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弱みは成長しないが、強みは無限に成長する

ストレングスファインダーは「才能」を扱うツールですが、決して「この才能がないから向いてない」と判断するためのものではありません。これは何度でも伝えていきたい重要なポイントです。

ストレングスファインダーの生みの親であるドナルド・O・クリフトン博士は、「弱みは成長しないが、強みは無限に成長する(Your weaknesses will never develop, while your strengths will develop infinitely.)」という言葉を残しています。


「弱み」の定義

ここで言う「弱み」とは、「素晴らしいパフォーマンスを下げるものすべて(Our definition of a weakness is anything that gets in the way of excellent performance.)」を指しています。決して下位の資質や能力そのものを指すわけではありません。むしろ、たいていの場合、上位資質から来る「弱み」なんです。

私自身が良い例でしょう。私の〈規律性〉は34位と低く、継続が苦手でしたし、長期間の活動には向いていないという自覚がありました。しかし、これは「苦手意識」に過ぎず、〈活発性〉が高く、〈着想〉と〈戦略性〉から、同じことを繰り返したくないという思考パターンがあるためです。

そのおかげで、大抵のことはアレコレと瞬時にやってしまうのが私の特徴です。ただし同時に、〈ポジティブ〉の高さから、対人関係で甘さが出る時もあります。しかし、〈最上志向〉によって、常に「もっとより良く」を求め続けているので、結果的に継続できているかんじ。

安定はしませんが、変化を重ねながらスパイラルアップしています。つまり、ただ「継続する」のではなく、「改善サイクルを回し続けている」と言った方が正確です。このように、私のやり方は安定よりも変化を重視するスタイルだと腑に落ちてから、気持ちが軽くなりました。

思い込みと免罪符

このように、「○○に向いていないから」と(自分はもちろん他者に対しても)決めつけるのは、ただの思い込みに過ぎません。場合によっては、それが免罪符となり、才能を活かせずにいる危険さえあります。

私は隠れ(?)影響力の人なので、「自分の才能を素直に認めて活かせばええやん」と常々思っています。影響力の高い人は、他者を動かしたいという欲求を常に抱えていますから。しかし、過去の自分に伝えても「それができないから困っているんでしょ!?」と言われることもよくわかります。そうだよね、それができたらこんなに苦労しないよね。

上位資質は確かに才能ですが、同時に自分の中にある矛盾も抱えています。つまり、同時に2つのアクセルを踏んでいる状態です。この矛盾、つまりアクセルの同時踏みを認識できないと、資質を理解しても行動に移せません。

実際、ストレングスファインダーを受けただけで終わってしまい、「わかった気」で留まっている人は多いのが実情です。私のブログを読んで「参考になった」と言う人は多いですが、その理解を実践に移せる人はほとんどいません。「ヒントをもらえた」「勉強になった」という言葉は嬉しいものの、「それを元に何をするの?」に答えられる人が少ないのが課題なのです。

ストレングスコーチの役割

そこでストレングスコーチが重要になります。コーチングを受けることで、初めて資質の理解から実践へと移行できるようになるためです。このため、Gallup はストレングスファインダーと併せてコーチングを重視しているのです。

日本には100人以上のストレングスコーチが存在しますが、そのふるまいは、正直、ちょっと、思うところがある方がいるのも事実です。過去の私も、頭を抱えたくなるようなことをしていましたし。

今では、安定して個人の強み開発に特化できています。人間の(ホルモンや神経伝達物質に簡単に影響されやすい)意思よりも、上位資質という無意識の部分から人間を語ることが重要だと考えているからです。そこには欲求や感情、思考パターンが含まれているため、システマティックに行動を見つめることができます。

ストレングスファインダーで物事を語ることは、一種、宗教的なアプローチに見えるかもしれません。しかし、私は Gallup を Google のようなインフラと捉えており、ストレングスファインダーは人間性の本質に迫るための手段なのです。ホームページのアクセス解析ツールと言ったら Google アナリティクスだよね、みたいな感じ。

当然、私が尊敬するコーチもいますし、自分の強みを磨く毎日です。

最近では、クリフトン博士の「強みに向き合うのは挑戦だ」という言葉を噛みしめるようになりました。なぜなら、無意識の中に隠れた自分自身と向き合うことは本当に難しいからです。ひとりでそれに取り組むのは容易ではないからこそ、ストレングスコーチやチームのサポートがあれば乗り越えられるはずだし、私はその力になりたい。

個人から組織への展開

私は個人の強み開発にとどまらず、さらに組織や企業の中で強みに基づくチーム作りを目指しています。優秀な人材を集め、ストレングスコーチのサポートを受けながら、一人ひとりの強みを伸ばしていく。そして最終的にはチーム全体の底上げにつなげていきたいのです。

もちろん個人の強み開発も素晴らしいことですが、組織レベルで強みのチームが増えれば、より大きなインパクトが生まれるはずです。〈最上志向〉が強いだけに、常に先を見据えてしまうのが自分の性分なのかもしれません。よくばりですが、それが私の強みでもあります。

企業との契約を結び、現場でストレングスコーチを育成し、強みのチームを作り上げていく。そういったプロジェクトに携われたら嬉しい限りです。強みの発揮が個人レベルから組織レベルへと広がっていけば、社会全体への影響も大きくなるはずです。その実現に向けて、私なりに情熱を傾けていきたい。という想いに駆られて書いています。

まとめ

ストレングスファインダーは、自分の持つ才能や強みを認識し、伸ばしていくためのツールです。決して弱みを探すためのものではありません。クリフトン博士の言葉にもあるように、弱みは成長しませんが、強みは無限に成長する可能性があるのは、いろんな心理学や脳科学を考えたら十分説明がつく話です。

自分の強みに気づき、それを活かしていく。そのプロセスは簡単ではありませんが、ストレングスコーチのサポートを得ながら、一歩ずつ前に進めば実現可能です。ただし、理解のみに留まり実践に移せないのでは本当の意味での成長は望めません。ホントもったいない。

目の前の問題を見て見ぬ振りしてしまうことも多いですが、上位資質を活かせばそういったことにも対応できるようになるうえ、できることは増えるし苦手意識がどんどん軽くなるしで間違いなく生きやすくなりますから、チームの強みを活かし合える組織が増えていったらいいなと願ってやみません。

目下、私の課題はこの目的を自分の限界以上に広げることなんですけども。