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ホルンのお稽古〜できてるところも見つけようね〜

月に二回コンスタントに通っているチェロと違ってホルンのレッスンは不定期。
日々の練習で気になったら相談するというスタイルである。

「珍しくトップを吹くことになった曲が難しくてどうアプローチしたら良いかわからない。」
「個人練習の内容、もっとブラッシュアップしたい!」
だいたいこんなことを相談しているかな。

今回のレッスンは
「気軽に引き受けたある曲のトップが高音すぎて辛い」
がメインだった。
基礎練習も高音域を中心にちょっと念入りに吹いてから、
「じゃあ件の曲、吹いてみましょう。」
で始まった。

「うん、吹けてます。ハイトーンを吹くにあたっての臨戦態勢みたいなのを維持して吹けばもっと吹きやすくなる。曲の時代背景上、バリバリ唸って吹く必要はない。今の音で充分。合奏練習で何度も吹くと疲れる?それはそうだ。
「再現性がない」というけど、今何回か吹いてみて、吹けていることの方が多かったのだから、それは「吹けない」じゃあないね。」

「怖がらないこと。根性論はよろしくないけど、ピアノ(p)のところでも力と息のスピードは必要。「吹ける」と思うことも大切ですよ。」

「怖がらない」「思い切って吹く」は今までのレッスンでもたびたび指摘されている。またハイトーン、高音域の演奏ではある程度の緊張と圧力は必要で、大抵の場合脱力することを意識しないでよい、とのことだった。

先生は「こうやれば吹ける」という指導はしない。多くの先生がそうであろうが生徒さんの演奏を見て、「ここをこうすると吹きやすくなるんじゃないか」という提案をしてくれる。上手く吹ける、ではなく、吹きやすくなる。
 「よい音、よい演奏に無用の苦痛はない。良い音は楽に出る(吹きやすい)。」というのが先生の信条なのだろう。とても腑に落ちる考えだ。

あとはソルフェージュや合奏の中でアンサンブルを作ることにも気を配れば大丈夫でしょう、というところでレッスンは終了。
「大丈夫、あなたはちゃんと吹けてます。高音域ばっかりの曲だけど楽しんでください!」

長いブランクを経て再開したホルン、学生時代からずっと続けている人々と比べて経験も技術も大きく水を開けてしまっているというある種の負い目から、曲の練習を始めるときに
「わあ難しい曲!私には吹けないんじゃないかしら?」
という印象に始まり、果ては「未熟者できちんと演奏できない自分」を自身に演じさせてしまってさえいるんじゃないかと、最近思うようになった。
だからと言って自分はとっても名手だ、とは決して思わないが。
今の先生のレッスンを受けて、おそらく5〜6年になるが、とにかく「吹けてる!良い音!」と褒められる。照れを通り越して引くくらいに(笑)。(チェロとの大きな違いである!)
自信をつけさせる、という以上に「できないことだけでなくできていることもちゃんと認識しようね。」ということなんですよね、先生。

本番までまだまだ時間はある。
やれることはたくさんある。

「私は吹ける」。
楽く!

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