渡西阿備忘録 #3
機内の中は、ずっとセンチメンタルだった気がする。
韓国ソウルでの燃料補給の時に仲良くなったライ君が救世主だった。
日本人のママと二人の新くんは、パパの実家があるタンザニアに生まれてはじいめて行くんだって。
なんでアフリカ大陸の血が入ってる子はあんなに元気なんだろう。
ライ君と仲良くなったおかげで、周りの大人たちも話しかけてくれるようになった。
「どこ行くの?」
「トーゴ」
「トーゴ?!僕も行ったことないや。どこにあるの?」
「何しに行くの?ひとり?」
「そう、アフリカ行くの初めてなんだ〜」
「わ〜いいね。ようこそ。」
「留学できてたの?」
「そう、僕は留学。あそこにいる彼は仕事できてたんだって。」
とか。
ちょっと楽しくなってきたけど、まだ寂しさと不安の方が勝つ。
エチオピアでの乗り継ぎの時には、何人かの人が
「じゃぁ、元気でね。頑張って。」と、手を振ってくれた。
機内ではアジア人とアフリカ人が半々くらいだったけれど、
エチオピアに降り立つと、やっぱりアジア人や白人は少数。
あぁ、アフリカ大陸に来たんだな。
と、ドキドキした。
エチオピアの人が話す英語は、かろうじてわからない。
エチオピアの現地語は、アラビア語系らしいから、わからないのも仕方ないね。
乗り換えを無事に済ませて、トーゴ行きの飛行機に乗り換えた。
東京かな?と思うくらい、窓から見えるエチオピアの景色は都会だった。
アフリカの地を移動しながら、親が持たせてくれたオニギリを食べた。
最後の日本の味。
少しだけ涙が出た。
気がする。
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