不快の育ち方 〜「何か楽しくない」が発狂になるまで〜

小さな不快は日常のあらゆる場所に居る.
これは逃れようもない.
自分はよく「何か楽しくない」という感情を抱く.
こんな感情は不快とも呼べないくらい小さな不快だ.
プラスマイナスで言うと,-0.01といったところだろう.
いじらなければ勝手に0に戻ってくれる.
しかしこれを問題と捉え,解決しようとした途端に,不快は育ち始める.

なぜ楽しくないのだろう…
これをやれば楽しくなるかな…
俺は楽しいと思う能力が欠如しているのかもしれない…
楽しんでいる人が羨ましいなぁ…
俺も楽しまないと…
時間を無駄にしている気がする…

このように二の矢,三の矢,四の矢を次々と慣れた手つきで射ってゆく.
するとそれぞれの小さな不快が,またいくつもの不快に枝分かれしていく.
これによって指数関数的に小さな不快が増殖していく.
すると全体としては大きな不快に育つ.
一つ一つが-0.01だったとしても数が大きければ大きな苦しみになる.

苦しみを受容,共存,抱く,抵抗しない,観察,ということが実践できれば「結果として」徐々に和らいでいく.
結果として,というのが重要であって,最初から和らげることを目的とすることは「解決」であり苦しみの増幅要因である.
ただ大きな苦しみだと,抵抗せずに受け入れることが難しい.
なので小さな苦しみ・不快の段階で,即座に抵抗をやめる癖をつけなくてはならない.
それは,大きな苦しみを受容するより遥かに簡単ではあるが,最初のうちは慣れないので,遠ざけたくはなる.
しかし,小さな不快に慣れよう.

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