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どえりゃあ気になる名市博 ―あなただけの“推し展”に出会おう!― 〈教科書で見たことがあるもの特集〉

※推し展とは、推し展示資料のことです。

こんにちは。名古屋市博物館サポーターMAROです。名古屋市博物館サポーターMAROとは、名古屋市博物館を盛り上げるためのイベントを企画、運営している名古屋市立大学の学生団体です。現在私たちは、Twitter、Instagramで名古屋市博物館の展示資料をMARO部員独自の視点から紹介し、その魅力を発信しています。このブログではSNS上で発信した情報をさらに深掘りしたり、新たな展示資料を紹介したりしていきます。
今週は「教科書で見たことがあるもの」というテーマで名古屋市博物館の展示資料を紹介していきます。

【卜骨(ぼっこつ)】弥生時代

まず月曜日に紹介したのは「卜骨」です。「卜骨」という言葉を覚えているでしょうか。「そんなの習ったっけ?」「忘れてしまった」という人も多いかもしれません。卜骨は、動物の骨に熱した棒を当てて、骨の表面に入ったヒビの入り方によって行う占いで使われました。石器時代や縄文時代においては、儀式や祭祀にまつわるものが教科書にたくさん出てきましたよね。土偶や埴輪などは有名で知っている方も多いと思いますが、これらも儀礼や祭祀、まじないといった目的でつくられたとされています。当時の人々にとって儀礼や祭祀はとても重要なものだったことがうかがえます。ぜひ、名古屋市博物館で実物を見て、当時の人々の占いや儀式の様子を想像してみてください。

【東海道五十三次之内 岡崎 矢矧之橋(とうかいどうごじゅうさんつぎのうち おかざき やはぎのはし)(複製)】江戸時代


火曜日には「東海道五十三次」を紹介しました。浮世絵は世界でも有名な日本の江戸時代の絵画ジャンルの一つです。教科書にも江戸時代の芸術文化として掲載されています。名古屋市博物館には歌川広重の「東海道五十三次」のなかで、現在の愛知県内、三重県内の宿場を描いた絵がいくつか展示されています。SNSの投稿では、その中の一つである「東海道五十三次之内 岡崎 矢矧之橋」という作品を紹介しました。ほかにも桑名宿(現在の桑名市)、宮宿(現在の名古屋市熱田区)、赤坂宿(現在の豊川市)の様子を描いた作品が展示されています。私は特に、赤坂宿の様子を描いた「東海道五十三次之内 赤坂 旅舎招婦ノ図(とうかいどうごじゅうさんつぎのうち あかさか りょしゃでおんなのず)」という作品が好きです。当時の人々の様子がリアルに感じられる気がします。皆さんもぜひ名古屋市博物館でお気に入りの作品を見つけてみてください。


【石皿(いしざら)と磨石(すりいし)】縄文時代


水曜日に紹介した石皿と磨石は、縄文時代に使われたクルミやドングリといった堅い木の実をすりつぶすための道具で、縄文時代の人の食生活がうかがえる面白い展示資料です!
ドングリはこの石皿と磨石で粉状にして、主食として食べていたようです。私たちにとってドングリを食べるということは馴染みがないので驚きましたが、少し食べてみたい気もします…
ある遺跡では石皿の上でパンのようなものが加工された状態で発見され、石皿の上で粉から生地を作っていたことがあったことがわかったそうです。粉を引いた石皿に水やその他の材料を加え生地をつくる様子を想像すると、まるで現代のお母さんが洗い物を減らすため一つのボウルで料理をする姿のようです。洗い物を減らすためにこのような使い方をしたのか、そもそも当時洗い物という概念があったのかはわかりませんが、展示資料によって当時の生活が想像できて面白いですね!


【江戸時代の貨幣】 江戸時代 


続いて木曜日に紹介した江戸時代の貨幣についてです。名古屋市博物館の江戸時代コーナーの一角には様々な種類の貨幣が展示されています!寛永通宝に南鐐二朱銀、一分銀、一朱銀から丁銀に豆板銀まで…高校時代に日本史を選択した方、している方なら見覚えがあるのではないでしょうか??
丁銀と豆板銀は徳川家康のころにつくられた秤量貨幣、すなわち重さをはかりその重量で価値が決まる貨幣です。貨幣らしくないぐにゃっとした形は、定型にして数を数えやすくする必要がなかったためです。重さで価値が決まるというのは私たちには馴染みがない使い方ですね…
寛永通宝は徳川家光のころにつくられた銅貨で、それまで金貨、銀貨や中世以降使われてきた中国からの渡来銭などさまざまな種類の貨幣が混在していましたが、渡来銭の使用を禁止しこの寛永通宝を流通させることで金貨・銀貨に銭貨を加えた江戸時代の貨幣制度が整いました。
その後、田沼意次の政権下で計数貨幣、すなわち現在と同じような数で価値が決まる貨幣である南鐐二朱銀がつくられました。商業を重視した田沼意次は、価値が地域によって変わり、都度計量する手間のある不便な秤量貨幣に対し、スムーズな取引のため、枚数を数えることで使える計数貨幣を導入しました。
この展示資料を見て、私は高校時代に使用していた日本史の資料集の江戸時代の貨幣制度についてまとめられたページを思い出し懐かしくなりました!このように教科書の紙面上で文字や写真として覚えたものを、実在のものとして感じられることも博物館を訪れる楽しみの一つといえるのではないでしょうか?いま日本史を学んでいるという方、かつて学んでいたという方にぜひ見てほしい展示資料です!


【三角縁神獣鏡(さんかくぶちしんじゅうきょう)】 古墳時代


金曜日に紹介したのは三角縁神獣鏡です。名前のインパクトが強く、覚えていた人も多いのではないでしょうか。「これのどこが鏡なの?」と思ったことがある人も多いと思います。現在のピカピカの鏡とはちょっと印象が違いますよね。しかし、当時は光沢のある金属が鏡の役割を果たしていました。そして、当時は鏡は貴重なものであったため、権力の象徴でもあったといわれています。

今回は「教科書で見たことある!」「懐かしい!」と感じる展示資料をピックアップして紹介しました。名古屋市博物館にはまだ沢山学生時代に習った展示資料があります。自分の日本史の知識や学生時代の記憶とともに展示を見るととても楽しいですよ!
ここまで読んでいただきありがとうございました。今回でブログ企画は終了になります。気になった展示資料があったらぜひ名古屋市博物館へお越しください!

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