中学校教師、保険の営業に怒られる

本屋で目に入った「がんばらないことをがんばらないって決めた」を買った。
読んでいて、ふと昔のことを思い出した。

私は中学校で働いている。
初年度でまずびっくりしたしたのが、
保険の営業が職員室まで入って話をしてくることだ。
新卒だった私。
それが保険の営業なんてことは知らず、
彼らが話す内容を延々と聞いていた。
軽く1時間は話は続く。そして
「○月△日はご都合どうですか?」と尋ねられる。
社会人1年目の私はそれが仕事と関係があるものとして了承する。
○月△日になった。
部活動を見ていると約束の時間になったので、
理科室へ向かう。
そこで話を聞くこと数時間、私はやっと気づくのだ。
「コレハ仕事デハナイ」

それ以来、保険の営業の方が来ても全く話さなくなった。上手な断り方がわからないから、それなら最初から関わらない方が良い。

その手法を初めて数年経ったとき、
こう言われたのだ。
「こっちだって仕事なんです」
え、何?今私怒られたの?

びっくりだった。
まさか怒られるとは。
職員室で仕事をしていると、隣で保険の話を始めた彼女に私がほとんど目線を向けなかったからだろう。きっと「話したくない」オーラ全開だったに違いない。
その時は「この人だって仕事なんだ。営業って本当に大変な仕事。私の態度は良くなかった」
と反省した。

そしてそれから早5年。
教師9年目を終えようとしている。

今当時のことを思い返して浮かんだ言葉は
「いや、知りませんがな。」である。

こちとら仕事中である。就業時間なかってらである。
ただでさえ教師の仕事がブラックであること、
業務料が多いことは世間にもバレつつある。
保険屋の話を聞いてる1時間で処理できなかった仕事量を私は残業して終わらせなければならないのである。
勿論残業代なんて出ない。
その上保険に入るつもりは微塵もない。


数年前と比べて、
私は冷たくなったのか、図太くなったのか。

1つ言えることは
教師も大変、
営業も大変、
働くって苦しいことのが多い気がする。

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