【相談事例#09】美容皮膚科:自由診療向けカルテを検討した方がいいクリニックって?
みなさんこんにちは!目利き医ノ助のさとみです。
【相談事例シリーズ】では目利き医ノ助メンバーが実際に相談にのらせていただいたIT化・DX化の相談内容と『重要なポイント』を紹介しております。
ご相談クリニック情報
■状況:開業済み
■患者数:60~80名/日
■診療科目:皮膚科・美容皮膚科(保険・自費の患者割合は2:1程度)
■検討システム:電子カルテ
先方のご要望:「電子カルテを入れ替えたい」
「現在、保険診療向け電子カルテを利用しているが、不便だと感じる点が多く電子カルテ入れ替えを検討したい」とのご相談。
初回面談で詳細をヒアリングしていくと、下記のような課題があることがわかりました。
今回は、保険診療と自由診療どちらにも力を入れている皮膚科・美容皮膚科様の電子カルテ選定のポイントについて解説していきたいと思います。
「保険診療向け」と「自由診療向け」の違い
まずはじめに、クリニック市場の中では「保険診療向けの電子カルテ」と「自由診療向け電子カルテ」が存在しているのはご存知でしょうか。
どちらも診療記録を記載できるという点で電子カルテとしての基礎的な機能は持っているのですが、ざっくりとした違いは下記になります。
保険診療向けカルテを導入したら自由診療ができない!というわけではなく、同システム内で「自費カルテ」を作成することで自由診療には対応できます。
ただ、自由診療向け電子カルテで、保険診療も対応したい場合は少し注意が必要です。
保険診療では、「診療報酬制度(実施した医療行為ごとに、それぞれの項目に対応した点数が加えられ、1点の単価を10円として計算されている)」に基づいて請求金額を確定するため、レセプトコンピュータが必ず必要になってくるからです。
ただ、自由診療向けの電子カルテのメーカーの中には、「レセコン(ORCA)と併用して使える製品」もあります。そのため、レセコンと併用できる製品を選べば、自由診療メインだけど一部保険診療にも対応する場合でも、1つの電子カルテシステムで対応できるというメリットがあります。
必要な機能と患者数の割合で判断しよう!
保険・自費どちらも対応しているクリニック様の場合、保険診療と自由診療どちらに特化した電子カルテ、どちらを選ぶべきなのか?という議題に対して、結論としては下記2つのポイントで判断するのが良いと思います。
①自院に必要な機能および優先順位
先ほど、自由診療向けカルテの説明で「自由診療に特化した機能を多く持っている」という風に記載もしましたが、自由診療領域は競争が激しいこともあり、売上や顧客管理に関する機能がすごく充実している印象です。
例えば…
少し列挙してみただけでも、本当に多くの機能があります。もちろん、一部の保険診療向けカルテや予約システム等でも対応している機能はあるのですが、1つのシステムで情報を一括管理できないというジレンマが生まれたり、求めている機能より少し不足する可能性はあるかと思います。
②患者数(もしくは売上)の割合や今後の意向
保険・自費どちらも対応しているクリニック様の場合ですと、患者数の割合や今後の意向は電子カルテ選定をする上で非常に重要なファクターです。
レセコンと併用可能な自由診療向けカルテがあるとはいえ、保険診療の患者数があまりにも多い場合は、保険診療向けカルテを導入されるのが小売知的なのではないかと思います。
具体的には、保険・自費の割合が8:2程度(頑張って7:3)であれば、自由診療向けカルテでも問題なく運用できると思います。
ただ、「保険診療も自由診療もどちらも力を入れたい!自由診療向け機能も絶対に譲れない!」ということでしたら、少し手間はかかってしまいますがそれぞれの電子カルテを導入して運用するというのも選択肢の1つです。
さいごに
今回の事例解説の内容はいかがでしたでしょうか。
最近は、保険診療メインでも自由診療メニューを積極的に導入されるクリニック様が増えてきたように思います。比重をどこに置くかにも左右される部分ではありますが、自由診療分野では特に先生やスタッフの技量だけではなく、マーケティングやブランディングの質が求められてくると思います。
目利き医ノ助では、クリニックのIT化やシステム比較・選定に関しての相談はもちろんですが、集患に必要な施策(HP改修、サイネージ、広告運用、SNS運用など)に関しての相談も受けることが可能ですので、お気軽にご相談いただけますと幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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