『ありふれた教室』で食べ物は、ストーリー上何か決定的ななにかの役割を果たすことはないが、その渡されて渡したチョコボールのついた手作りチョコケーキが、物語の触媒ではあった気がしていて印象に残った。
無意識に受け取って、また無意識に渡す。それがトラップまがいっぽいものだったことを後になってやっと気づく。あの時、やすやすと受け取らなければよかったのにと。なんの魔が刺してしまったのかな。取り返したいけど、もう何もできない。
無意識や状況なんて絶対制御できるわけがない。 運命が決めたら、人間はただ引きずられていくしかない。 そういうのを見せてくれたのが、手作りチョコケーキだったのではと思った。
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