釣人(つりびと)
子供の頃から、釣りが好きだった。
父の影響だと思う。
小学生の頃、父と二人で海釣りに行った。私の家族は父、母、弟の4人家族なのに、何故か釣りには私と父の二人の記憶しかない。
釣りへ出かける早朝、父は釣り場で食べるためのおにぎりを作ってくれた、具は鮭とおかかで、男の人の手で握る大きめなおにぎり。そのせいか、今でも私の作るおにぎりは小さい手にもかかわらず、大きめなサイズだ。
海釣りのポイントまでは、電車を乗り換えて向かった。私は車で移動していたと思っていたけれど、実家にはその当時車はなかった。
家の近所には、鯉が釣れる釣り掘りがあり、そこで釣りの餌となる、ゴカイやミミズという魚の餌を買い向かった。
現地の海は岩場を移動、私はそういう場所を歩くのはとても苦手で父が私の手をひいて連れて行ってくれた。
魚が釣れて喜んだ思い出はないが、海辺で父と二人、魚が釣れるかなという期待感でぼーっと海を眺めていた思い出は今でも私の胸の中にある。
そんな、私が年頃になり、お付き合いした男性も釣りが好きな人だった。
父と違うのが釣り場が湖だったこと。そして魚を釣る餌は、ルアーという類似餌を使ったものだった。
早朝に家を出発して、夕方まで湖にいた記憶があるが、こちらも釣れた記憶がまったくない。何を話していたかもわからないが、湖面がキラキラしていて、魚が飛び跳ねたりしていてとても綺麗な風景の記憶は残っている。
釣り好きな人と結婚することになったが、結婚してからは一緒に釣りをすることはなくなっていた。
子供が産まれて、子供がとても魚好きな子になった。そして、家族で釣りを再びするようになった。
最近、子供が海に魚釣りに行きたいと、しきりに言うようになった。
そして意を決して、GWという人が沢山移動する時期を選んで、魚釣りに行くことにした。
事前に釣具屋さんで、道具を調達
夫が初心者にはこれが良いだろうと選んだ。各々安い釣竿も買った。
朝、家を4時過ぎに出発、途中、コンビニなどに寄りつつ、6時過ぎには目的地に到着。
今回の場所は、横須賀の「海辺釣り公園」にした。
綺麗な朝陽を望みながら、釣りをスタート。
コノシロやハコオコゼなど、計5匹釣れた。残念ながら娘は釣れず、またいつか海釣りをしたいと言っていた。
釣り場の左手には、昔、実家で毎年夏に訪れた猿島が見えた。
その当時、自分が結婚して、自分の家族とともに海釣りにきているだなんて、想像もしていなかった。
娘も、何年か後に、自分の家族と共に釣りをたのしむことがあるのだろうか?
私たちの右隣で釣りを楽しんでいた家族は、親子3世代で来ていた。
そういう釣りも楽しそうだなと思った。
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