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英語圏のInstagramでは「キーワード検索」が解禁!どんな影響があるのか?

11月17日、Instagramから驚きの新情報。
なんと、ついにキーワード検索が解禁されるとのこと!!
先週のUI変更に続いて、大きな変更です。

これまでInstagramで検索といえば「ハッシュタグ検索」でした。

「投稿する時にはどのハッシュタグを付ければいいのか?」
「トレンドのハッシュタグは何なのか?」
「ハッシュタグはいくつ付けるのがいい?」
「ハッシュタグで人気投稿に入るにはどんな投稿が良いのか?」

など…… Instagramを本気でやりたいと考える人は、ハッシュタグをいかに攻略するかに頭を悩ませてきました。


それがここにきて、キーワード検索の解禁です!
Instagramの利用方法に大きな影響を与えることは間違いありません。

今のところ、キーワード検索機能は英語圏の数か国のみで提供開始しています。徐々に他の言語、他の国々でも提供開始していくことでしょう。

日本でこの機能が解禁されたら、どんな変化が起こるのか予想してみました。

「複数キーワード」検索により、求める情報だけを探せるように

今回のアップデートで特に驚いたのは、「複数キーワードでの検索ができる」という点!

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上の画像を見ると、「baking recipes」と2単語で検索できています。
また、検索サジェストに「baking recipes chocolate」と3単語の検索も出てきています。複数キーワードでの検索が可能と判断して良いでしょう。

ハッシュタグ検索の場合は、複数タグを組み合わせて検索することができません

たとえば、「チョコレートの焼き菓子レシピ」を調べたいときには、
「#bakingrecipes」(2.5万件)で検索し、チョコレートらしいものを探すか、
「#chocolaterecipes」(2.2万件)で検索して、焼き菓子っぽいものを探すか……といった選択肢しかありませんでした。

複数ハッシュタグで検索したい、という要望は以前からかなり多かったものの、一向に実装の気配がなかったのです。
(※ちなみに専用ツールを使えば、複数ハッシュタグを含む投稿を探すことは可能です。たとえば弊社提供のOWNLYであれば、OR検索も、AND検索も、メンション投稿の収集もできます)

しかしキーワード検索なら、複数のワードで投稿を絞り込むことができます。求める情報により近いコンテンツが探せるようになるでしょう。

逆に言えば、ユーザーは求める情報にすぐにたどり着いてしまいます。
ハッシュタグで検索していたときのように、類似した投稿に寄り道する場面が少なくなる可能性もあります。

保存機能がより便利に活用できるように

今では「ググる」ではなく「タグる」なんて言葉も生まれるほど、多くの人が情報収集のためにInstagramを利用しています。

Instagramによる情報収集は、公式情報ではなく、UGC(ユーザーが作ったコンテンツ、口コミ)を探せるという点において、Google検索よりも優れています

Google検索は基本的に「より充実し、多くのリンクを集めているページ」が上位にヒットする仕組みです。良質で分かりやすい情報に出会える一方、必然的に公式情報が多くなり、 "リアルな声" とは離れてしまいます。

一方Instagramでは、コンテンツのほとんどが個人によって作られたものです。よりリアルな個人の声を知りたいときに適しています。

また長い文章を読む必要がないため、海外トレンドを探すのにも便利です。言葉の壁をあまり感じずに情報に触れることができます。


ただ、このように「積極的に情報を探して収集する行動」は、全ての人に定着しているとは言い難いところです。

Z世代や、トレンド情報感度が高い人にとっては「Instagramで発見し、後から見返したい投稿を保存する」という行動は、かなり定着した感があります。

しかし、大半のユーザーはまだ保存機能を使ったことすらないかもしれません。
また、保存機能を使っていても、偶然出会った投稿や、自分がフォローしている人の投稿しか保存していない人も多いと思います。

キーワード検索解禁により「検索する」という行動が増えれば、たくさんの人が情報収集ツールとしてのInstagramの便利さに気づくことでしょう。

Pinterestのようなトレンド発見&コレクションのメディアとして、Instagramは活躍の場面を広げていくと思われます。

キーワード検索を意識した投稿作りが必要に

今まではInstagram運用で最も頭を悩ませてきたのは「どうやってハッシュタグ流入を増やすか?」という課題でした。

キーワード検索という新たな流入経路が生まれたら、どうすればキーワード検索でヒットさせられるのか?と多くの人が悩むことでしょう。

The Vergeの取材によると、キーワード検索は以下のように行われるとのこと。

the team considers “a number of factors,” including the “type of content, captions, when it was posted,” and more to surface relevant results.

コンテンツの種類・キャプション・投稿の日時、などの多くの要因を考慮し、関連する検索結果を明らかにする。

コンテンツの種類がどう影響するのか?キャプションの表記ゆれに対応できるのか?など、気になる点はいくつかありますね。
ちなみに検索対象は、現時点ではグリッド投稿(フィードへの投稿)に限られているそうです。

また、下記のようにも述べられています。

It also uses machine learning to “find the highest quality content that’s relevant to you.”

また、機械学習を使い「利用ユーザーに関連した品質の高い投稿を発見する」こともできる。

これは「発見タブ」の説明に似ています。

Instagramのタイムラインや発見タブは、Instagramユーザーの行動(閲覧、いいね、コメント、保存など)に応じ、今まで興味を持ったコンテンツと類似した投稿を上位に表示する仕組みになっています。
また、ハッシュタグで人気投稿に入るためにも、エンゲージメントの数と割合が重要であることが明らかになっています。

予想ですが、キーワード検索においても、ユーザー行動に応じて、オススメの投稿が上位表示される仕組みになっているのかもしれません。


これらの情報からすると、Instagramのキーワード検索で投稿をヒットさせるためには、下記の2点が重要なのではと思われます。

◆投稿のエンゲージメントを増やす努力をする
(=いいね・コメントがしやすい投稿や、保存して後から見返したい投稿を作る)
◆キャプションを書くようにする

日本での提供が開始しないと、実際のところは分かりませんが、基本的には、今までハッシュタグで人気投稿に入るために取り組んできたことを継続しつつ、キャプションも書くようにする、といったところでしょうか。

ハッシュタグは今後どうなるのか?

Instagramでキーワード検索が解禁されたら、ハッシュタグはどうなるのでしょう。
もはや必要ないのでしょうか?

たとえばハッシュタグ機能はTwitterにもありますが、普段のツイートに毎回ハッシュタグを付けている人は、あまり見かけません。


おそらくですが、Instagramでハッシュタグ文化がなくなってしまうことはないと思います。

というのも、ハッシュタグ検索の目的は「求める情報を探すため」だけではないからです。

 検索では1位「暇つぶし」(51.5%)に続いて、「ニュースやアイテムの詳細を知りたい」(31.3%)と、「趣味関連での出会いや交流が欲しい」(31.1%)が上位に並ぶという結果に。次いで「おもしろいものに出会いたい」(29.5%)、「SNSの投稿ネタ探し」(19.7%)、「インスピレーションが湧くものに出会いたい」(18.8%)が挙がった。

Instagramで検索をする場面は、

① 気になるニュースやアイテムについて、評判や口コミ、感想などを調べる
(目的が明確な検索)

②暇なときに何となく検索して、何か面白いものやアイディアに出会いたい
(目的が曖昧な検索)

このようにざっくり2種類に分けられるかと思います。
Googleなどの検索エンジンでは、知りたいことがある程度はっきりしています。対して、Instagram検索には、明確な目的がない場合もしばしば。

イメージとしては、同じお店に入るのでも
「何か欲しいものがあって、店に買い物に行く時(①)」と、
「何となくふらっと散歩をしていて、気になった店に入ったとき(②)」
があるような感じですね。

これまではハッシュタグ検索で、①②両方の目的を担ってきましたが、

① 気になるニュースやアイテムについて、評判や口コミ、感想などを調べる
(目的が明確な検索) →キーワード検索

②暇なときに何となく検索して、何か面白いものやアイディアに出会いたい
(目的が曖昧な検索) →ハッシュタグ検索

というように、今後は検索方法の使い分けがされていくのではと思います。
そのため、ハッシュタグ文化自体は継続するでしょうが、人気のハッシュタグには変化が起こるかもしれません。

まとめ

キーワード検索機能の解禁により、「情報収集目的」でのInstagram利用が、いっそう広がっていくのではないかと思います。

先日の、ホーム画面UI変更に続き、Instagramは「発見のメディア」になるべく、アップデートを繰り返している印象です。

今まで知人や友人の投稿しかチェックしていなかったユーザーも「自分の好きなものを発見する」方向へ使い方を変化させていくでしょう。
ユーザーの利用方法の変化に合わせて、企業も変わらなければなりません。

ビジネスにInstagramを利用したいときには、「ユーザーはどんな情報を求めているのか」「ユーザーが好きなものは何なのか」と、ユーザーファースト・フォロワーファーストの視点で調査していく必要があります。

企業目線で伝えたい情報を押し付けるのではなく、ユーザー目線で知りたい情報を提供できるようになるには、まずは現状把握が大切です。

企業がSNS上で存在感を高めていくためには?ファンを育てていくにはどうしたらいいのか?
これらの問題に取り組んでみようと考えたなら、ご相談承りますのでご連絡ください。

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書いた人

水谷 萌子(みずたに もえこ)
スマートシェア株式会社 SNSマーケティング支援チーム。
大手損害保険会社で業務経験の後、2019年スマートシェア株式会社に入社。UGC活用&SNSキャンペーンツール「OWNLY」のカスタマーサクセスを経て、現在は企業がSNSを使ってマーケティングを推進するための全般的な支援を行っている。自社・インハウスでSNSを利用していくために、並走してサポートすることが目標。

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