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走り過ぎた1歳の夏〜水遊びおうち療育導入編〜

人生でいちばん走った夏

去年の1歳代の時期の息子にとっては、ただお外を走り回る事が最大の遊びだった。当然手は繋げず、振り払われるばかり。確か小さな身体のTシャツの首の部分を後ろから掴んだまま、毎日毎日通勤通学をされる方の自転車を避けつつ、2km近くランニングしていたように思う。お陰様で彼の筋力は今でも目を見張るほどであるが、今思い返すとあれは一体何の朝練だったのだ、息子よ。

室内で遊ぼうとしても息子の集中力が続かず、コミュニケーションをとる手遊びや積み木などの一般的な遊びには見向きもせず。絵本なんて3歳前の今でも秒速で飛ばし読みしている始末である。加えてひたすら室内を走る走る…これが本当に辛く、時間が無為に過ぎていくような虚しい気持ちにもなった。

何せ支援センターへ出かけても、公園へ出かけても、他の同月齢のお子さんが保護者の方に要求を伝えたり、それが通らずに泣いたり…まさにコミュニケーションをとりながら遊んでおられるのを目の当たりにしつつ、好きに走り込んでしまう息子の衝動が止められない事を、遊びを妨害して申し訳ない気持ちいっぱいで詫び続けるのだから。
そんなずうんと淀んだ心境になる状態であっても、一歳半健診担当の医師からは、「確かにこれはすごいですけど、ひとまずもう少し様子を見ましょう」の一言。そりゃ診断を下すことに慎重にならざるを得ないのは理解していても、現状ハチャメチャすぎて彼についていけないのである。母自身が運動音痴だけに。
兎角何かの特性があるにしても、その申し訳なさと生粋の運動嫌いの自分が只管耐えるコマンドしか持たずに過ごすのは、実に無理ゲーというものだった。いやもうあの世からのお迎えと彼岸がそこまで迫ってるで。ほんまやで…と思うほどに。

ただ、今彼の興味が引ける遊びはないのか。そして発語のタネになるような、しかも家で出来て集中力を養う遊びはあるのか。
連日のマラソンで潰えて行く思考の脈拍を感じながら、ふと思いついたのがベランダ+お風呂水遊びだった。
試しにやってみると、息子は無心でずぅぅぅっっっと遊んでいる。あの息子が!集中してる!!…いやこれは夢かね、いや現実やな…といった具合の驚きと感動は忘れられない。何せ30分も遊んでいたのだから。

息子の場合は水で身体が濡れる感覚が最初から不快なものではなかったというのもありますが、集中力育成や要求の仕方を教えるのに一役買ってくれたに違いない。


で、実際家でやってみたこと

そんな訳で、以下に実際に取り組んでみた水遊びと意図についての概略は以下の通り!
使えそうなものが有れば、どうぞお役立てくださいませ。
※防水グッズなどの配置断面図は最下部にあります。

「水に触る」
→ひんやりした感覚、濡れる感覚を体験してみる。
「水を汲み上げる」
→水を流す、混ぜる
 ★意図的に手を使う遊びを取り入れてみる。
「水を溜めてみる」
→ウォーターサーバーなどのおもちゃを導入。
   触る・汲む動作よりも複雑で、指先を使う遊びを取り入れてみる。
「シャボン玉も使ってみる」
→異なる素材の組み合わせで、「モット!」
 「チョウダイ!」の発語を促してみる。
「泡風呂入浴剤も使ってみる」
→レベルアップ感覚遊び+ごっこ遊び&
 コミュニケーション遊びを求めてみる。


このうち上の2項目については、実にシンプルな、水遊び導入当初の遊びです。
ここから徐々に徐々に、ウォーターサーバー(100均)/シャボン玉/泡風呂入浴剤を加えていって、色々試してみました。

ウォーターサーバーについては、その本来の役割通り水を汲んでため置く、流すの一連の遊びを、指先を駆使しながら楽しめます。
子ども本人の意思に沿うように容易に水をコントロール出来るのも、情緒を整えて集中してもらう意図にピッタリでした。

シャボン玉については、わざとタライの水面や子どもの手に吹き付けて遊びます。
するとシャボン玉が割れないのを不思議そうに見つめては、ポンポンと割ったり、慎重に引き伸ばしたりして遊べます。
「触ってみようよ!」「おててに止まったよ!伸ばしてみようか〜」など、手軽に指示を聞くトレーニングが出来ます
またシャボン玉が割れた後のお水も、棒や手でグルグル・バシャバシャ流れを作ると、小さな泡が浮かんできて更に楽しい模様。
もっと遊びたくなって、「チョウダイ!」「ット!(もっとやりたい!)」の意思を伝えてくれる事もあります。


泡風呂入浴剤については、袋売り(200円程度)のものを空き瓶等に移し替えて小分けにして使うと経済的であります。否、一袋使ってしまうと、泡の雲に乗れる勢いになるのでそれはそれで楽しいですが・・・!!
ともかく小さじ一杯程度をベビーバスなどの底に撒いて、水圧を強めに出したお湯を円を描く様に素早くかけます。すると子どもが遊ぶのにちょうど良い程度の泡風呂の完成です。
泡風呂そのものをフワフワの感覚として楽しむのも良し、また小さなカップを多めに用意しておいて一緒に「ください」「どうぞ」のアイス屋さんごっこに応用するも良しで、実に長く遊べます。
泡という物体が苦手でないお子さんの場合には、恐らく泡がふわふわ浮かんでくる様子だけでテンションが上がるのでは・・・


と、このようなところであろうか。
もしも今、過去の私のように走るのが大好きなお子さんに寄り添って、コロナ時代を懸命に駆け抜けそうになっておられる方がおられたら・・・そしてこんな拙案でも何かのヒントになることが有れば、とはおこがましいところである。
ともかく私自身も、機能性最重視・コスパ次点の評価を付けて履き続けてるワークマンの防水シューズを今日もはいて、少し手を繋いでくれるようになった息子に引き摺られながら頑張ろうと思います。
皆さん、本当にお疲れ様でございます。


※防水アイデア図解図

*はと目つきレジャーシート(ベランダサイズ):結束バンドorひもでベランダ手すりなどに固定し、外への水撥ねを防ぎます。
水の入ったバケツをシートの上に置くといい重しになります。



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