「リア充爆発しろ」なんて言わなきゃよかった
はじめに
僕は30代の「非モテ」「コミュ障」男性エンジニアです。まあ、モテるような外観ではありません。そんな僕も今はパートナーを見つけて結婚できましたが、最近、恋愛に対するコンプレックスに悩まされています。
大学生のころの僕
受験戦争を勝ち抜いて都内大学に進学した当時の僕は、恋愛経験をしていませんでした。高校のころに気になっている女子はいましたが、いつの間にかクラスの他の男子と付き合っていました。周りの人に「いつから付き合っていたの、あの人!?」と聞くと、「ずっと前からだよ。お前、今まで気づかなかったのかよ……鈍感だなあ」なんて言われたものです。
周りの変化に気づかない鈍感さで、パッとしない見た目。当時大学生になりたての僕は気づいていません。田舎から都内に来た、大学生になった。それだけの事実から、「大学生になったら可愛い彼女が出来る」と思っていたのです。
大学2年生にもなると、「あれっ……彼女が出来ないぞ!?」と気づくわけです。キャンパスを横切る学生に男女の偏りは無いし、サークルも男女比は偏っていません。「男しかいないから仕方ないじゃん」という言い訳が出来ない環境であるがゆえに、異性と付き合えないと焦っていました。そんな日々の生活の中、日差し差し込む明るい食堂でカップルが食事を楽しんでいるのを見ていると、強い劣等感に苛まれるのです。
「リア充爆発しろ!!」
ツイッターで使われていたネットミームを自分から口にしたのは、この時が初めてだったと思います。
社会人でも「リア充爆発」から離れられない僕
就職活動の最中、気になった女子に告白をしましたが失敗。一方で望みの企業から内定を頂き、僕は社会人になります。お給料を頂くようになってからも、その一部を使って街コンなどの恋活に励みましたが、成果は出ませんでした。コンパ会場の店から最寄り駅に向かう途中、オープンテラスのカフェで楽しそうに話す参加者のカップルを見つけると、
「リア充爆発しろ!!」
と、独り言を言い、やるせない気持ちを握りこぶしに込めて歩いたのを覚えています。大学生のころに抱えた劣等感から、僕は離れらなかったです。
それから数年が経ち、僕は恋活ではなく、結婚相談所を使っての婚活に移行しました。お見合いを重ねていきましたが、ほとんどが交際に進まず失敗。良いと思った相手からも交際中に連絡途絶となり、先は真っ暗になりました。その帰り道、僕は電車の中でイチャイチャするカップルを見かけます。疲労困憊になった僕に劣等感を抱える余裕は無く、虚ろになった目を迷惑にならない程度に向けるのが精一杯でした。
「あれっ、なんでこの人たちはお付き合い出来て、僕には出来ないんだろうか……」
焦燥感でも劣等感でもない、単純な疑問でした。この人と自分との差を、もっと客観的に分析しよう、そう思い至ったのです。(活動の成果物は以下リンクをご確認ください)
戦術で勝つ!ASD非モテ男子の最短婚活術
結婚しても「リア充爆発」から離れられない僕
ちゃんと相手に寄り添い、理解しようとすること。最初から距離を詰めようとせず、先ずは相手に誠実さを示すこと。その2点を意識して婚活に復帰したところ、お付き合いの申し込みを沢山頂きました。なんだ、真剣に向き合っていなかったのが悪かったんだ、と気づきました。今、その中のお一人と結婚し、一緒に生活しています。
しかし、それでも「非リア充」という思いが消えることはありません。「リア充爆発しろ」と口にしたことで、僕は「目の前でイチャイチャする男」と「『リア充』になれない自分」に、一生消えることのない境界線を引いたのです。他の人がどれだけ何を言っても、このモヤモヤが晴れることはないでしょう。日差し降り注ぐ中で、君の事が好きだという気持ちだけで一時かもしれない青春を謳歌する、あのカップルには一生成れないのです。
「リア充爆発しろ」と口に出すのを止めておけばよかったと後悔しています。劣等感と真剣に向き合い、乗り越えていれば、こうはならなかったと思います。社会人になって結婚をしても、大学生の頃に青春を謳歌していない自分は、ずっと「あの頃のリア充」にはなれないのです…
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