リサイクル顧客の掘り起こしでは「コンテンツ」が7割という話
BtoBマーケティングでの「リサイクル顧客」が重要になります。
過去に商談した顧客の場合、ほかのブランドよりも自社ブランドに対する好意度や信頼性が高く、すでに自社商材を理解してくれている可能性があります。
例えば、
・商談時に予算が今なくて失注した
・問い合わせをもらったけど、要件整理したら成果でなさそうでお断りした
などは代表的な失注要因です。
そして彼らのようなリサイクル顧客に対して、半年、1年後に再度連絡をして商談が組めれば、アポ獲得の敷居は相当下がります。
そんなリサイクル顧客の掘り起こしでよく取られる手段が架電です。
リサイクル顧客のリストに対して、上から電話をかけまくることで、直接電話口で状況を伺ったり、アポの打診を行うのです。
しかし、このやり方は時間も人手も必要ですし、担当者にとっての精神的ストレスも蓄積されていきます。(向き不向きがあるので一概には言えませんが…)
そして何より、顧客視点に立った手法ではないように感じます。
私たちサービス提供側からすれば「電話を掛ける」ですが、顧客側からしてみれば「業務中にいきなり電話がかかってきてアポの打診をされた。」状態です。
ふと出てみた電話でいきなりアポの打診をされたらどうでしょうか?
・怪しい
・面倒くさい
・迷惑
等々、負の感情が起こることが多々あります。いくら認知しているブランドといえど過度な架電はクレームにつながってしまい、ブランドの棄損になりかねません。
架電という施策の特性上、一定量成果は出せますし、施策自体を否定しているわけではありません。(少し話はそれますが、事業立ち上げ期では、獲得単価を抑えられる有効な手段としてテレアポが必要とされることが多い印象です。)
ただ、リサイクル顧客に対してのアプローチ方法として適切かどうかといえば、そうではないと考えています。
「コンテンツ」での「テックタッチ」が実は重要。
ここからは、私が経験したことをベースに、リサイクル顧客への掘り起こしは「コンテンツでのテクタッチが重要」というお話をします。
まずは、「テックタッチ」という言葉について説明します。このテックタッチとは、「ハイタッチ・ロータッチ・テックタッチ」の3つの顧客アプローチ手法のうちの最下層を示しています。
基本的にはカスタマーサクセスでよく活用される考え方です。
初期のアプローチは、できるだけ最下層に位置する「テックタッチ」から始めていくことが大切です。
コンテンツでニーズを検知、一定の確度がある顧客へアプローチ
先ほど、架電でのリサイクル顧客へのアプローチは精神的な疲弊などを生みやすくなるなどデメリットがあることをお伝えしました。
このデメリットはそもそも「ニーズが顕在していないリサイクル顧客」へ強制的に案内をしていることで発生しています。
つまり、ニーズがあるか分からない人に対して、いきなりハイタッチのアプローチを行っている状態であり、ユーザーにとっては突然なのに、距離感が近すぎると感じてしまうアプローチです。
ここまで見知らぬ人からの距離感の近いアプローチを受けていれば、迷惑に感じてしまうのもうなずけます。
しかし、仮にユーザーのニーズが顕在しており、「サービスに興味がある」という状態であればどうでしょう。
架電でアポ打診をすれば「ちょうどよかった!」とアポにつながりやすいですし、アプローチ側も最小工数で提案の機会を獲得することができます。
いきなりリサイクル顧客に対して架電するのではなく「コンテンツによってニーズを検知して、顕在化しているユーザーに対してアプローチをしていきましょう」というお話です。
コンテンツの種類
ここでリサイクル顧客に向けたコンテンツ発信の種類をお話します。
まず一つ目は、「メール配信」です。このメール配信での重要になるのは「文面」と「オファー」になります。
リサイクル顧客の目に留まるような文面を作成し、行動を起こしてしまうようなオファー(無料分析、ホワイトペーパーダウンロード)意識しましょう。
その際に、アポ打診といった敷居の高いオファーを行うのは控えるとよいです。もしかしたら1000件送ったら1件は商談の申し込みが入るかもしれません。
しかし、これでは顧客視点からの階段設計が意識できておらず、成果を最大化することができません。
次にお勧めするのが「少人数の勉強会の開催」です。
ツールを販売している企業であれば、新機能をリリースした際に「新機能勉強会」を開催したり、ツールの領域に関するナレッジを発信するような勉強会を開催するなど1対Nのコミュニケーションが実施できるような体制を作りましょう。
ただ、実施のための企画力や時間と工数がかかるうえに、意外と人が集まらないこともあるので、粘り強く進めていくことが大事です。
リサイクル顧客の掘り起こしでは「コンテンツ」が7割という話でした。
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