「誰かのために」も自分の選択。自分らしく乗り切った受験ドッキリの考察
以前noteにも書いたのだが、私の受験期の思い出は、自分の人生の中でもとても特別な時期で、そして今の自分に繋がる時期だったよな〜と今でも思い返すことがある。
(ちなみに学力的に言えばこの時期がピークであったと悲しいかな認めねばならない。大学に入って以降の私の学力はぽんこつでした。)
それは、私が浪人時代、学力もさして高くなかったところから志望校に合格するという結果を、「自分の手で」引き寄せた実感が伴っていて、そしてそれが今の自分の選択への自信に確実に繋がっていると感じるからである。
「自分の手で」というのは、自分自身をより正確に理解し、自分をより高めるためにできることを、自分らしいやりかたで全て実践し切ることができたということ。
自分が最大のパフォーマンスをするための、自分らしいやり方の仮説検証を、まさかのこの時期に成し遂げているということがやはり強く思い出にのこっている理由だと思う。
しかし人生かかったこの時期にようやったな、と今でも思う。笑
さて、そんな私は何をやったか。
それは、周りをがっつり巻き込んでの
「浪人丸1年かけた彼氏ドッキリ大作戦」
というなんともびっくりなマル秘計画だった。
とにかく自分より彼氏大好き人間だった私の目標設定
「カレと離れ離れにならなりたくない・・進路どうしよう・・」
高校生が主人公の恋愛漫画によくありがちな展開ですね。
でも大体、主人公はちゃんと自分の夢を見つけて自分の進路を見つけ、なんやかんやカレとのいざこざありつつ、なんかうまいことまとまっていきますよね。
今の私を知っている人にはちょっと意外かもしれないけれど、
私はいわゆるこんな乙女ちっくなマインドの持ち主でした。笑
小さい頃から友人関係がうまくいかず、自己肯定感なんかまるでなかった私は、自分に価値があるなんて思いもできなかった。だから高校2年にできた初めての彼氏の存在は大きく、私の人生に多大なる影響を与えたのである。
現役の時にはあまりにも実力差があったため別の大学を志望したが、落ちて、またもう一年頑張るにあたって、
じゃあどこを次の志望校にする?
となった時、まず頭に浮かんだのは
「・・・一年あれば彼氏さんの大学いけるんじゃ?!」
でした。
志望校のランクでいえば十分1年浪人する価値もある。
しかも彼氏さんと同じ大学へ行ける。
さらに自分が志望している研究分野の研究室もちゃんとある。
(↑いくら彼氏マインドでもここは大事)
浪人1年を乗り切るためのモチベーションを維持するために、速攻で私は自分の志望校を、言うたら1年後も本当に付き合っていられるかわからない彼氏のいる大学へと決めたのです。
・・・まあここまでは別にあると思うんですよ。
全然あるし、それがステップアップにこそなれ、自分を下げる決断でもないので、誰もきっと何も言わない。
ただここで私が決断したもうひとつのこと。それが
「彼氏さんに1年間隠し通して、入学式でびっくりさせてやるんだから!!!」
っていう、この <ドッキリ> を計画に入れたことだった。
友人、家族、恩師を巻き込んでのドッキリ大作戦
ここで私の当時の彼氏を紹介しよう。
彼は高校の同級生で、高校2年から付き合って受験当時はまだ付き合って2年たらずの関係。
しかしもちろんうちの両親も向こうの両親も知っているし、さらに言えば同じクラスだし同じ学年なので大量に友人関係もかぶっている。
そしてさらにお互い一番お世話になっている恩師も一緒で(note参照)、二人で一緒に休みの日に恩師に会いにいくこともあるくらいだった。
ここで彼氏が学校も違って、年齢も違って、とかだったらドッキリは全然普通にできたかもしれない。
でも私の場合、私の周りの関係者全てに箝口令を敷く必要があったわけだ。
・・・浪人時代という真剣な時期に、なんてはた迷惑な企画だ!!!
しかもたった一人でも、つるっと口を滑らせたら終わりである。
しかも1年間である。長い。
その関係人口は、同じ塾に通っていた友人や家族、恩師を含めておそらく数十人に及んだが、私はその全てに厳重に
「ほんとに、ほんとに、ほんとに、びっくりさせたくて、そのドッキリ成功の時の顔を見るためにこの1年自分を追い込むから、ほんとに、ほんとに、ほんとに、協力お願い・・!!!」
と、なんとも自分勝手なお願いをしたものである。
はあ?!ってなってもいいところだと思うのだが、当時校内でも有名だったおしどりカップル(自分で言うのもなんだけど)だった凸凹ペア(私172cm、夫159cm)の私たちに、周りの友人たちや恩師も含め、めちゃくちゃ協力的だったし、むしろ
「え〜〜!!めいちゃんそれ最高!!絶対おどろかしちゃお〜!!喜ぶよ〜!!」
とめっちゃ一緒にその浪人ドッキリを楽しんでくれた。
ほんとにその頃私は素敵な人たちに囲まれてたなと、改めて思う。
(いつかまた会えたらひたすら友人たちにハグしよう)
ややこしい自分の高め方、集中させ方
さあここまで人を巻き込んだからには、
「受かりませんでした〜テヘペロ」
というわけにはいかないのだ。
ここで私に逃げも負けも選択肢はない。
とにかく実現するのみ。
私はとにかく勉強するしかなかった。
でもここでひとつ問題が。
私はとにかく正攻法の勉強が苦手なのである。
集中力が短い短距離型。
好きな科目は集中できるが嫌いな科目はほんとに効率が悪い。
静かな自習室にいると「キィィィィィィィーーーーーー!!」となる。
授業中ノートをとり続けるのが苦手。
当時体の調子もあまり良くなく、授業の40分椅子に座っていることも辛い。
経済的な事情で、浪人中の費用の一部を自分でどうにかしなくてはいけない。
こういうことを言い出すと、特にまだ当時は
「何をわがまま言ってんだ?浪人生だろ?とにかくひたすら勉強しろ!自習室に通え!授業を取れ!苦手科目をなくせ!やれることを全部やれ!」
みたいな雰囲気があったわけです。
(直接言われたわけじゃないが。雰囲気)
でも当時私には確信があった。
”私はみんなと同じやり方を1年続けたら、絶対に1年もたずに潰れる。”
そこで、私は以下の誓いを自分に立てた。
▶︎苦手なものを引き上げるより、得意なものをとにかく誰にも追いつけないくらい伸ばすこと
▶︎授業中は先生の話を聞くことに集中、その代わり特に自分が伸ばしたい科目については予習をしていくこと。自分にできる範囲で最大の効果を
▶︎自習室は静かなところじゃなくて逆にざわざわしているところでもいいから、自分が集中できる環境と姿勢でやること。その代わり流されず覚悟を決めてやるときゃやる。
▶︎オンオフをつけること。休息も必要。
▶︎バイトは土日のみ。バイト中は受験のことはオフにして全力で気分転換。その時間の間にも差をつけられる、などのマインドは捨てる。その代わり他の時間の濃度を上げることに全力。
でもとにもかくにも、自分らしくやるからには
<<<<絶対に絶対に絶対に結果を出す!!!!>>>>
結果、この誓いが私にぴったりハマって、私は浪人時代、最高のパフォーマンスで望む通りの結果に繋げていくことができた。
苦手をどうにかするより、得意を武器にした方がいい
私はとにかく当時から、
【なんで人より苦手で人と同じ結果出すのにコスパ悪い苦手科目のために時間を使わなきゃいけないんだ?】
【同じく努力するならより伸びて人と違う結果をだせるところにエネルギーを全投球したい】
という疑問と欲求がものすごく強かった。
だって、苦手科目の底上げをしたところで、他の人より秀でた何かを得ることはできず、"みんなと同じ"になるだけ。確かに受験において、いかに"合計得点を伸ばすか"で考えれば伸び代大きいところに力を入れる戦略があるのは理解はできる。が、どうしてもそれが社会に出てからその戦略が役に立つとは思えなかったのだ。
"散々苦手な科目を苦しみながらなんとか平均まで持っていくことにエネルギーを使うくらいなら、他の人は得意じゃないけど自分が得意なこと好きなことに全力投球して、自分だけの自信を持てる武器を磨きたい。"
ただし、もちろんたった一科目に全振りするのはもちろんこと「受験」において正しい戦略ではないことは自覚があったので、
① 苦手科目もコスパが良い"最低限"の時間を費やす
② 得意科目はとことん最高レベルを目指す
③ 自分の志望校がその戦略でクリアできる算段をつける(実際センター配点が低く、得意科目の配点が当時めちゃ高かった)
この3つは肝に銘じて日々の勉強をしていった。
やはり何をするにも、バランスって大事なのだ。
ただバランスの取り方に、その人その人の個性がきっと出ていい。
そして何より大事なこと。それは、
<<自分らしさを貫こうとするなら、結果は必ず出す>>
そう。結果さえ出せば、途中なんやかんや言っていた人も何も言わなくなる。
なので本当に必死だったし、模試などでもどうにか結果を出して、物理だけで言えば東大模試で全国の中で上位50人に入り名前が載るくらいにまで高めていった。(この時が私の物理のピークだったという疑いアリ)
さらに私は先にも書いた通り、経済的な事情により浪人中にもかかわらず週末は映画館でバイトをしており、浪人のクラスの担任からは何度か
「バイトしてる場合か?」
と言われたし、受験後に聞いた話では
「正直、受験を舐めてると思ってたし、受からないだろうと思ってた。なのに結果ちゃんと出したもんな。すごいよ。」
と言われた。まあ、予備校の先生としては心配な生徒だったろうなーと思うけど、結果さえだせば自分らしさは貫いても最終的には認めてもらえるのだとこの時に知った。
【自分らしいやり方を貫き通して結果を出せた】
これは、この後一生私が何かを選択するときに自分の選択を支えてくれる自信になったのは間違いないし、仕事をするようになってからも、その人その人の得意や興味・関心を伸ばしていくのが最も効果的なチームビルディングになるという確信にもなった。
自分の”やる気スイッチのトリガー"を知るということ
もうひとつ重要な経験ができたなーと思うこと、それはこの時の私は自分のやる気スイッチをかなり巧みに使いこなしていたということだ。
受験中、何度も何度も勉強が辛くてあきらめそうになった。
だって解いても解いても終わらない。
覚えることも次々出てくる。
終わりのないことほど辛いものはなかった。
そして何度も何度も集中力が切れてぼーっとすることがあった。
でもその度にこの言葉が頭をよぎり、私はすぐに机に向かい直すことができた。
一体何人にこのドッキリ作戦を成功させるために
協力してもらってると思ってんの?!
まじ受からなかったらこの1年間の仕込みは全部無駄だよ!!!
笑い話にすらならないよ!!!!!
「うえええええええ?!なんでここいんの?!?!」って
言わせたいんでしょ!!!?!
自分の人生をかけての受験なんだけど、
でも私は自分のためだけだったらきっと最後まで全力を出すことができなかった。
彼氏さんをびっくりさせたいという気持ちとか。
協力してくれてる家族や友人や恩師に「やったよーー!!やったったよーー!!!」って言いたい一心だったりとか。
私のやる気スイッチはこの時から今もずっと、
「自分のため」ではなく「誰かの喜ぶ顔が見たい」だったり、
「誰かをがっかりさせたくない」っていう気持ちだったんだって。
そういう意味で、この時、私が受験において「ドッキリ企画」という形で自分の逃げ場をなくし、目標達成へ向けてのワクワクとドキドキを付け加えて臨めたことが、うまいこと自分のやる気スイッチのトリガーになることができてたんだよなと今思い返しても良くやり切ったなと思う。
結果、最後の最後まで死に物狂いで取り組んだ受験は見事成功。
私は本命含め、受験した3校全てで合格を勝ち取ることができた。
家族はもちろんのこと、友人も、恩師にも報告し、みんなが喜んでくれたし、この1年をかけたドッキリをやりきった私を褒めてくれた。
特に個人的に彼氏さんと交流があった担任の先生は、無事に合格したという知らせを聞いて、
「なんどか彼から明夢さんの受験の状況の話をされることがあって、うっかり本命の受験校の話をしそうになってしまってヒヤヒヤしてましたが、なんとか隠し通せてホッとしてます・・!!それにしてもいやあ、がんばりましたね!本人に報告するのが楽しみですね!!」
と、やはり余計な心労をかけていたんだなと思いつつも、とにかくそれに報いることができて、胸をはって母校を訪れることができたことも本当に本当に嬉しかった。
誰かのための目標すら、
絶対に"自分の"選択にするという覚悟
「あなたの夢は何?」とか
「あなたがやりたいことって何?」とか
受験の頃もそうだしその後しばらく私自信に叶えたい夢はそんなになかった。あるとしたら、彼氏さんと一緒にいたいとか、彼氏さんと結婚して家族をつくりたいとか、そんなもんだったんです。
だからその後の人生でも、幾度か私は「彼氏さんと一緒にいる」を軸にして自分の人生の選択をしたこともあるし、きっとそれは他の人から見たら「この人自分の軸がない人だな」って見えてても仕方なかったかなと思う。
(実際、おまえ、彼氏に捨てられたらどうすんの、ってよく言われた)
ただこれだけは自信があって、
私はたとえそこできっかけが彼氏さんだったとしても、
それが友達だったとしても、
家族だったとしても、
自分がした選択は、あくまで自分の未来のための選択であって、
その後どんな結果が待ってたって、
絶対その人のせいにすることは絶対にない。
だから、
誰かのために自分の未来の可能性をつぶしているのではなくて、
誰かのために自分の可能性をむしろ広げている。
結局それが自分らしい選択で、
今もなお、それは変わらない。
やっぱり自分のためより、誰かのために動く方が
圧倒的に動けるし、自分も毎日が楽しいし、
ご縁も次から次へと広がっていく。
必ず自分で選んだ道を全力でやりきる。
成功も、失敗すらも、全て自分のもの。
それが私の私らしく生きるための覚悟。
そういう選択だったら、誰かのために決断しても
絶対自分の人生はハッピーでしかないと今でも思っている。
サプライズの結果は・・・
さてそんなこんなで、1年がかりで大好きな彼氏さんのために(?)仕掛けたドッキリを実現させ、協力してくれたみんなに挨拶をすませた私は、当の彼氏さんに、いつどうやってばらすのが一番楽しいかをワクワクしながら考えていた。
やっぱり入学式の日に、本人呼び出して言う・・・?
それか入学証明書かなんかをさらっと送りつけて、大学名を気づかせる・・??
それかそれか・・・ムフフフ
考えているうちに、もう黙っていることができなくなった私は、一度違う大学に受かったと疑似報告を済ませた後だったが、彼氏さんが夜友人とごはんに行っていた時に我慢しきれず電話をかけた。
プルルル・・・プルルル・・・
「もしもし?どした?いま●●たちとご飯食べてるんだけど」
「もしもしー。いや、やっぱり受かったから嬉しくて電話してしまった」
「おー、いやほんとお疲れー。○○大学でしょ?よかったねー」
「うん、ありがとー。そうそう。東京工業大学ー」
「・・・・は?○○大学でしょ?」
「・・・・え?いや東京工業大学だよ。」
「・・・・・・・・・・ハァ!?💢」
(・・・・アレレーーーーー!( ・∇・))
結果、実は喜ばれることはなく1年間騙し続けていたことを怒られました。(笑)
怒られた理由は「もっと早く言ってくれてたら、対策とか勉強付き合うとかもっといろいろできたでしょーが💢」っていうことで、決して私に一緒の大学に来てほしくなかったとかそういうのではなかったそうですが、【驚かせる】には大成功でしたが【喜ばせる】は実は1年かけて失敗したという、実はそういうオチでした。笑
サプライズしかけるときは、相手が何に喜ぶかはリサーチしましょうね(笑)
まあ、でもその後
「やっぱりでも一緒の大学行けてよかった。お疲れ。
しかしどんだけ色んな人巻き込んだんだよ笑」
って言ってくれたのでよかったし、
やっぱり頑張って入学した大学で出会った仲間たちは本当に最高だったし、
彼氏さんの影響を多大に受けた進路だったけど、
でもその扉の先は、わたしひとりではきっと辿り着けなかった世界で、
今でもその大学へ行けたことを誇りに思っているし、
やはり自分の選択に悔いなしなのだ。
あ、そしてちなみに
「お前彼氏に捨てられたらどうすんの?」のお声については。
あれから20年、彼氏さんは旦那さんになり、
可愛い我が子に2人も恵まれ毎日楽しく過ごしておりますので
心配ご無用!
なんとなく、急に懐かしい受験期のことを思い出したので、またつらつらとnoteに書いてみたのでした。
さーて。明日は誰に喜んでもらうために全力疾走しようかなー。
みなさんのやる気スイッチはどんなトリガーで入りますか?
みなさんにとって一番ここちいい自分らしい選択できてますか?
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