私と元フォロワーのお話

まず大前提として、この話は3年前に終わっています。
何故今更noteにしたのかと言うと、このnoteを書いたことを機に、すっぱり切り離すためです。こう書くと察していただけると思いますが、あまりいい終わり方ではなかったです。そして、当時の私はかなりの大馬鹿者でした。

私のこの恥が、誰かの目に届き、反面教師になりますように。

当時、私は18の大学生。正直、ネット依存気味だった。
現実での生活に生きづらさを感じていたわけではなかったが、ネット、SNSの繋がりが楽しくて仕方がなかった。今回とりあげる元フォロワーとは、当時特に仲が良かった男性フォロワーの一人、ここではSと記していく。

Sは当時、私が好きだったアニメのキャラクターになりきって演じるアカウントを運営していた。私はてっきり、なりきりアカウントだと思って彼をフォローし、すぐにお互いフォローし合う「相互関係」になった。それは彼がキャラクターのなりきりを止めても続いていた。Sは私より約4〜6歳ほど年上の社会人だった。
私とSはそれなりに交流もあったし、私はSをあだ名で呼び、Sも私を「○○(当時のユーザーネーム)ちゃん」と呼んでいた。私はあまりSNSにおける人間関係に恵まれずトラブルに巻き込まれたり、ある被害を受けたことがきっかけで争い事も起こったが、Sは決まって私の味方をしてくれた。Sとの交流が何よりの楽しみだったし、言ってしまえば彼に恋心を抱いた時期もあった。彼に会いたいがために、彼の住む遠い地まで行こうと思ったくらいだった。通話アプリで長々と雑談し、時には相談に乗ってもらう日々が、何よりもかけがえの無い日々だった。

しかし、そんな日々が変わっていった。
Sは、ある動画を作成、投稿し、何がきっかけか約二万人程度のフォロワーを持つ「ちょっとした有名人」になった。有名人になることは構わないが、その動画の内容が女性に性的暴行を行うという旨の内容なのだ。
私も女だ。そのような内容を快くは思わないし、それを笑い楽しむフォロワー達(しかも、多くはないが女性もいた)が理解できなかった。しかし、優しくて信頼している彼がどうしても忘れられず、ズルズルと相互関係を続けていた。彼は持ちネタと現実を分けているはずだ、彼は女性を性的消費の的として見ていないはずだ、彼はこんな動画を作ってるけど実際は優しい人なんだ、と必死に幻想を抱きながら。

そして、これはSNSで有名になった者の運命だろうか。Sは横暴で他人を見下すようになった。いわゆる「天狗になる」状態だ。見下す対象に、もちろん私も入っていた。二万人ものフォロワーを抱える彼にとって、たった十数人程度のフォロワーしか持っていない私はカースト最下層もいい所だろう。ましてや、動画にコメントも送らなければ「いいね」もしない私なんて。
そしてある日、とうとうSにこう言われたのだ。

「お前は俺の本当のファンじゃない」

ああ、終わった。
この時の、今までの感情がスーッと冷める瞬間を今でも覚えている。もう、私が好きだったSはいないんだ。今私が関わっているコイツは、女性を性的消費し、自分がインフルエンサーになったと勘違いし、悪人だの都合のいい事言って、自分の気に入らないユーザーに嫌がらせをするよう信者に示唆する人間のクズなんだと。なかなかお花畑から抜け出せなかった私が彼をブロックし、関係を絶ったのは数日後だった。本当は即ブロックしたかったが、彼の次の嫌がらせのターゲットになりそうだったから。

とはいえ、私もなかなか未練を断つことができず、不定期に彼の様子を見ては「こうはなりたくない」と感じる日々。どうしても、楽しかった頃の思い出を忘れることができなかった。


それから三年ほど経ち、私は社会人になった。
忘れもしない、11月頃だ。急にSからフォロー申請が届いたのだ。
どうも、Sもまた私を不定期で様子見していたようだ。実は一度だけ彼に言及したポストを投稿したのだが、彼はそれを見ていたのだ。
あの頃と比べるとフォロワーも減り、動画の再生回数もぐんと落ちた、いわばオワコン状態のSを見て、思い出したのは昔の優しいSだった。
しかし、過去の綺麗な思い出があっても、Sとの仲を戻すことはすぐにはできなかった。というものの、Sは話題集めか、はたまた本気の恋愛なのか、当時中学生の少女とネット上とはいえ恋人関係になっていたのだ。いわば私の目の前の画面にいる人は「女子中学生とネット恋愛するアラサーの男性社会人」だったのだ。

どうやら彼は夢に私が出たことをきっかけにフォロー申請を送ったらしい。ただ、私は彼を取られた!という感情よりも「コイツ、女子中学生と恋愛してる犯罪者予備軍じゃん」という感情が強かった。
が、しかし私はまた綺麗な思い出に囚われ、再び彼と相互関係になってしまったのだ。これが後悔の種になるとも知らずに。


流石に以前のような仲にはなれず、当時のあだ名を使わず、タメ口も使わず敬語で接した。Sも当時のような性的暴行をネタにした動画を投稿せず、気に入らない誰かを攻撃するよう示唆することもなかった。しかし、とうとう彼は事件を起こした。ネット恋愛関係であった女子中学生と実際に会い、肉体関係を持ち、警察沙汰になったのだ。
流石のSもこれには耐えきれなかったのだろう。かつての栄光の証だった自身のアカウントに鍵をかけ、活動を停止した。そして新しく作ったアカウントで私に再び接触。私が上記の出来事を知ったのはその時だった。

もし、この時Sが自分を戒めたり、反省をしていたら違った未来だったかもしれない。だが、Sから出た言葉は女子中学生に対する恨みと、自己弁護の言葉だった。女子中学生が成人と偽りSと関係を持ったのならともかく、Sは相手が中学生だと知りながら手を出した、庇う余地も無い状況だった。
それを見て、再びあのスーッと冷める瞬間を私は感じた。しかも今は当時より更に悪質な「反省もしていない性犯罪者」だ。女性として性なのか、私の頭の中は「ヤバい、逃げよう」だけだ。今度はブロックではなく、アカウント削除で私は再びSとの関係を絶った。社会人二年目を迎えた春だった。

これが私と、ネット上では一番思い出深い元フォロワーとのお話です。
Sがどんな心情で私と交流していたかは分かりませんが、もしかしたら下心を持っていたのかもしれませんし、純粋にただの相互関係だったのかもしれません。ただ、もしあの時、親を騙して彼と直接会っていたら…もしかしたら私も巻き込まれていたのかもしれません。

しかし、綺麗な思い出と言うものは恐ろしいです。ここまで来ても、まだ完全に断ち切ることができないのですから。今でも時折思ってしまうのです。Sはどうしているんだろう、と。
少なくとも、当時のSNSはやっていないでしょう。もしかしたら、素敵な人と出会って、新しい家族を作ってるのかもしれません。

Sさん、あなたは今、どこでどんな生活をしていますか?
実家暮らしの18歳の大学生だった私は、一人暮らしの26歳の社会人になりました。
もし、私のことを忘れているのなら、そのまま忘れてください。覚えているのなら、昔少しだけ交流のあった人間として留めておいてください。
私も今は大切な人がいるし、あれほど依存してたSNSもただの壁打ちアカウントになり、現実もそれなりに充実した日々を送っています。そして、私もあなたをこの機にすっぱりと切って忘れます。

最後に、もし、今SNSで未成年と恋愛関係になっている成人の方は、どうかこの話をきっかけに今一度考えてください。恋愛を否定する権利は誰も持っていませんが、肯定することもできない恋愛です。もし、本当に彼・彼女が大切な人なら、きっと何か別の答えがあるはずです。あなたが誤った道を選んでしまった際、悲しむのは当事者だけではなく、それを知ってしまった人たちもなのです。だから、もう一度考え直してください。

酷い雑文で申し訳ございません。
もし、最後まで見てくださった方がいればうれしいです。
それでは、またいつか。

あめカス、こと当時のめあより。

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