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「修正し続ける」広告宣伝課 H・I

その人が大切にしている言葉を知ることで、その人の考え方や生き方に、もっと触れられるかもしれない。「あ、もっと知りたい」そう思う、きっかけになるかもしれない。

そんな想いで始めた、名優で働く人が大切にしている言葉についてインタビューする「a motto(ア モット)」。

第21回は、広告宣伝課で働くH・Iの a motto です。


(優一)
大切にしている言葉を教えてください。


(H・I)
モットーとかではないんですけど、最近いいなと思った言葉があって。

私が好きなYoutubeチャンネルの人が言っていたことなんです。そのチャンネルは、いつも面白いことをやっているんですよ。くだらないこととか、どうでもいい事を、ひたすら面白くやっている。

その中で、視聴者からのお悩み相談の企画があって。それも、変なものが多いんですけど。

「歯磨きをしたことがないんですけど、どうしたらいいですか?」とか(笑)。

その人は、もう大人なのに歯磨きをしたことがないらしくて。でも、友人とかと一緒に旅行にいった時は、変に思われるのが嫌だから歯磨きするフリをするらしいんです。その偽っている感じに葛藤を覚えていて、どうしたらいいですか、と。

それに対して「面白いからそのままでいい!」と回答している、みたいな。


(優一)
なにそれ(笑)。


(H・I)
そんな感じのチャンネルなんですけど(笑)。

この間「将来やりたいことが見つからない。どうしたらいいですか?」っていう悩みがきて。それに対して「やりたいことを見つけなくてもいい」という話をしてたんです。

人間って、なんか特別なオンリーワンみたいなものを目指したがるじゃないですか。でも、世の中にある仕事というのは、だいたい代わりがきく。誰でもできるような作業であることも多い。

それを頑張るのは虚しい、みたいな考えを持ちがちなんだけど、でも誰もができる仕事を、他の誰でもなく自分に任せてもらえる人間になること。それが尊いことなんじゃないかって、その人は言ったんです。

仕事としては誰がやってもいいものなんだけど、でもあの人に任せたいよねと思われる。そこには、その人の仕事に対する姿勢だとか、積み重ねてきた信頼がある。

誰かに仕事を任せたいと思われる、あなた自身が素晴らしい。

すごくいい考え方だなって思いました。


(優一)
確かに、新鮮な考え方でいいですね。でも、こういう言葉がIさんの心に留まるのは、なんだか意外でした。


(H・I)
実は今日話す候補を2つ持っていて。自分にはモットーとしている言葉は特にないので、「言葉」を要求されたらこの話、「言葉でないもの」なら違う話をしようと思っていたんです。


(優一)
もう1つも知りたい!


(H・I)
もう1つは、スタンスとして単にずっとやっていることなんですが、「修正し続ける」ですね。

例えば、何かの販促物を作るとするじゃないですか。チラシでもなんでも。

ああいうものって、その時点の私が作ったものであって、例えば一年後とか私の目がもっと磨かれて気づくことがあったら修正するんです。

私も発展途上ですし、仕事には締め切りがあるので。来週使うから、今日入稿しないといけないとか。だから、今日のところはここで止めるんだけど。

特に事情がなかったら、永遠に修正し続けるという。


(優一)
完成がないということ?


(H・I)
そうですね。

最近ウェブで読んだ記事で、サイゼリアの創業者の方のお話があったんです。

その方は、まだ「サイゼリアは高くて不味い」と思っているんです。あれだけ店舗も出して、たくさんの人に来てもらっているのに、まだ満足していない。

これで最高だと思ったら、そこで止まってしまう。まだ不味い、何か改善できるはずって常に思っているから、なにかを捻りだすんです。それでどんどんブラッシュアップしていく。


(H・I)
あと私は、自分が100点と思っているものと、会社が100点と思うもの、お客様が100点と思うものは、全部違うと思うんです。全部一致してるなら自分が思う努力をすればいいんですが。

例えば何かのチラシを作る時、挿絵を1個1個、自分で描くんだ、水彩の技法を活かして描くんだ!みたいなことをするとするじゃないですか。

それで、私が会社に泊まり込んで、その辺でカップラーメンを食べて、寝袋で寝て、3日間かけて作りこんだとして。

出来上がったものを会社の人に見せたら「"いらすとや"でよかったんじゃない?その時間があったら、他の作業してほしかったな」という反応かもしれない。お客様にも、いらすとやを使ったチラシで、伝えたいことは十分に伝わるかもしれない。

そこで「でも私は3日もかけて、頑張って作ったんです!」というのは、自己満足の範囲であって仕事としては意味がないと思うんです。


(優一)
仕事に取り組む前に、社内でゴールのイメージをすり合わせたり、お客様の期待値をイメージすることは大切ですよね。

2つ目の話は、Iさんぽいなと思いました(笑)。


(H・I)
そうですよね(笑)。

私がどういう人間であるかみたいなことを知っても、皆さんあまり楽しくないんじゃないかと思って。

であれば、皆さんにシェアしたら有益かもと思う話をしようと思って、1つ目の話を持ってきました。


(優一)
a motto は、その人の背景にある考え方や想いをシェアすることで、よりスムースにコミュニケーションできることを目的としているので、2つ目の方が目的にあっていますね。

1つ目はカットしようかな(笑)。


(H・I)
え~(笑)。


(書き手:優一)

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