(ネタバレあり)高咲侑を〝窓〟として観るアニガサキの世界

どうも。2021年1月にアニメ「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」を一気見してどハマりした空箱です。

同時に上げた記事は読んで頂けたでしょうか?あちらでは、初見の感動を奪いたくなかったのでネタバレに可能な限り配慮していました。

あっさり目に書いたので、不完全燃焼の様な……

ですので今回はネタバレありで高咲侑について語りたいと思います!

何故高咲侑を〝窓〟と表現したのか

先日、人のTwitterスペースでアニガサキの布教をしまして。その際に高咲侑を「あの世界を観る為の窓」と表現した所、ウケまして。

箱庭を俯瞰で眺めるのではなく、スケールを合わせてあの世界を観る。その為の窓であると考えた訳ですね。

高咲侑はアニガサキの原作にあたるスマートフォンゲーム、スクスタには登場しないアニメオリジナルキャラクターです。

何故高咲侑がアニメ化にあたって作られたのかというと、スクスタの主人公は「あなた」プレイヤーなんです。

そもそもあの位置(役割)に立っているのはあの世界の視聴者、プレイヤーの分身と言える訳ですね。

成り立ちからして〝窓〟たりえる存在であり、アニメの素晴らしい脚本で、より眺め心地の良い窓になりました。

ストーリー中の高咲侑の役割

アニガサキ1話は、高咲侑がスクールアイドルの魅力にときめく所から始まります。

この導入はラブライブ!シリーズ未視聴の自分の様な視聴者にとっては補助線となり、これがとてもありがたい!

既に積み重ねて来た物があるラブライブ!シリーズ。そのアニメ3作目でシリーズ初見の視聴者は、だだっ広い空間に放り込まれて心細い状態な訳です。

そこで高咲侑は視聴者に近い立場でスクールアイドルにときめき、それを応援する。

視聴者はアニメ内にスクールアイドルオタクを見つけ、自分のときめきを代わりに表現している存在に寄り添い合う事が出来る……こうして侑と視聴者が限りなく近い存在になっていきます。

窓を開いた高咲侑

高咲侑は、同好会メンバーや幼馴染の上原歩夢の影響で何かを始めたい、そう考えます。

アニメ11話では、今まで出会って来たスクールアイドル、東雲、藤黄二校と合同で町全体を巻き込んだお祭りの様なライブ「スクールアイドルフェスティバル」を開催したいと宣言します。

彼女は自分の窓から観た景色をもっと多くの人に観てもらいたいと考えました。

また、アニメ12話では上原歩夢の前で始めたばかりのピアノを披露します。そして普通科から音楽科への転科試験を受ける事。

彼女は窓から見た景色にときめき、窓を開けました。

我々視聴者は高咲侑の窓をただ覗いていただけではなく、彼女にときめきをお裾分けされていた構造になる訳です。

13話で窓をブチ破る豪速球を喰らった話

13話はいよいよ!スクールアイドルフェスティバル開催!その様なエピソードです。

町全体を使って3校それぞれで思い思いのライブをし、それを観てスクールアイドルを知る人達や、スクールアイドルをやってみたいと思う少女達の姿が描かれます。

虹ヶ咲のメンバーはみんなバラバラで、でもファンの皆と作り上げたステージで最高に輝いていて……

チラシ配りをする侑は歩夢とこんな会話をします。

「ずっとチラシを配ってたの?」
「そうだよ」
「皆んなのライブも観たらいいのに」
「そりゃあ観たいのは山々だけど……どうせなら沢山の人に観てもらいたいじゃん!」
「だってこのライブは私達で頑張って作り上げたものなんだから」
「なんていうか……自信が欲しいんだよね、私」
「え?」
「今から新しいことやるって、やっぱり大変だろうし……」
「だからさ、このフェスティバルをやり切れたら私だってきっと何とかなるって、怖がらないで自分の夢に向かって行ける筈だって、思いたいんだよね」

窓の外には憧れが広がっていて、きっとその窓を開けるのはとても勇気がいる事なんだと思います。

だけど侑はそれをやって、夢を追いかけている視聴者は重なる部分も有ったのではないでしょうか?

この時点で胸一杯になりそうですが、アクシデントが起きます。

突然の雨で後半のステージは中止に……雨宿りのテント内は暗い空気に包まれます。

いつもは前向きで誰かの背中を押す侑も、精一杯頑張って来ただけにダメージは大きく意気消沈した様子。

雨が上がったのは、ステージを借りれる時間が過ぎてしまった後。

自信が欲しいと吐露した侑が俯き、声を震わせる中、力強い歩夢の声が聞こえます。

「終わりじゃないよ。これで終わりになんて、出来ない……まだ、伝えたい事があるから」

続いて虹ヶ咲学園から電話が届きます。

メインステージに人が集まって、皆んな待っている事。ステージが使える様に交渉してくれた事──

全員が駆け出します。早くステージに立つ為に。

呆気に取られる侑の手を歩夢が引きます。

駆ける彼女達を雲間から光が照らします。(ユニコーンガンダムもサイコフレームで照らしてる……)

辿り着いたステージ。歩夢は侑に今回は客席から見ていて欲しいと伝えます。

ステージに虹ヶ咲のメンバーが立つ。

スポットライトで照らされたメンバーが一人一人言葉を紡いで行く。

その言葉はスクールアイドルとしての歩みを始めた彼女達の絆を表すもの。

そして、今まで彼女達を応援していた人達を……侑を応援する言葉。

「これからも躓きそうになる事はあると思うけど……〝あなた〟が私を支えてくれた様に、〝あなた〟には私がいる!」

歩夢の〝あなた〟に向けた言葉は侑に届き、侑を窓として観ていた視聴者に刺さります。

傍観者でしかなかった視聴者が、急に歩夢から言葉を受け取り立て続けに

「この想いは1つ……だから全員で歌います」
「「「「「「「「「〝あなた〟の為の歌を!」」」」」」」」」

流れるイントロは侑が披露したピアノのフレーズ。

歌で届けられる想いは未来への希望。夢を追いかける人を応援する歌。

夢がここからはじまるよ」は今まで応援してきた彼女達に、急に背中を押される曲です。それは名指しで、お前を応援しているぞ!と言っているに等しいものでしょう。

こんなの泣くに決まってるじゃん!

感動のあまり、初見の時は(今も)画面が滲んで見えませんでした。

視聴者を侑と一体の存在にしつつ、最後でダイレクトアタックを仕掛ける構成、構造は巧みであると思います。

ラストで急に自分を当事者にされてしまっては、入れ込んでしまうのも無理はないと思いませんか!?

最後に

拙い文章でしたが、取り敢えず内なるときめきを表現出来たのでスッキリしました。

アニガサキは2期が決定しており、彼女達の物語の続きを観られる日はそう遠いものではありません。

読んでくださった皆さんも2期はリアルタイムで観ませんか?ときめきを共有する仲間が増える事は喜ばしいですからね。

作中で侑がチラシを配ったように、自分が誰かにときめきの切っ掛けを届けたいんです。このときめきを言語化した事を、肯定して貰いたいってのもありますね。自分の好きに自信が欲しいんでしょうね。

ここまでお付き合いいただきましてありがとうございました。これがアニガサキ、そして虹ヶ咲、ラブライブを知る切っ掛けになれば幸いです。

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