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第5回 学びが仕事に活きるとき(前編)

永江 真彩 先生 (熊本市立小学校教諭)

・明星大学通信教育課程 正科・課程履修生 小学校教員コース 修了生


「“人生の転機”だし新しい事をやろう!と思ったんです」という永江さん。小学校教諭免許状取得のために明星大学通信教育課程に入学し、学ぶ過程で気づいた事は、小学校の教員として働くなかでも活かせていると言います。
 
 なぜ明星通信にしたか、そこでどんな出会いがあり、何に気づき学んだか。現在のお仕事の話と合わせて伺いました。
 
 「教員の仕事は楽しいことばかり」という前向きな永江さんのお話は、通信教育課程で勉強される事を迷われている方の後押しになるかもしれません。ぜひご覧ください。


まず、永江さんは元々、幼稚園教諭として働いたあと、臨時免許状を申請して、小学校で働かれていたんですよね?

 親が転勤族で当時は京都に住んでいました。地元の大学在学時に、幼稚園教諭と、中高の音楽の教員免許状を取得し、卒業後はすぐに神戸市で幼稚園に勤務しました。子どもの成長を間近で見られる教員の仕事にとても魅力を感じ、教員として次のステップへと考えるようになりました。そんな時、ご縁があり、栃木県宇都宮市の小学校で非常勤講師として勤務し始めました。
 
 当時は中学校の教員免許状で、臨時免許状を申請し小学校で勤務していました。最初はがむしゃらに働いていた部分もありますが、「小学校で働く事が楽しい」と感じ始めた頃、『しっかり小学校教諭としての勉強をした上で、小学校で働きたい』と思うようになりました。
 
 また、この頃、プライベートでも変化があり、結婚が取りやめになってしまったことがあったんです。やはり落ち込んでいましたが、その気持ちを振り払うように、「やるなら今だ!」と気持ちも新たに、まさに、“一念発起”して、小学校の教員免許状の取得を決意し、働きながら教員免許状の取得が目指せる通信教育課程の大学を探すことにしました。

インタビュー当日は、熊本とオンラインでつなぎ話をうかがいました

教員免許状の取得が目指せる通信制大学は他にもある中で明星通信にした理由はあるんですか?

 非常勤として働いていた時、周りの先生方から話を色々聞く中で、副校長含め、過去に明星通信で学ばれていた方が5人もいました。皆さんが一同におっしゃっていたのは、「スクーリングが充実しているよ」ということでした。私が通信教育課程を選ぶ基準の一つが、スクーリングの充実という部分でした。単位修得の機会が多くなるということもそうですが、やはり直接先生から教えてもらえるということが魅力でした。同僚の先生方からは、レポート学習などの進め方なども詳しく教えてもらう事ができ、とても心強かったのを覚えています。
 
 また、他大学の資料もたくさん取り寄せて比較しましたが、明星大学に電話で問い合わせした際、対応してくださった事務室の方が、親身に話を聞いてくださったのも、決め手の一つでした。

明星通信に入学されて、実際にスクーリングにも多く参加されたようですが印象に残っていることはありますか?

 まず、スクーリングのために東京に行くという事だけでもワクワクしたことを覚えています。おしゃれな服を着て、もう一度大学生気分を味わえることは、私にとって何よりの楽しみで、頑張ろうと思える支えになっていました。明星大学に初めて行ったときは、広さにもビックリしました。「エスカレーター長い!」と(笑)。
 
 私は、「国語」や「算数」といった教科の勉強や、その指導法にも苦手意識があったんです。それもあって、スクーリングを沢山受けたいと思っていました。入学した年の夏期スクーリングで受講した、丸山久美子先生の「初等算数科教育法」は印象に残っています。丸山先生は、校長経験もある、経験豊富な先生でした。大人数の授業でしたが、一人一人熱心に対応いただいた姿勢と、経験に裏付けされた“指導法の指導”がとても印象に残っています。
 
 夏期スクーリングは、受けられるものは、全て受けようと、当時東京に住んでいた弟の家に押しかけ、2週間くらい泊まらせてもらいながら通っていました。当時のスクーリングは全て通学のスクーリングでしたのでその部分は大変でした。
 
 苦手意識と言えば、『周りとの交流』というのも元々苦手意識がありました。これは子どもの頃からそうだったと思います。
 
 色々な環境や年齢の方がいるのだから、周りの人と仲良くしたいと思っていましたが、元々人見知りで、「実際に周りの学生と仲良くなるのは難しいかも」と勝手に思い込んでしまいました。しかし、2回目のスクーリングで話しかけてくれた女性が、私と同じ関西方面の出身の方でした。その方と話していると、自然と関西弁になり、東京にいながらベタベタの関西弁で話をしていることが本当に嬉しかったことを今でもよく覚えています。

「中央大学・明星大学」駅から直結する「StarWay」にある長いエスカレーター

スクーリングがとても充実していたそうですが、その中でも特に印象残っている事があるとか?

 「特別活動と総合的な学習の時間の指導法」のスクーリングの際に行った、『エンカウンター』が特に印象に残っています。『エンカウンター』は、『心と心の交流』や『ホンネとホンネの交流』などを意味します。担当の小川順弘先生は、学生同士の交流を大事にされる方で、授業内でも、単純に意見交換をすることだけでなく、“自身のホンネを語る”仕組み作りをしてくださいました。
 
 授業の中で、他の学生と話をしている時、同じく結婚が取りやめになったあとに入学した方と出会いました。『自分と同じ境遇の人がいるんだ』ということを知り、心が明るくなり、前向きになれるきっかけにもなりました。「人との交流が苦手」と思っていましたが、「こんなに自分の内面のことを話して良いんだ」と気づき、「ホンネとホンネの交流」をすることで、相手との距離の縮め方という事を感覚的に気づき、人間関係作りのヒントになりました。
 
「エンカウンター」を通して、相手の理解が深まるだけでなく、自分自身の中でも考え方を整理することができて、とても充実した授業になったことを覚えています。
 
また、色々な環境の方が勉強しているという事を改めて知り、明星通信で学ぶことの魅力を感じました。

充実した明星通信での生活を送られていたようですが、苦労したことは何ですか?

  元々、コツコツ勉強するということが苦手で、孤独に教科書を読んで、レポートを書くということが私にとって苦痛でしかありませんでした。一生懸命書いたレポートが不合格で戻ってきた際は、泣きたい気分になりました。今は、レポートもオンライン提出と聞き「羨ましいなぁ」と思いますね(笑)。仕事をしながらでしたので、勉強できる時間も限られており、自分なりに計画をもって勉強することはとても大変でした。

ディスカッションやグループワークが頻繁に行われる 対面スクーリングの様子(2023年5月撮影)

  一念発起して入学し、仕事との両立に苦労しながら、スクーリングに積極的に参加する事で“勉強”以外の部分でも多くの学びがあったと語る永江さん。後編では、現在のお仕事の話を伺っていきたいと思います。