チーム戦は強い選手を入れるのが正義なのか?

Мリーグのドラフト盛り上がっていますね。

お気に入りの選手がМリーグにはいるかどうか気になっている人も多いのではないでしょうか。

そのドラフトに関してよくある意見として

「とにかく強い奴を取れ。結局は打つのは一人一人なのだからとにかく強い選手を取るべきでそうでない選出は最大限勝とうとしているとは言えない」

という意見。

まぁ分からんではない。

こういった話はよく出ていてかくいう僕も結局試合に出るのは一人だしチームメイトの雀風の組み合わせ方による戦術というものはあまり感じない。

ここで言う組み合わせ方による戦術というのはリーチ率が高い打ち手がどうこうとか放銃率が低い打ち手が一人欲しいという感じのものですね。

「ptをすでに多く持ってるから放銃率の低い打ち手を出したい」

「結構負けてるからここは攻撃型の選手だ!」

みたいことは一見理にかなっていそうではありますが実際はその状況で登板になればどの選手もpt状況に合わせた打ち方をするだろうと思います。それなら結局総合力の高い打ち手でいいよねという話になってしまう。

なので個人的にはバランスよくいろんなスタイルを自称する選手を集めてチームを組むよりは天鳳や雀魂で言えば段位が高い人を上から集めたチームの方が総合力は高いと僕は思う。

ただこれは一試合一試合を切り取って独立させた場合の話だと思うんですよね。問題はМリーグはチーム戦であるということです。

麻雀に限らず「チーム戦」というものには独自の趣があります。

先ほどとにかく強いやつを集めた方が強いチームになると書いたが人と人が長期間チームを組んで戦う以上そう単純な話ではありません。

例えば3人チームで

A 天鳳十段
B 天鳳八段
C 天鳳五段

のチームがあったとします。
このチームでAがチームの麻雀に不満をもってそれをよくない言葉で表現すればチームの雰囲気は悪くなるでしょう。

Aが良くない言葉でBとCの麻雀の内容を責めればBとCの成長は望めません。

もちろんそういう中でもAに認められたいとか強くなりたいという強い精神を持っている人もいるかもしれませんが少数でしょう。

「どっから放銃してんだよw三段でも打たねーよあの牌w君、麻雀向いて無くね?」

まぁチーム戦でこういう言葉を使う人はいないとは思いますがこういう方向性のことを言われてそれでも頑張れる人なんていないでしょう。

こういう人がいればチームで意見を出し合う機会も減るでしょう。その結果成長もしないでしょうしなんなら

一緒にやりたくないので早く負けてシーズンを終えるためにやや損な打牌をする

ということすらありえます。

それであれば

A 天鳳十段
B 天鳳八段
C 天鳳五段

という合計二十三段のチームより

D   天鳳九段(雀力はAに劣るが気性が穏やかで教え上手)
E 天鳳七段
F 天鳳五段

の合計二十一段のチームの方がチーム力が高いという事象は十分起こり得ます。

つまり雀力ではなく人柄も必要になってくるのがチーム戦ということです。

ここまではどんな競技のチーム戦でもあり得る話だと思います。

こういう話をすると

「いやいや、競技プロなんだから人柄より雀力でしょう」

という意見をもらうこともありますがチーム戦で人柄というのは無視できない要素だと思います。

野球だってチーム内で派閥が出来てしまい雰囲気が悪くなり結果が出にくくなるということは普通にありますしね。

ではそれに加えて『麻雀』のチーム戦ならではの要素というのはるのでしょうか?

考えられる要素として「麻雀のスタイル」ですね。

先ほどタイプは関係ないと言いましたが『成長』という概念も考慮にいれるとタイプにも意味が出てくるのかなと思います。

D   天鳳九段(副露多用型)
E 天鳳七段(門前打点型)
F 天鳳五段(伸び盛り)

のような構図だと上二人の意見が違ってFがうまく吸収できないケースも出てきます。

個人的にはこういう三人構成であるなら最強クラスと最弱クラスが同じ方が効率がいいと思います。

D   天鳳九段(副露多用型)
E 天鳳七段(門前打点型)
F 天鳳五段(副露多用型)

ですね。これだと五段は基本九段に教えてもらう。七段は自分で考える力があるだろうから九段とタイプが違っても大丈夫でしょう。

このような成長率を含んでのチーム力を考えるならば

D   天鳳九段(副露多用型)
E 天鳳七段(門前打点型)
F 天鳳五段(副露多用型)

のチームは「強いチーム」かどうかは他チーム次第としか言えませんが「いいチーム」であるとは言えます。
(組み合わせ方はあくまでサンプルなので他の組み合わせの方が効率がいいいとかは全然あります)

なんというかチーム戦において麻雀が強いだけの人は「麻雀が強いだけ」になっちゃいがちなんですよね。

それなら最強クラスより多少劣っていてもチーム全体にいい影響を与えられる人のほうが重宝されるのは必然だと思います。

個人戦は個人の強さを競っているだけなのでいいのですがチーム戦では個の強さだけではチームを勝ちに導くことは難しいと思います。

麻雀が一定以上強いことは最低条件としてそのうえで麻雀のゲーム性を理解しチーム戦という体系においてチームを勝利に導ける、というのがチーム戦のおける理想の選手、いわゆる「麻雀のプロ」なのかなと思います。

なので個人的には強い選手が選ばれなくてもなんかその辺の理由があるんだなと納得しているというお話でした。



ここから下はチーム戦というものに関する自分の話。


実は僕も「Σ(シグマ)リーグ」というチーム戦のリーグに参加しています。

よく言われるのが

「麻雀ってチームでやる意味ある?」

というもの。

参加しておいてなんなんですけどこの意見結構わかるんですよね。

僕も参加するまでは勝ったり負けたりでどういう感情になるのか予測できませんでしたし

「まぁチームメイトの勝ち負けは自分にはどうこうできない部分だし自分が勝ってればそんなテンションも下がらないだろう」

とも思っていました。しかし実際始まってみると

自分が勝つと段位で勝った時のうれしさに引けをとらないくらいうれしいし味方が負けた時は自分のptが削られたかのようにつらい。

自分でもなぜこれほど熱が入るのかという疑問が長い間ぼんやりとあった。

色んな人と話をしたりしてたどり着いた一つの考えは

自分がやって来たことが人のためになるのがうれしい

ということ。

チーム戦は1勝でチームメイトがメチャクチャ喜んでくれます。

これはそもそも人間に本質的に備わってる感覚で人間と言う種が他者との共同生活をすることで勢力を保ってきた生き物なので他者を喜ばせることによりより良い関係を築いていこうとする、それを本能的に望むというのはある意味必然なんじゃないかと思います。

Σリーグは半年ごとにチーム再編成をするので言ってしまえば勝っても栄誉だけで負けても特に何もありません。
しかしそれでもチームのために頑張ろうという気持ちから来る上達へのモチベというのはかなりプラスの効果があると感じています。

「麻雀でチーム戦する必要性わかんねーww」

と思っている方、分かります。僕も最初はそうでした。

ただチーム戦に参加することによるモチベの上昇、個人戦ではなかなか経験できない他者に喜びを供給出来た時の感情というものを体験すると今では
私設リーグでチーム戦が流行るのも分かるなぁと思います。





もしかしてこれの最終形が家族ってやつなのか?














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