台所を片付け、一服してお薬飲んでほっと一息。ここまでiPhoneです。さて、PCの電源を今度こそ入れましょう。笑

冷製蕎麦。
実は一食あたり百七十円程度です。

 さて、PCに切り替えたところで、お題も出ましたし書き始めましょう。お題を見てストーリーを考えながらiQOSを一服する時間、地味に好きなひとときです。


SS11「秘密基地」

 新卒で採用されて二年。大分、仕事も板についてきた。PCを使用してのデータ入力が主な仕事だ。事務仕事がしたくて、中規模の企業の事務に受かった。条件が最もよく、第一志望の企業だったので、最も緊張したことはよく覚えている。同僚や上司の人柄も良く、恵まれた職場だ。
 一昨日で二十四歳になった私だが、同じ趣味を持つ仲間にしか話していない秘密がある。勿論、探りを入れているが今の所は職場の人間にすら話していない。というか話せない。理解してもらえるか不安だし、それが原因で良い環境を乱したくない。そもそも話す必要性が皆無である。プライベートなことだし。
 昨晩から低気圧にやられて頭痛が酷く、女の子の日特有の腹痛も重なってしまい、ダブルパンチに敗北して仕事を休んでしまった。鎮痛剤を飲み、ベッドに籠って寝ることにした。薬が効いて、朧げな意識の中で、この家に出会った時のことをふと思い出した。
 私の家はほぼワンルームで、そこに四畳半ほどの部屋が一つ付いている、少し珍しい物件だった。職場から十五分圏内で無理のない家賃となると、ワンルームの物件がほとんどだった。趣味の為にも、二部屋は欲しかった。不動産屋を幾つも巡り、「秘密基地があるワンルームがありますよ!」と爽やかなおじさんがこの物件を紹介してくれた。コンビニが少し遠いが、それ以外文句のつけようがない部屋だった。喜びに満ち溢れながら、引っ越し業者さんに家電具を配置してもらい、女の子らしく部屋をお洒落に飾り、その四畳半の秘密基地に私の「秘密」の全てを隠している。
 意識が戻ったのは昼頃だった。頭痛はだいぶ治まり、腹痛もややよくなってきた。動ける。ただ、冷蔵庫の中が寂しかった。近々買い出しに行かなきゃな、と思いながら後回しにしてしまったので、すぐに食べられる食材が何もない。少しお金はかかるが、渋々配達アプリで安い温玉うどんを注文した。
 インターホンがなり、配達員さんからうどんを受け取って代金を払い、少し遅めの昼食を食べた。元気になってきて、秘密基地に籠ろうと思ったが、お腹が満たされてまたもや眠くなってしまった。念の為鎮痛剤をまた飲み、ベッドへ帰ってきた。少しスマホを弄っているうちに、眠りの世界へ意識が遠のいていった。
 「ピンポーン、ピンポーン」
 インターホンで目が覚めた。夕日が部屋に差し込んでいる。こういう時、半寝惚けだが妙なところには頭が回る。はーい、と声を絞りだすと、課長だった。お見舞いに来てくれたようだ。さっき配達を受け取った時に玄関の鍵は開けたままだったことを思い出した。
 「鍵、あいてますのでどうぞ」と言ってしまったのが間違いだと気づいたのは、課長の姿が見えないと思った瞬間だった。昼食後、一度秘密基地の扉を開き、やっぱ眠いから寝よ、と思ってベッドに向かった際、外開きの扉が開けっ放しだった。玄関が見えない。一気に意識が覚醒する。ベッドから飛び降り、家の中を全力疾走した。しかし、課長の「ここかね?」という言葉で、時すでに遅し、と悟った。秘密基地を部屋と勘違いして入られてしまったのだ。
 秘密基地の電気が点いた。私は膝から崩れ落ちた。課長がフリーズしているのが、扉下の隙間から見える。
 どれくらい時間が経っただろう。たった数秒が、無限の時間に感じられた。課長が扉を閉め、無惨に膝から崩れ落ちている私を見ている。気まずい時間だった。課長の「…大丈夫かい、具合は?」という質問に対して、「頭痛と腹痛は、大丈夫です…。」と返答した。
 とりあえずワンルームの方に移動し、課長に麦茶を出した。課長はもうすぐ四十歳を迎えようとしている人で、人への気遣いが素晴らしい方である。今日も、こうして仕事を休んだ私を心配して来てくれたのだろう。エネルギー補充のゼリーと、栄養ドリンクを買ってきてくれた。あの部屋さえ見られなければ、「体調も良くなって明日から復活です!」なんて言えたかもしれない。妙に気まずい時間だけが過ぎていく。やがて、課長が先に口を開いた。
「いやぁ、電話をかけたのだが繋がらなくてね。心配になってつい来てしまったよ、申し訳ないね。」
「いえ、お昼を食べた後スマホを弄りながら寝てしまったので、充電が切れていました。こちらこそ申し訳ありませんでした…。」
 そして、課長の言葉が一番開かれたくない扉をノックした。
「あの部屋は、モニタールームか何かかい?」
「はい、そんな感じです。忙しい時に捌ききれない仕事を時々あそこで進めたり、趣味のネットサーフィンをしたりしています…。」
「触れていいのか分からないけど、気になるので一応。答えたくなかったら答えなくていいからね。」
「分かりました……。」
「あの、部屋のポスターや飾ってある本は趣味かい?」
「…………はい。」
 終わった。バレた。どうしよう。いくら優しい課長でもドン引きでしょこれ。
 私の秘密基地は、BL、所謂ボーイズラブで埋め尽くされている。高校の時からヲタクに染まりだし、アイドル育成ゲームに手を伸ばしたのが始まりだった。その世界を知ってから、ずっと沼の底まで全身を沈めている。二十四になっても、BLにのめりこんでいる。リア友と、SNSで繋がった共通の趣味を持つ友人にしか話していない「秘密」が、今「秘密」ではなくなった。言葉を何とか繋いだ。
 「課長、正直引きますよね。来て頂いたのに、あんなもの見てしまったら…」
 ところが、思いもよらぬ返答が返ってきた。
 「いやぁ、実は私も妻がそういう趣味でね。私も、ドラマで男同士が恋をするものを見て、少し妻の薄い本、ってやつを読ませてもらったことがあるんだ。でも、そんな趣味持ってるなんて全然気づかなかったよ。意外だね。」
 おぉっと、まさかの理解者だった。一気にテンションが上がる。麦茶を飲みながら、ほぼ一方的に鎖骨の良さについて語ったところで我に返った。
「すみません、ご理解してもらえてつい…。」
「いいんだよ、何事も分かり合える人がいると嬉しいもんね。その調子なら、明日職場で会えそうだね。よかったよかった。勿論、誰にも言わないからね。」
 精一杯の感謝の言葉を述べ、課長を送り出した。良かった。そんじょそこらの口の軽い野郎だったら、明日には言いふらされてたかもしれない。改めて、人に恵まれているな、と実感した。
 さて、テンションも上がったし不安も解消されたし、何より具合も良くなったので、暫く秘密基地に潜ろう。自分の「スキ」を詰め込んだ四畳半で、幸せに浸りながら、明日へのエネルギーを補給しよう。


 今回のお題を見た瞬間に、ストーリーが出来上がりました。笑
 私もその界隈に潜んでいる人種です。それが功を奏することもあれば、ドン引きされることも多々ありますよ。誰にでも、秘密ってあると思いますもん。私は大っぴらに言っちゃいますけど。←
 さて、前回のキーワードは、


「氷雨」「リフレッシュルーム」「見下ろす」

でした。前回が哀愁系だったので、今回はハピエンで。実際、この場所は職場の上司にも教えているので、色々バレバレなんですよね。まぁ読んでいれば、の話ですが。笑
 この場所を教えた人のうち、どれくらいの人が読んでくれているかは分かりませんが、少なくとも一人、足を向けて寝られない大先輩と場所を共有できているのが嬉しいですね。ZONE美味しいですよ。←
 この後は郵便局に行って、ヒトカラで喉を鍛えようと思います。復帰に向けて、弱った喉を鍛えながらストレス発散できる。一石二鳥ですよね。今回は、タイトル通り大好きDEZERTのこの曲で〆たいと思います。いつかカラオケ入ってくれないかなぁ。車の中で歌ってる時のデスシャウト、超楽しいのに。

でも枯れ果てた君を見て ふと我に返りました。
吐き気と自己嫌悪 充満しました。

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