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#6 初めての授業と英国スタバ オックスフォード語学学校 30代からの英国語学留学記 2018年2月13日 その1

今度は遅刻せず登校

長い夜が明け、日が昇ると外が騒がしくなった。
タイミングを見て下のダイニングに降りて朝食を取る。

ムハンマドがおらず、シナンと二人で朝食。ホストファミリーは隣の部屋でご飯を食べている様子。シナンは朝は弱い男のようで昨晩と打って変わり黙って淡々と朝食を口に運んでいる。

何故ムハンマドがいないのかシナンに問うと「知らないよ。彼はよく家にいない」と不機嫌そうに返答。
理由は分からないがやはりシナンとムハンマドは仲が悪いようだ。あまり深入りしないようにしよう。

先日より20分ほど早く家を出てバス停へ二人で向かう。先日、彼も遅刻ギリギリだったので、流石に反省したのだろうか。

行きのバスも問題なく乗車。定期があるって素晴らしい。

今回も2階の最後部座席に居座る。シナンからバスにはフリーWi-Fiあるからそれを使うと良い、とアドバイスを受けフリーWi-Fiネットサーフィンに興じる。この手の公共Wi-Fiは日本ではあまり繋がらないイメージだったが、英国のバスWi-Fiは普通に繋がる。

シナンは日本では見たことがない、謎のスマホゲームに興じている。ロードオブザリングをモチーフにしたスマホゲーらしく、時折ゲームの画面を見せて色々話しかけてくるのだが、その手のモノに興味がない自分には、正直リアクションに困った。

この日も停留所を通過する度に乗客は増え、最終的には乗車率100%越え。
都内の満員電車に辟易していたが、ここオックスフォードでも満員電車ならぬ満員バスに悩まされるとは思わなんだ。通勤の悩みは万国共通なのか。

何ら問題なくシティーセンターにつき、学校へ着く。
始業時間まで15分余裕がある。

開始までシナンから改めて友人たちの紹介を受ける。台湾人のアンディと韓国人のジェイコブとは特に古い仲らしい。
二人とも20代そこそこで若く、感じが良い好青年のように思えた。
実際に良い人達であったが、クラスは残念ながら違う。シナン含め3人ともレベル3であり、新入生なのにレベル4なんてすごい!とほめてくれた。

人に褒められるのはいつだって嬉しい。

だが3人とも流暢に英語を使えているのに、何故僕より下のレベルに属しているのだろうか。
不思議である。
少なくとも僕よりかは全然出来ているし、恐らく一般的な大卒日本人の過半数より彼らは喋れている。

皆一年近くオックスフォードにおり、レベル1から3まで這い上がってきた、とのことだが、何か理由があるのだろうか。

4人で談笑していると、途中で昨日出会った同じ新入生仲間であるオヌールが割って入ってきた。
シナン達に同じ新入生であるオヌールの紹介をする。シナンとは同じトルコ人同士ということもあり、早速二人はトルコ語で何やら会話をしている。

時間になったため、緊張しながら指定の教室に入る。オヌールと僕は同じレベル4ではあるが、クラスが違っていたようだ。幸運な事にカルロスとは同じクラスであることが分かりホッとする。

初めての授業

クラス人数は10人程度。韓国人が多く、日本人が2人、あとはサウジアラビア人、タイ人、香港人とコロンビア人が1人という構成。
東アジア人が多すぎる。時期的なものだろうか。

そして皆かなり若い。
後で分かったことだが、僕とカルロス以外、何と全員10代。

最年少はまさかの15歳で、しかも日本人の女の子。

彼らの中で既にある程度グループがある程度でき上っているようで、派閥同士で各々談笑している。

30代の僕と48歳のカルロスは完全に異分子。
明らかに関わりたくないオーラを出している。

仕方がないのでカルロスの隣に座り、授業が始まるまで適当に談笑。

カルロスのホームステイ先は独身の40代くらいの女性の家なのだが、付き合っているボーイフレンドに夢中らしく、家の世話等を全然してくれない、とボヤいていた。
晩御飯は二日連続冷凍食品だったようだが、毎度自分で冷凍庫を開けてレンジに入れさせられる所までやらされるのは怠慢だ、とのこと。
確かに酷い。

定刻通り授業が始まった。1時間目は文法の時間であり、ドミニク先生という60代後半のおじいちゃん先生。
最初は通り一遍の自己紹介なのだが、各々の自己紹介の度にドミニク先生は色々と質問を入れ、それに答えさせ、間違いや言葉に詰まると随時手助けをするという形式である。
中々気が抜けないが英語力を鍛える良いトレーニングであるな、と思った。

文法については学生時代から得意としていたので楽勝、かと思いきや、英文法用語の英語による呼称を全然知らない、という致命的な欠陥を抱えてきたことをここで痛感。
文章で見れば何となく予測はつくのだが、音でいきなり聞くと全く何のことか認識できない。

日本語で英語文法を学んだんだから仕方がないね!

授業内容自体は助動詞(modal verb)の種類と使い方。
先生がmodal verbの種類と使い方を説明し、質問に対して答えた後、生徒同士のグループを作りテーマが書かれた紙に沿ってmodal verbを入れた会話を各々する、という授業。

生徒同士でグループ、とは言っても、ほっとかれることはなく、随所随所で先生が各々のグループに加わり、色々アドバイスをしてくれる。

古典的な授業ではあるが、先生が親切で面白い方であり、中々タメになる感じはする。最後に結構な量の紙の宿題と、任意ではあるがエッセイの提出を求められて授業は終了。
全くついていけない、という感じではなくとりあえず一安心。

一緒にグループを組んだカルロスがかなり積極的に授業に取り組む姿勢を見せていたため、僕も俄然やる気がでる。
良い意味で頭を使った心地よい疲労感が出た。これが達成感というやつか?

英国スターバックス初体験


2時間目まで30分時間が空いている。カルロスと外に出て一旦頭を冷やす。
英語の文法を英語で学んだのは初めての経験であり、忘れている所も多くタメになった、と語るカルロス。
すると違うクラスのオヌールが僕らに声をかけてきた。スタバでコーヒーでも飲もうぜ、とのこと。

個人的に日本にもスターバックスではなく、地元資本のチェーンや個人商店が良かったのだが、オヌールがスタバじゃなければダメなんだ、と強硬に主張したため、3人でスターバックスへ行く。

何となくイギリス人はアメリカ資本であるスタバを嫌っているのではないかと思ったのだが(後で知ったのだが、スタバを嫌うイギリス人は非常に多かった)オックスフォードのスタバは満員御礼。

何故かバナナを売っているがオシャンティーさを存分に醸し出している所は日本のそれと変わりはない。

しかし何故バナナを売っているのか。それも結構売れている様子。

スタバというと、呪文のようなスタイルで注文をする必要があり、それがネックで日本でも1,2回しか利用したことがないため、異国で無事注文できるのか若干不安であった。

メニューを見るとEspresso, Mocha, Hot Chocolate,Frappuccinoの文字が目立つようにデカデカと書かれ、それらの派生形ばかりが目につく。

一番安いスタンダードなコーヒーで良いのだが、どれがそれに当たるのか分からず、焦る。

メニューボードをよくよく見ると下の方に小さい文字でFilter Coffeeというものがあり、他が軒並み2ポンド以上からなのに比べてこれだけ1ポンド代と頭一つ分抜けて安かったため、これを注文。安さは正義である。

スタバと言えば独自のドリンクサイズがあり、日本でもスタバ利用の大きな障壁になっているが、英国でもこれは健在。
スタバ経験値がほぼゼロの僕は焦ったが、店員が極めて親切な方であり、short, tall, grande,Ventiとサイズについて身振り手振りで教えてくれたため、事なきを得た。とりあえずtallを注文。
海外だから日本より大きめの量がでてくるのかと思ったが、カップサイズ自体は日本の一般的なミディアムサイズと変わらず。スタバはグローバルチェーンなので各国でカップサイズを統一しているのかもしれないが。

なお、カップサイズの注文に苦戦している僕を見て、
「日本にスタバってないのかよ!それぐらい知っておけよ!」
と小馬鹿にしてくるオヌール。

イチイチ癪に障る発言が目立つ奴である。

ブラックコーヒーで良かったのだが、頼んでもいないのにコーヒーのカップとは別口でミルクが入った小さいカップを渡された。

必要ならミルクをコーヒーにいれてね、とこれまた身振り手振りを交えながら笑顔で教えてくれるお兄さん。

イギリスでは所謂コーヒーフレッシュの変わりにミルクを直接使うのか!

これには衝撃を受けた。何だか得した気分。大量のコーヒーフレッシュかと疑い、一応ミルクだけ単独で少し飲んだが味は普通のミルクである。そのまま飲めるレベル。スタバなのにルノアールみたいな事するとは。

3人で学校の外でコーヒーを飲みながら次の授業を待つ。学校の休憩室はマジョリティーである東アジア系の若者が占拠しており、入れる余地がなかったからである。何とも悔しい。

因みにスタバのコーヒーについて、味は普通。一番安いからか。

だが量は多い。
カップのサイズ自体は日本と変わりはないが、摺り切りいっぱいまでコーヒーが入れられておりビビる。
親切なお兄さんがサービスをしてくれたのか、それとも容器の限界まで飲み物をいれるのかイギリス文化なのか。

嬉しい誤算ではあるが、このままでは折角もらったミルクを入れる余地がないため、途中まで飲んでからミルクを入れる。
外で立ちながらでは面倒な作業。

オヌールに授業の感想を聞く。

「簡単すぎて退屈だったぜ!でも先生は凄く美人だったから、ケツだけ見ていたらいつの間にか終わったよ!」

呆れた奴である。少なくとも出会って2日しか経っていない、10歳以上年上の僕とカルロスに話すようなことではないのではないか。
彼は距離感が近すぎる。礼を失した振る舞い、発言がちょっと鼻につく。

まぁそういう奴なのだろう。

こちらは大人の対応をするまで

30分で飲み切るのはシンドイほどの量であったが、教室内は飲食厳禁のため、無理やり一気に飲み干し、2時間目の授業へと向かう。
次はsmallにしよう。

1時間目は手ごたえありだったから、2時間目も問題なく行けるだろう

だが世の中そんなには甘くはなかった。





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