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学びが仕事に活きるとき(後編)

永江 真彩 先生 (熊本市立小学校教諭)

・明星大学通信教育課程 正科・課程履修生 小学校教員コース 修了生


 前編では、永江さんの明星通信での思い出と印象に残っている事や気づいていることについて伺いました。後編では、現在のお仕事の話を中心に伺っていきたいと思います。


永江さんは現在、熊本市にある公立小学校の教員として働かれているんですよね?

 明星通信で、小学校教諭免許状の取得に必要な単位を修得した後、熊本市の教員採用試験を受験し、2021年から働き始めました。親がいわゆる“転勤族”でもあり全国各地を転々としましたが、幼少期は熊本で過ごしていて、最終的には両親も熊本に戻るということだったので、それならばと思ったのがきっかけです。
 
 元々、学校現場で働いていましたが、それでも最初は分からないことだらけでした。例えば、宇都宮市で働いていた際は2学期制で、熊本市は3学期制で、成績の付け方も違い戸惑いました。現場に出てから学ぶことが多かったです。ただ、周りの環境にも助けられたことも多くありました。
 
 明星通信で友人になり、現在三重県で教員をされている方とも、いまだに情報交換をさせてもらう事があります。同じ学年を受けもっている時は、板書計画や指導案などについて参考にさせてもらうときもありました。やはり、“つまずく”ポイントというのは同じ事が多いんですよね。

6年生に対して、「中学生になるに向けて」の授業を行った際の板書。
みんなの不安などの本音を共有し、中学生のインタビュー動画をみて、期待を膨らませました。

明星通信で勉強されたことで役立っていることはありますか?

 先ほども話しました、「特別活動と総合的な学習の指導法」のスクーリングで学んだエンカウンターなどをよく授業内で使っています。子ども達の中にも自分の事を話すのが苦手というか、私と同じように「人付き合いが苦手」な子がいます。そのような時、「ホンネとホンネの交流」をすることで、関係性が構築されていくのがよくわかります。難しい事をするわけでなく、アイスブレイク的に授業の導入でそういう時間を設けたりします。
 
 今は、『特活主任』として、学級会の基礎や私自身も特活の研究をしていますが、印象的なことがありました。それは6年生の担任をしていたとき、運動会の応援団長を決める学級会です。
 
 その時、私から与えた課題は「多数決で決めない」ということでした。それだけ与えて私は、様子を眺めていましたが、それぞれが相手の意見を尊重しつつ、例えば「○○くんは、こういうところが良いところだから、団長に向いているよね」など、お互いの事を理解しながら、理論的に話を進め、最終的に目標通り「多数決を使わず」団長を決めることができました。
 
 コミュニケーションを深めて課題を解決に導くというのは、大人になって実社会に出てからも必要なことなので、児童が議論を進める姿に成長を感じましたし、やはり日頃からお互いがホンネで話し合ってきたことの成果があったかなと思います。

学級会で話し合われた内容や、実施の方法、成果をまとめています

  また熊本市は学校現場のICT活用が全国的にみても進んでいると思います。市内はどこでもネット環境がつながる状態なので、子ども達はタブレットをもって外に学習しにいくことができます。教育アプリを使って学習したり、タイムラプスを使って植物を観察したり、教科に関わらず活用がされていると思います。それを教える側の我々に対するICT活用に関する研修も充実しています。自分自身が子どもの頃に受けていた授業とは大きく違うのはもちろん、社会環境も大きくかわっているので、たとえば「キーボードを使ったタイピング」をいつから教えるのかという事なども課題感としてはもっています。将来を見据えて、より社会と繋がる授業になっていると実感しています。

授業では日常的にタブレットを使用します

  現在は、吹奏楽部の顧問もしています。音楽科教育法で勉強した基礎的な表現方法も、部活動指導で役立てています。元々中高の音楽の免許状をもっていることもあり、もちろんそれも役に立っています。通信教育課程で教員になられた方は、色々な経歴を経て教員になられた方が多いと思います。教員の仕事はかなり守備範囲が広いので、全ての経験が何かしらの形で役立つと思います。  

 “通信教育課程で免許状を取得したから”という事で、通学課程で免許状を取得した方と何も違いは感じません。やはり、現場に出てから学んでいくことが多いというのが率直な感想です。

学んできた事が吹奏楽部の顧問としても役立っています

最後に、これから通信教育課程で教員免許状の取得を目指す方にエールをお願いします。

 『教員って重労働だよね』とよく言われますが、私は教員になってから「楽しいことばかりだな」と思っています。
 
「先生」と呼ばれ子ども達に頼られるというのは、本当に嬉しいことです。
 
 初任で受け持った学年は、5年生でした。翌年もそのクラスが持ち上がり、初めての卒業学年を受け持ちました。もちろん大変なこともありましたが、卒業式の時には、号泣できるほどの達成感と感動を味わえました。子どもたちの成長に間近で立ち会えるのが、教員のやり甲斐です。

初めて6年生を送り出した卒業式

  また、保護者の方々と関わり方で悩んだこともありましたが、逆に励ましていただいたり、小学校を卒業してからも挨拶に来てくださったりということもありました。立場に関わらず、しっかりと向き合って話をすることは大事だということを改めて思いました。
 
 労働環境についても、「とても負担でツライ・・・」と思ったことはないです。忙しい時期はありますが、休みもしっかりとれています。そして、なにより周りの環境には恵まれていると思います。悩み事は尽きないですが、一人で抱え込まないようにと、同僚や管理職の先生方に相談しやすい環境があります。また、明星通信で知り合った、全国で教員をされている友人の活躍もSNSなどで見る事ができるので励みになっています。
 
 教員って改めて素敵な職業だなと思います。教員をこれから目指す方、明星通信で学ぼうとする方にもぜひ、味わってほしいです。
 
人生変わりますよ!頑張ってください。

運動会!歓喜のガッツポーズ!

追伸
仕事が充実することで、プライベートもうまくいき、最近無事入籍することができました(笑)