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法曹への近道?司法予備試験とは

自己紹介

はじめまして!法学部法律学科3年の舩木と申します。(漢字は船木ではなく舩木です)
好きな料理は、寿司!ラーメン!焼肉!趣味は、電車を使った一人旅です。
現在検事を志しており、司法予備試験・そして司法試験の合格に向けて奮闘中です。

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今回のテーマ

突然ですが、皆さんは「将来は○○になりたい!」「△△の仕事をしたい!」といった夢や目標をお持ちでしょうか?「一流企業に就職したい!」「キャリア官僚になりたい!」「起業して一旗揚げたい!」きっと様々な夢や目標を持っている方がいることでしょう。

ちなみに、自分にも法曹(検事)になるという夢があります。法曹になるためには原則として法科大学院を修了して司法試験に合格する必要があるのですが、大学生のうちから法曹になるためのアプローチが出来る司法予備試験という制度があります。

というわけで今回お送りする『明グリな日々』第3弾は、この司法予備試験について紹介していきたいと思います。法学部生以外の方もぜひご一読いただければと思います。

法曹になるためには

そもそも法曹資格を得るためには、司法試験に合格しなければなりません。その司法試験を受けるためには、原則として法科大学院を修了していることが求められます。しかし、中には経済的・時間的、またはその他の理由により法科大学院に通えない人たちや、早いうちから法曹としてのキャリアを積みたい人もいます。そうした人たちに法曹になるために門戸を開くために、司法予備試験制度が併設されています。司法予備試験を合格することで、法科大学院修了者と同等な知識を有しているとみなされ、司法試験の受験資格を得ることが出来ます。

ですので、法曹になるためには、
法科大学院修了→司法試験合格
司法予備試験合格→司法試験合格

というプロセスを経なければなりません。
また、司法予備試験合格・法科大学院修了後は、5年以内に司法試験に合格する必要があります。過ぎたらまた司法予備試験に合格するか、法科大学院を修了し直さなければ司法試験の受験資格は再取得できません。
合格後は司法修習と呼ばれるおよそ1年間の司法修習を受け、終了後、晴れて弁護士・検事・裁判官の法曹三者になる資格を与えられます。

司法予備試験の内容

司法予備試験には、例年5月(今年は8月に延期)に行われる短答式試験、7月(今年は10月ごろに延期)に行われる論文式試験、10月(今年度は翌年1・2月ごろに延期)ごろに行われる口述試験の三段階の試験があり、3つとも合格することで司法試験受験資格を得ることが出来ます。具体的にどのようなことをしているのかを図式化してみると…

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となります。上の図からも分かるように、10科目以上勉強して3段階の試験を突破することは、容易なものではありません。
(ちなみに短答式試験の次に控える論文式試験はかなりの難関であり、難しい問題を的確に解く能力と、2日間にわたる長丁場の中で集中力を切らさない力が求められます。)

どのくらい難しいの?

司法予備試験突破はどのくらい難しいのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

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過去4年間結果を見てみると、約1万人以上の受験者に対し、最終合格者は約400~480人ほどであり最終合格率はおよそ3.9%~4.1%となります。令和元年度の司法試験合格率が約34%であることを考えると、いかに狭き門かが分かります。(もっとも、司法試験の方が難しいと言われていますが)
実際、司法予備試験の勉強をしていても、いかに難しいものであるかを切に感じることがあります。

司法予備に受かっておいた方がメリットが多い?

「法科大学院に行った方がいいのではないか」
そう思う方もきっといることでしょう。しかし、司法予備試験に受かることにはメリットがあります。

早く法曹になれる?
法科大学院を修了するまでには、既修者で2年、未修者で3年かかります。もし現役で大学に入学し、法学部を留年することなく卒業し、法科大学院の既修者コースを修了した場合、司法試験を受けられるようになるには早くても24歳(大学を早期卒業した場合は23歳)と、かなり時間がかかってしまいます。しかし司法予備試験を突破した場合、法科大学院を修了するよりもいち早く司法試験を受験することができ、早いうちから法曹としてのキャリアを積める可能性が出てきます。

学費を抑えられる?
一般的に法科大学院の授業料は高く、東京大学法科大学院は初年度1,086,000円、法律学校として名高い中央大学のロースクールの学費は2,000,000円(両校ともに初年度・入学費込み)と、学部生時代よりもかなり高額な学費が必要になります。つまり、予備試験を早く通れば、その分法科大学院の学費も浮きます。

司法試験の実力がつきやすくなる
予備試験を合格できる実力を養うことが出来れば、司法試験を突破する実力もすぐにつけることが出来ます。現に、令和元年の司法予備試験合格者の司法試験合格率は8割を超えました。昨年度の法科大学院修了受験者の合格率は、約29%(合格率が一番高い京都大学法科大学院でも62.69%)であるため、その差は歴然です。

以上のように、司法予備試験を受けることにはメリットがあります!予備試験の受験者は年々増加し続けているのも、そのためかもしれませんね。

まとめ

さて、ここまで長々と司法予備試験のお話をしてきましたが、司法予備試験は他の国家試験と比べてみても非常に難しく、かなり険しい道です。(今回この記事を書いてみてつくづくそう思いました(汗))しかし、地道に勉強して実力を積み重ねていけば、学部生のうちに突破することは決して不可能ではないと思います。
ですので、今少しでも法曹の道を考えている方がいたら、法学部生であるか否かにかかわらず、司法予備試験を見据えて勉強してみませんか?明大生なら、法制研究所の講座をとることで、割安で予備試験に向けた講義を受けることも出来ます。もし途中であきらめてしまったとしても、身につけた知識や思考法は、将来きっとあなたの味方になってくれるでしょう。
他に将来の目標を持っている方も、1年生のうちからその目標に向けて何かに取り組んでみることをおススメします。最終的に進むにしても退くにしても、早いうちから取り組むに越したことはありません!(上から目線ですみません…)

最後に

新型コロナウイルスが猛威を振るうなか、学校に登校できなくなったり、卒業式や入学式が開催縮小・中止になったり、バイトが縮小されたりと、皆さんも大きな影響を受けたことでしょう。楽しみにしていたキャンパスライフを未だに送れず、不安を抱かれている方もいるかもしれません。
しかし、明けない夜はありません!手洗いうがい、マスク着用、三密回避を徹底し、一緒にこのコロナ禍を乗り切りましょう!そして収束した際には、新入生の皆さんとお会いできることを楽しみにしております!もしよかったら、一緒にラーメンでも食べたり、歌っていただけるととても嬉しいです!
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました!


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