【漫画原作アイデア】『UNIVERSE-ユニバース-』シナリオ・設定まとめ
1キャラクター
主要キャラ
■主人公 山吹飛鳥
かつて火星に存在した古代文明ホルスの生き残り。ネガティブ存在により故郷が滅ぼされた後、小型の宇宙船に乗り密かに火星を脱出した。その後は地球のアトランティス文明で「クレイト・アトラス姫」として地球人により育てられる。アトランティスは戦争と大洪水により海に沈むが、飛鳥はタイムホールを通過することで現代の地球に逃れることができた。一人旅と都市伝説と食べることが大好きで、幼少期から育ての親である辰に連れられて世界各国を旅している。しかし母親の失踪後、辰は仕事を理由に家に帰らなくなり、その頃から飛鳥は一人で暮らすようになる。英語はペラペラで都市伝説に関する知識も豊富だが、それ以外の知識はほぼ皆無。純粋な性格をしており、嘘を信じやすいという短所を持つ。夢は世界中を旅して、旅の様子を記録した本を書くこと。また、自分の身に危険が迫ると、何故か右耳で耳鳴りがするという特殊な体質の持ち主でもある。
■香川健(たける)
母親は教師。父親は裁判官。ある日父親が、自ら法廷で裁いた外国人に殺害される。その後周辺で奇妙な事件が多発し、母親にまで危害が加わる。香川は父親の残した遺産を手に海外に逃げようとするが、秘密結社「バイブル」に保護される。それから香川は、バイブルと共に父親の仇を取るため、秘密裏に活動を始めた。普段は無口な性格だが、作中では飛鳥に振り回されてツッコミ役に回ることが多い。
秘密結社バイブル
■エドワード・アリンガム
秘密結社バイブルの会長。イギリス支部を統括している。敵対するアメリカの秘密結社「影の政府」の野望を阻止するため奮闘する。飛鳥の正体を知る数少ない人間の一人であり、飛鳥のことを、人類を新時代へ導く「導ける者」と呼んでいる。適当な性格をしており、酒が大好きで普段は飲んだくれの日々を送っている。真面目な場面になるとカッコよくなる。
■山吹辰(しん)
バイブル日本支部長。飛鳥の育ての親。その正体は、かつてアトランティスの守り神と言われ崇められていた龍神ルイカーン。ネガティブ存在との戦争でアトランティスが滅んだ際、飛鳥と共にタイムホールをくぐり時を超えた。しかし、時空の狭間で飛鳥と離別してしまう。飛鳥は現代へ飛んだが、辰はそれよりも古い時代へたどり着く。龍神だった頃の記憶を失った辰は、その後何度も生まれ変わりを経験する。影の政府のメンバーとしてエリア51で働いていた辰は、ある時全ての記憶を思い出す。辰は影の政府を裏切り、実験体にされていた飛鳥を救出し、「導ける者」として飛鳥を育てることにしたのだった。
■アンドレ・フォーセット
ロシア人。バイブルのイギリス支部長。年齢不詳。冷戦時代、父親が政府の悪口を言ったことで追われる身となる。逃亡生活の中、両親とはぐれたアンドレは山奥でオオカミに育てられる。そのため、木や水や岩などのあらゆる自然物と会話することができる。また、「ウォータージーニアス」でもある(あらゆる水分を操ることができる)。
■ラパス・パルク
イギリス在住のアメリカ人でバイブルの幹部。怪力の持ち主。普段はワーキングプアとして貧しい生活を送っている。バイブルで自分の力を役立てることで、恩人であるエドワードに恥じない生き方をしようとしている。
■龍門(ろんめん)
中国の大富豪シルバーウォール家の御曹司。英語名はスレイン・ドラゴンゲート。幼少期に両親が謎の死を遂げ、そこから一人で貧しい生活を送ることになる。両親は中国政府が影の政府と癒着していることに気がついたため殺されたと龍門は睨んでいる。
影の政府
■リチャード・バルフォラス
影の政府のボス。「世界統一計画」を進めている。エドワードとは親友関係にあるが、世界統一を巡って意見が対立し、敵対するようになる。計画達成のため、裏で宇宙存在アヌンナキ族の王マルドゥクと同盟を結ぶ。飛鳥の正体を知っており、彼女のことを「星の子(スターチャイルド)」と呼ぶ。
■トム・バルフォラス
リチャードの一人息子。影の政府の幹部。ハンサムで頭も良いが、戦いが苦手という短所を持つ。しかし実力は本物。いつか父リチャードの後を継いで影の政府のボスの座につくことを夢見ている。
■エリザベス・デボン
影の政府の幹部。隠密行動が得意。気が強く、よくトムと口喧嘩している。クローン製造の実験体にされたという過去を持つ。
■バルバロス卿
影の政府の幹部。香川の父親を殺害した張本人。
アヌンナキ族
■マルドゥク
アヌンナキ族の王。父エンキの後を継ぎ、現アヌンナキ族を率いている。1万年前の全球戦争の際、ネガティブ存在からスパイとして送り込まれたシャードを受け入れたせいで、アトランティスが滅ぶきっかけをつくってしまったという苦い過去を持つ。
その他
■スーザン
イギリス人。WHOに所属する優秀な医師。少年期のエドワードが事故に遭い大怪我をした際に、手術で彼の命を救っている。それからエドワードと彼の親友リチャードは彼女と交流を重ね、多くのことを彼女から学ぶ。しかし、ある日突然彼女は姿をくらまし消息不明となる。
■シャード
1万年前に起きた全球戦争の際、スパイとして地球のアトランティスに送り込まれた。そこで地球人と交流しながら、地球に関する情報を軍に送り続けた。それを元にネガティブ存在で構成された軍隊が地球に侵攻し、アトランティスは滅亡する。そして現代の地球に再び降り立ったシャードは、「漆黒の堕天使」と名乗り、影の政府とマルドゥクの陰謀を食い止めるため奮闘する。
■アマンダ
1万年前の地球に存在した人類。マルドゥクの恋人。マルドゥクと共に、地球に舞い降りた赤ん坊の飛鳥(クレイト・アトラス姫)を護ることに命を懸けていた。しかし最期は全球戦争に巻き込まれ、非業の死を遂げる。
2設定用語集
■バイブル
イギリスで生まれた秘密結社。六大勢力の一角。約300万人もの会員数を誇り、会員数だけで言えば六大勢力随一。影の政府が企てる世界統一計画の阻止を目指している。普段は被災地を支援するためのボランティア活動を行ったり、地元の子供たちと交流したりといった慈善活動を主に行なっている。
■影の政府
アメリカを拠点としている秘密結社。六大勢力の一角。世界から国境を無くすための「世界統一計画」の成就を目指している。
■六大勢力
世界各地に存在する六つの巨大な秘密結社(バイブル、影の政府、ヒクソス、300人委員会、八咫烏、イルミナティ)のことを指す。この六つの秘密結社の力が拮抗することで、世界の均衡が保たれている。
■全球戦争
1万年前の地球で星間連合とネガティブ存在の間に勃発した大戦争のこと。最後は大洪水とポールシフトが起きて人類の文明がリセットされた。この時にアトランティスやレムリアなどの超古代文明が、海の底に沈んだと言われている。
■星間連合
ポジティブ存在で構成された巨大組織。地球に巣食うネガティブ存在を排除し、太陽系の平和を取り戻すことを目的としている。六大勢力をはじめとし、世界各国の政府の上層部のみが彼らの存在を認知している。
■ポジティブ存在とネガティブ存在
宇宙存在は大きくニ種類に分けられる。ポジティブ存在は平和を好み、争いを避けようとする種族。対するネガティブ存在は争いや支配を好む種族。ネガティブ存在たちは太古より地球上で人類に紛れて暮らし、地球を植民地にする機会を伺っている。
■六王(または天王族)
大洪水後にシュメールで人類の文明を創造した6人の王のこと。全球戦争が起きるはるか前から地球に住んでいた先住民の末裔。
■六宝(ろっぽう)
「アロンの杖」「ロンギヌスの槍」「聖櫃」「聖杯」「クリスタルスカル」「死海文書」。この六つの宝を手にした者は世界を制すると言われる。影の政府に対抗するため、バイブルはこれらの宝を探し求めている。
■表の世界と裏の世界
表の世界は、飛鳥たち人類や動植物たちが暮らす目に見える世界のこと。裏の世界は、表の世界とは別の次元に存在する目に見えない世界。地底都市シャンバラや影の政府の本拠地、六王が住まうパンドラ城などがある。
3シナリオ・アイデア
第一話
・主人公は旅行好きな都市伝説オタクの女子高生、山吹飛鳥・彼女は高校生活最後の夏休みを利用して、メキシコに旅行に来ていた。観光を終えてホテルに戻った後、急激な眠気に襲われてベッドに倒れこむ・目が覚めると知らない小部屋に監禁されていた・そこに現れたのは、飛鳥の父親辰の仕事仲間と名乗る謎の男ジンナイだった・彼によると、仕事上の問題を解決するために辰の娘である飛鳥に力を貸してほしいとのことだった・飛鳥は父親の仕事の詳細を全く知らなかった・都市伝説オタクでもある飛鳥は、面白半分でその話に乗ることにした・飛鳥とジンナイは、その後イギリスのロンドンに飛んだ・ジンナイの話によると、彼らが所属する組織の支部がイングランドの郊外にあるという・空港に着いてすぐ支部に向かおうとするジンナイだが、飛鳥はその前にロンドンを観光しようと主張する・それからしばらくロンドン市内を探索する二人・ジンナイに対して徐々に警戒心を解いていった飛鳥は、ジンナイにいつか世界中を旅して旅の記録をまとめた本を書くという夢を語る・ジンナイがトイレに行っている間に、街の一角に迷い込む飛鳥・すると、銃を持った暴漢に襲われる・以前ロンドンに来たことがあった飛鳥は、街の構造を把握していたため、最初の方は走って暴漢を巻いていたが、母親からもらった大事なコートに傷をつけられ、怒る飛鳥・しかし飛鳥の戦闘力は皆無なため、あっと言う間に劣勢に追い込まれる・そこに突如、ジンナイではない謎の男が現れ、暴漢を追い払う・飛鳥を助けてくれた謎の男の名はエドワードアリンガム・秘密結社バイブルの会長であり、ジンナイと山吹辰の上司だった
第二話
・父親が秘密結社のメンバーだったことに驚愕する飛鳥・近くの公園で炊き出しをしていたエドワードは、ジンナイから連絡を受けて飛鳥を助けに来たという・秘密結社の会長がボランティアをしていることに疑問を感じる飛鳥・3人は一旦バイブルのイギリス支部に移動することにした・バイブルのイギリス支部は、非常に貧相な見た目でボロボロの小さな城のようだった・中に入った飛鳥は、エドワードから何故イギリスに呼ばれたかの説明を受ける・バイブルの目的は、敵対するアメリカの秘密結社、影の政府が企てる「世界統一計画」の阻止だった・エドワードは、飛鳥に影の政府の陰謀を世界に伝えるメッセンジャーの役割をしてほしいと依頼する・さらにエドワードは、正確な情報発信のために、飛鳥にはバイブルが密かに主催するオンラインでのミーティングに週一回参加するように要求する・しかも参加費は1ヶ月10000ポンド・勉強が苦手でアウトドア派の飛鳥はそれを拒否・ぼったくりだと批判した・しょうがないから別の人物に依頼することにするエドワード・一方ジンナイは、香川という青年の所在を気にしていたが、エドワードは知らないようだった・支部を出て帰路に着く飛鳥・その後を先程エドワードにやられたギャングたちが尾行していた・奴らの目的は、飛鳥をポルノ業者に売り捌くことだった・ギャングたちが飛鳥を捕まえようとしたその時、日本人の青年に誘拐を阻まれる・その青年に襲いかかるギャングたちは、あっという間に返り討ちにされる・何も知らず空港に着いた飛鳥の前にその青年が現れる・彼の名前は香川健・飛鳥の父親と面識がある香川は、飛鳥に取引を持ちかける
第三話
・香川の要求は、香川の父親を殺した影の政府のメンバーを探すのに飛鳥に協力してもらうこと・香川はそれと引き換えに、飛鳥の父親について香川が知っていることを全て話すという・バイブルのミーティングに高い金を払って参加するよりも、香川との取引に乗った方が楽しそうと考えた飛鳥は、香川とビジネスパートナーとして手を組むことにする・二人の会話を、飛鳥の服にこっそり忍ばせた盗聴器を通して盗み聞きするエドワード・とりあえず連絡先を交換して別れる二人・飛行機に乗り日本に帰ろうとする飛鳥・その直後、アメリカにあるバイブル支部からエドワードの元に緊急の連絡が入る・電話の相手によると、影の政府所属の諜報員の策謀により、飛鳥が乗った飛行機に爆弾が仕掛けられたという・エドワードはすぐに空港にいる香川に連絡をするが、時すでに遅く、飛鳥はすでに飛行機に乗ってしまっていた・何も知らず機内でくつろぐ飛鳥・焦るエドワードは、急いで空港に向かうようにジンナイに命じる・数十分後に空港に到着するジンナイ・支部にいるエドワードが飛行機の飛行経路を調べ、ジンナイがそれを手掛かりに「超小型遠隔透視カメラ」を使い、遠方を飛ぶ飛行機を透視する・爆弾の位置を把握したジンナイは、バイブルが極秘で開発した新兵器「局所対応型電磁パルスガン」を使い、飛行機に積まれている電子機器を除いて爆弾のみを正確に撃ち抜き、爆発を防ぐことに成功する・日本に着いた後、飛鳥は香川から事件の顛末を聞かされる・事件後エドワードは、もう飛鳥は怖がって我々とは関わろうとしないだろうと推測する・その頃アメリカにある影の政府本部では、飛鳥の暗殺が失敗したという報告を受けるボス、リチャードが不適な笑みを浮かべていた・半年後、相変わらずボロボロのイギリス支部で地味な作業をしているエドワードたち・するとそこに突然飛鳥が顔を出す・驚くエドワードたち・飛鳥は高校を無事卒業したため、バイブルの仕事の手伝いをしに来たという・てっきり半年前の事件を怖がって二度と支部には来ないだろうと思っていたエドワード・しかし飛鳥は、バイブルと共に行動すればそれ以上のワクワク体験を楽しめると考え、再び戻ってきたという・歓迎するエドワードとジンナイ・そこに現れる香川健・飛鳥との再会を喜ぶかと思いきや、彼は単刀直入に飛鳥に仕事を手伝ってほしいと依頼する・その仕事とは、影の政府に対抗するための武器となりうるとされる「六宝」のうちの一つ、クリスタルスカルの入手だった・ついに飛鳥と香川、そして秘密結社バイブルによる、秘密のビジネスミッションが始まるのだった
影の政府編
・バイブルのメンバーを飛鳥に紹介するエドワード・その後はクリスタルスカルの捜索に力を入れる・「六宝」の中でもクリスタルスカルは特殊で、13個のスカルを集めないと力を発揮しない・13個のスカルのうち9個はすでにバイブルの管理下にある・飛鳥たちが探すべきは残りの4つのスカル・しかも世界中で発掘されるスカルのほとんどは偽物・その中から本物を見極めなければならない・香川や陣内、アンドレは世界中の研究機関や考古学者、歴史学者に問い合わせて残りのスカルのありかを聞き出そうとするが、それらしい情報はなかなか手に入らなかった・飛鳥はスカルの捜索を手伝いながら、週一回開かれるオンラインでのミーティングに参加していた・参加費は、スカルの捜索に力を貸すことを条件にタダにしてもらっていた・なかなか4つのスカルに関する情報にありつけずにいるエドワードたち・そんな時、飛鳥の都市伝説語りが始まった・飛鳥のオタクっぷりに最初の方は引いていた香川たち・だが、エドワードは飛鳥が語った地底都市の話に注目する・エドワードはロンドン各地にある書店や図書館で古い文献をあさり、地底都市伝説とクリスタルスカルの結びつきに関する記述を発見する・エドワードは飛鳥たちを連れて南極大陸に向かった・目的は、南極大陸のどこかにある地底都市への入り口を見つけることだった・南極大陸はグーグルマップで確認してもなぜかモザイク処理されている箇所が多い・陣内は事前に軍のコンピューターをハッキングして、南極大陸にある隠された洞窟の場所を絞り込んでいた・長い探索の末、ようやく入り口を発見する一行・洞窟内の地形を調べてから進むべきと主張するアンドレをよそに、飛鳥は一人勝手に洞窟の中に進む・呆れた香川たちも、しかたなく洞窟の中に足を踏み入れる・そんな彼らを、上空から謎の人影が見つめていた・洞窟の奥に広がっていた光景に驚愕する一行・そこには、見たことない古代都市が広がっていた・そこは伝説で語られてきた地底都市シャンバラだった・シャンバラの中では、方位磁石が使い物にならない・その上スマホも圏外だった・エドワードは二手に分かれてスカルを探そうと提案する・さらにエドワードは、いざという時のための集合場所を3箇所決めておこうと提案・入り口の洞窟と奥の方に見える巨大なガラスのピラミッド、そしてこれまた奥に見える巨大な樹を集合場所に決める飛鳥たち・一行は飛鳥香川陣内チームと、エドワードアンドレチームに分かれて捜索を開始した・川沿いにスカルを探す飛鳥たちは、突如謎の巨人に遭遇する・香川と陣内は見たことない巨人に驚きまくるが、逆に飛鳥は目を輝かせて感動していた・巨人は、飛鳥たちをクリスタルピラミッドに招待すると言った・巨大なクリスタルピラミッドにやって来た三人・そこにいたのは、影の政府のメンバーでナチスドイツの科学者の息子ジャスティンスミスだった・ジャスティンは事前にリチャードから、バイブルがシャンバラにやって来ると聞かされていた・彼が影の政府のメンバーだと気づいていない飛鳥たちは、スカルのありかを聞き出そうとする・ジャスティンはエドワードの予想通りスカルを所持していたが、飛鳥たちに渡す気は全くなかった・ジャスティンが合図した途端、武装した兵士が飛鳥たちを取り囲む・追い詰められる飛鳥たち・しかしその時、どこからか潜り込んでいたエドワードとアンドレが助けに入り、ガラスのピラミッド内部で戦闘が始まる・乱戦の中スカルを奪ったエドワードたちは、ピラミッドを脱出しようとするが、目の前に先程の巨人が立ちはだかる・しかし飛鳥の不思議な力により、巨人は薙ぎ倒される・自分が何をしたか自覚がない飛鳥・エドワードたちは最初の洞窟から地上に出ようとするが、見たことない形をした戦闘機に洞窟を破壊されてしまう・アンドレは奥にそびえ立つ巨大な樹に一行を案内する・動植物などのあらゆる自然物と対話ができるアンドレは、先程分かれてスカルを捜索した際に、シャンバラ内にある木々にシャンバラからの脱出方法を聞き出していた・巨大な樹の場所に辿り着いた一行は、衝撃の光景を目にする・そこには、気を失った大量の巨人の体が折り重なっていた・アンドレによればその大木は、シャンバラに住む巨人たちにとっての崇拝の対象だという・大木の前には、漆黒の衣装に身を包んだ金髪の謎の青年がいた・南極上空から飛鳥たちを見ていた人影の正体も彼だった・「漆黒の堕天使」と名乗るその青年は、飛鳥たちを地上に逃すと言う・エドワードたちは彼の発言を疑うが、後ろからはジャスティンの部下たちが徐々に迫ってきていた・敵の兵士たちの銃弾が飛んでくる寸前に、謎の青年の手を握った飛鳥たちの体は、一瞬のうちにイギリス支部にワープしていた・漆黒の堕天使の姿は、その時すでに消えていた・あれは夢だったのではと半信半疑になる飛鳥たちだったが、エドワードの手にはしっかりとジャスティンから奪ったクリスタルスカルが握られていた・数日後、エルサレムに住んでいるエドワードの親友である考古学者ヨセフスの元を訪れた飛鳥たち・エドワードとヨセフスが近況報告している間に、エルサレム市内を観光する飛鳥と香川・エドワードはヨセフスに手に入れたスカルが本物かどうか確かめていた・その晩はヨセフスの自宅でパーティーを開く一行・飛鳥と香川はお互いの境遇について腹を割って話し合った・旅を通して絆を深めていく二人・その頃地中海上では、どこかの国の政府が「六宝」の一つロンギヌスの槍を極秘に運んでいた・しかしその船は突如海賊に襲われる・ロンギヌスの槍を手に入れた海賊ロバートの船の中には、水晶でできたもう一つの宝が眠っていた・エドワードは飛鳥たちにモサドのメンバーを紹介する・モサドはイスラエルにあるバイブル支部と連携して、影の政府を調査している(アメリカ政府とイスラエル政府は仲がいいため)・飛鳥たちは、モサドの上官でエルサレム市内にある教会で神父を務めているベロニアから影の政府の秘密について聞かされる・モサドが影の政府に忍ばせているスパイの報告によると、影の政府のボスであるリチャードは、裏で宇宙存在アヌンナキと同盟を組んでいるという・アヌンナキ族は、500万年前に資源採掘を目的に地球に降り立ち、労働力とするため遺伝子操作で人類を生み出した種族だった・影の政府やアメリカ政府の上層部は、アヌンナキ族の存在はもちろん、太陽系に滞在している星間連合の艦隊の存在にも気付いていた・しかしその存在は世間に公表せず隠蔽されている・話を聞いた飛鳥たちは、再びチームを分けて行動することになる・エドワードは、アメリカにあるバイブル支部に現状報告をしに行くことに・アンドレも、アメリカ支部に集まる予定の世界各国のバイブル支部長との会合のためアメリカに向かう・シャンバラでの一件で、影の政府に目をつけられた飛鳥は、香川と陣内とともにエルサレムにしばらく滞在することになった・その頃アメリカのエリア51の敷地内では、地上に降り立ったアヌンナキ族の王マルドゥクと影の政府のボス、リチャードが面会していた・マルドゥクは、自身の母星であるアブラカサスから持参したクリスタルスカルをリチャードに渡す・かつてユカタン半島に文明を築いたマヤ民族の一部が、クリスタルでできた宇宙船に乗って他の星に移住したという伝承が残っている・影の政府は元々スカルを一つ所持していたため、これで二つのスカルを手にしたことになる・マルドゥクは地球に降り立つ前にリチャードと取引をしていた・それは、スカルを一つ譲る代わりに、アロンの杖の所有権を渡せという内容だった・アロンの杖はユダヤの三種の神器の一つで、伝承ではマナの壺と十戒の石板とともに聖櫃の中に収められていたという・聖櫃はかつてのバビロン捕囚の際に失われ、今はどこにあるか分からない・マルドゥクは、アロンの杖を見つけても誰にも譲らないと事前にリチャードに釘打ちしていた・リチャードからしたら、マルドゥクが世界統一計画の実現に協力さえしてくれれば、人類の歴史的遺産などいくら奪われても構わなかった・さらにリチャードは、皆既月食の翌日に世界統一計画を発動すると企んでいた・飛鳥や香川たちは、ヨセフスの自宅で皆既月食で赤く染まる月を眺めていた・その時、陣内のスマホに海外のバイブル会員から六宝の一つ「太陽の書」が見つかったと連絡が入る・陣内は荷物をまとめ、空港に向かった・マルドゥクは、星間連合が地球の軌道上に浮かべている衛星の電波を増幅させ、ネット上にある聖櫃に関する全ての研究データを読み漁った・その結果、マルドゥクは聖櫃が日本の伊勢神宮に隠されていると推測する・皆既月食の翌日、リチャードは計画の準備を進めていた・そんな彼の前にエドワードが現れる・エドワードは計画の中止を要求するが、リチャードは聞こうとしなかった・ついに世界統一計画が発動する・世界各国の主要都市で、謎の宇宙船が目撃される・しかしそれは高度なテクノロジーで上空に映し出されたホログラムだった・エドワードはリチャードを止めようとするが返り討ちに遭う・シェイプシフトで日本人に化け、伊勢神宮の境内に潜り込んだマルドゥクの前には、漆黒の堕天使シャードが姿を現す・マルドゥクにとってシャードは、アトランティスが滅んだきっかけを作った宿敵であった・シャードは自分が犯した過去の罪を悔いていた・シャードの目的はマルドゥクの暴走を阻止すること・人類を裏切り滅亡に追い込むという、かつての自分と同じ過ちをマルドゥクに犯してほしくなかった・マルドゥクはシャードの忠告を無視して、瞬間移動で姿をくらます・伊勢神宮内宮の別宮である伊雑宮の地下神殿に移動したマルドゥクは、そこで隠された聖櫃を発見する・そしてその中には、目的の杖らしき遺物が入っていた・侵入者の存在に気付いた八咫烏の侍たちが地下神殿に向かうが、マルドゥクは杖を持ち出すことに成功する・アメリカでは国連本部で緊急特別総会が開かれていた・しかしそこに武装した兵士と影の政府の幹部バルバロス卿が現れ、国連本部ビルを占拠し、影の政府による世界統一を宣言する・そこに黒いコートをまとった長髪の謎の女性が現れる・彼女はバルバロス卿とある取引をする・それは、国連本部の職員に危害を加えない代わりに、国連本部を影の政府に明け渡すというものだった・その様子は、リアルタイムで世界中に映像が拡散された・エルサレムでテレビ中継を見ていた香川は、バルバロス卿が父親殺しの犯人であることを思い出す・香川はアメリカに行くことを決意する・ヨセフスと二人きりになる飛鳥・次第に不安な気持ちが昂ってくる・こんな無防備な状況では、いつ敵に襲われてもおかしくない・陣内は出かける前に、テルアビブにいるバイブル会員に連絡して飛鳥を迎えに行くように要請していた・テレビの報道で、世界中に謎の宇宙船(ホログラム)が現れたことを知っていたヨセフスは、飛鳥の安全を確保するため、飛鳥をエルサレム旧市街の出入り口である門まで送ることにする・そこでテルアビブのバイブル会員と待ち合わせをした・その時、影の政府が極秘で開発したEMP爆弾がエルサレム上空で炸裂し、エルサレム全域でスマホやパソコンなどの電子機器が使えなくなる・パニックになる飛鳥をなだめるヨセフス・落ち着きを取り戻した飛鳥は、ヨセフスの車に乗りヤッフォ門に向かった・しかしそこには、すでに影の政府のメンバーでジャスティンの部下であるハンスが回り込んでいた・追い詰められる飛鳥は、隠された力に目覚める・額に第三の目が現れた飛鳥は、体の奥から力がみなぎってくるのを感じる・特殊部隊デルタフォースの元兵士であるハンスと互角に渡り合う飛鳥・だがその時、上空からアロンの杖を握るマルドゥクが姿を現し、あっという間に飛鳥とヨセフスを捕縛する・一方、アメリカにあるバイブル支部では、アンドレや各国の支部長たちが作戦会議を開いていた・そこには飛鳥の父親である山吹辰の姿もあった・世界統一計画を止められなかったことに対し、苛立つメンバーたち・そこに突然海賊ロバートが現れ、発見したお宝を支部長たちに見せる・秘密結社バイブルの起源は、大航海時代に実在した海賊たちと言われている・そのため、ロバートをはじめとする一部の海賊は、今でもバイブルに協力して隠密行動をとっている・ロバートが発見したのは、ロンギヌスの槍とクリスタルスカル・これでバイブルの手には六つの宝のうち、「槍」と「スカル(13個のうち11個)」が集まったことになる・するとそこにボロボロのエドワードが現れる・エドワードは、自分の忠告をかつての親友が聞かなかったことに動揺しており、今すぐ六宝を見つけ出して影の政府より優位に立つと宣伝する・どこかの地下施設に捕えられた飛鳥とヨセフス・檻から連れ出された飛鳥は、ファントムリーフ家の現当主ドレイクと面会する・影の政府の傘下には、軍需産業をはじめ医療利権やエネルギー利権など世界のあらゆる既得権益を支配している大富豪やエリート、大企業のCEOが群がっている・ファントムリーフ家のドレイクもそのうちの一人だった・ドレイクは六宝の一つである聖杯の所持者であった・ドレイクの目的は、飛鳥の脳に隠された超古代の地球の記憶を呼び覚まし、コンピューターに移し替えることだった・飛鳥の記憶がコンピューターに移行されそうになったその時、バイブルの幹部である龍門とラパスパルク、そしてロバートが飛鳥を助けにやって来る・たちまち戦場となる地下施設の研究所内・その救出作戦には山吹辰も加わっていた・父親と数年ぶりの再会を果たす飛鳥・龍門はどさくさに紛れて聖杯を盗み出すことに成功する・地下から脱出した飛鳥たちは、バイブルが所有するヘリに助け出される・アメリカ支部に保護される飛鳥・そこにバイブルの上部組織イルミナティのリーダーであるヨシュアが現れる・イルミナティに所属する六人の幹部には、イスラム教における六大預言者の名前がコードネームとして用いられている・アメリカ支部にやって来たヨシュアは、ある作戦を提案する・それは、飛鳥と辰が観光客になりすまし影の政府の本拠地に乗り込むという作戦だ・影の政府の本拠地は裏の世界にある・裏の世界への入り口の場所はヨシュアが知っている・ラパスたちはそんな危険な作戦に賛同しようとしなかったが、父とゆっくり話がしたいと思っていた飛鳥はそれを承諾する・影の政府に怪しまれないように、飛鳥と辰はヨシュアに指定された道順で、異次元に繋がるポータルへと向かう・数週間後、ついにポータルがある場所に辿り着く飛鳥と辰・その場所は、富士山の樹海の中にある何の変哲もない泉だった・ヨシュアの話では、泉にできる渦(ボルテックス)の中に入れば裏の世界に行けるという・だが、いつ泉に渦ができるかは分からない・そこに漆黒の堕天使シャードが現れる・飛鳥と辰は、敵に見つからないようにずっと変装した姿で旅をしてきたが、その様子をずっと監視していたシャードにはバレバレだった・シャードは不思議な力でポータルの入り口を開ける・そこに飛び込む飛鳥と辰・目の前には巨大な城が佇んでいた・その城こそが、影の政府の本拠地だった・飛鳥と辰は別れて城内に潜入する・しかし、二人の様子は監視カメラにバッチリ映されていた・リチャードと遭遇する飛鳥・城内を廻る辰は、ジャスティンと遭遇する・ジャスティンは辰にスカルを渡す代わりに影の政府に復帰するように取引を持ちかける・取引に乗ることにした辰は、飛鳥に全てを話す決意をする・飛鳥はリチャードを止めるため説得を試みるが、リチャードは飛鳥を地下室に叩き落とす・地下に閉じ込められた飛鳥だが、そこに辰がやって来る・自分が影の政府の元メンバーで、城の内部の構造を知り尽くしていると暴露する辰・さらに辰は、飛鳥の正体が1947年にアメリカのニューメキシコ州ロズウェルで起きた宇宙船墜落事件の時に発見された地球外生命体の生き残りだという衝撃の真実を告げる・父親と思っていた辰と血のつながりがないと知った飛鳥はショックを受ける・辰は泣き崩れる飛鳥の足元に、ジャスティンからもらったスカルを置き、その場を去る・飛鳥に「もうこの件には二度と関わるな」と言い残して・それから数ヶ月後、世界は混乱に陥っていた・突如世界中の主要都市上空に現れた宇宙船を見て混乱する人々は、各地で衝突を起こしていた・争いの主な原因は宗教だった・宇宙船に乗る宇宙人を神と崇める者と、大昔から神話で語られてきたヤハウェやアッラー、ゼウスやオーディンなどの神を崇拝する人々の間で言い争いが起こり、それが暴動に発展していた・もちろん、影の政府はその宇宙船の正体がホログラムで上空に投影したただの映像であることは公表していない・また世界各国では、テロ防止を名目に、政府主導で国民の体にマイクロチップを入れるための政策を推し進めていた・影の政府のバックにいる本物の異星人マルドゥクは、宗教を裏から崩壊させるべく、密かにヴァチカン市国のサンピエトロ大聖堂に身を潜めることになった・影の政府は宗教を世界から無くし、代わりにマルドゥクを神として人々に崇拝させることで世界を統一しようとしていた・ヴァチカンのローマ教皇は、裏切ればカトリックの司祭たちが過去に犯した数々の性犯罪を世界に公表すると影の政府に脅されていた・バイブルは影の政府との抗争を続けており、なんとか13個目のスカルを手に入れることに成功する・ついに全てのスカルを手にしたエドワード・だがバイブルの組織内では、六宝の魅力に心を奪われて盲目になっていたエドワードに対する不信感が生まれつつあった・その頃飛鳥は、アメリカにて地下組織を作り影の政府打倒のためのテロを計画していた・陣内は飛鳥を止めるため彼女を説得するが、辰が戻ってくるまで戦い続けると主張する飛鳥・エドワードは集まった13個のスカルを使い、かつてマヤの人々が崇めていた蛇神ククルカンを召喚する・羽の生えた蛇の姿をしているククルカンは、エドワードの心の乱れを一瞬で見抜き、不思議な力で彼の記憶を呼び覚ます・その頃バイブルのメンバーたちは、アメリカ各地に点在する影の政府が所有する地下施設を攻撃していた・地下施設には、影の政府が世界中から誘拐してきた女性や子どもが拉致されていた・バイブルは拉致された人々を解放していった・この救出作戦には、影の政府と敵対するポジティブ存在のノルディックも関与していた(彼らの存在はバイブルの一部の幹部の他に、各国政府の上層部のみが知っている)・ネバダ州にあるエリア51では、ラパスや龍門、アンドレ、ロバートなどバイブルの主力となる幹部たちが攻撃を仕掛けていた・それを迎え撃つのは、エリザベスやトムなどの影の政府の幹部たち、そしてマルドゥクが母星アブラカサスから連れてきた三人の部下たち(アンシャル、キシャル、ラハム)だった・ククルカンにより、忘れかけていた記憶のカケラを思い起こさせられるエドワード・エドワードの回想・少年時代に事故に遭ったエドワードは、スーザンという一人の医者に命を救われる・その頃のエドワードには二人の親友がいた・その二人は、リチャードとヨセフスだった・三人は毎日のようにスーザンに会い、話をしていた・スーザンから大切なことをいろいろ学んだエドワードたち・ククルカンの不思議な力により、スーザンの教えを思い出す・宝の誘惑から目を覚ましたエドワードは、エリア51で戦っている仲間たちを助けに行く決意をする・その頃影の政府の本拠地では、リチャードとマルドゥクが二人だけで話をしていた・リチャードはマルドゥクと同盟を組む際に、マルドゥクとある取引をしていた・それは、アロンの杖が見つかったらその所有権をマルドゥクに譲る代わりに、あるものを渡してほしいという内容だった・そのあるものとは、死者と通信できる宇宙のテクノロジーだった・だがそれは、マルドゥクが作り出した嘘であり、実際はそんなテクノロジーはどこにも存在しなかった・霊界通信機がマルドゥクの出まかせだと知ったリチャードはブチギレるが、マルドゥクはアロンの杖の力でリチャードを半殺しにする・マルドゥクの目的は、最初から影の政府に協力することではなく、地球を植民地化して人類を支配することだった・エリア51の地下では、影の政府のメンバーである科学者ロナルドウィップが、辰にある発明品を見せていた・それは、天才発明家ニコラテスラの研究資料を元に開発された「現代版テスラコイル」だった・ロナルドの説明によれば、この装置に蓄えられているエネルギーを最大出力にすれば、地球を簡単に破壊できるという・辰が影の政府に寝返った本当の目的は、飛鳥を戦いから引き離す以外にもう一つあった・それは、エリア51に隠されている危険な兵器の破壊だった・バイブルの幹部たちは、死闘の末敵を打ち倒し、辰と合流する・そしてエリア51の地下に隠されていた研究所や実験場を爆破することに成功する・ククルカンが作り出すポータルをくぐり、エリア51に現れたエドワードは、戦況を把握する・その頃アメリカのテキサス州ダラスでは、マルドゥクにやられボロボロの状態のリチャードが、全てを暴露するために世界に配信をしていた・会場には大勢のメディアや来場客が集まっていた・そこでリチャードは、影の政府の陰謀を全て暴露した・世界統一計画の全貌やアヌンナキ族と同盟を組んでいること・しかし話の核心に迫りそうになった瞬間、謎のスナイパーに狙撃されるリチャード・だが実際に銃弾をくらったのはリチャードの前に身を投げ出したトムだった・父親の危険を察知したトムは、ククルカンの作り出すポータルを抜けて、エリア51からダラスに一瞬で移動したのだ・その頃アメリカに滞在していた香川は、親の仇であるバルバロス卿と対峙していた・マルドゥクが支配するヴァチカンでは、飛鳥率いる地下組織がサンピエトロ大聖堂を包囲していた・彼らの前に立ちはだかるのは、マルドゥクとその部下ラフム・飛鳥は第三の目を開眼して彼らに戦いを挑む・しかしそこにシャードが現れ、マルドゥクとの一騎打ちを挑む・世界各地では、リチャードの暴露を聞いた人々がパニックに陥っていた・マルドゥクとシャードの戦いは地球全土に波及した・空中で激しい戦闘を繰り広げる二人を目撃した人たちがスマホで撮影した映像が、世界中に拡散され、それが人々の混乱に拍車をかけていた・ラフムに追い詰められる飛鳥・ラフムはアンシャルとキシャルとラハムの兄であり、四人の中で最も実力が高かった・しかしそこにバイブルと影の政府の幹部たちが助けに来る・世界統一をめぐり対立してきた二つの秘密結社がついに手を結び、共通の敵に立ち向かおうとしていた・ヴァチカンでの激しい戦いの末、何とかラフムを打ち倒す飛鳥たち・一方シャードも、マルドゥクを戦闘不能に追い込む・地球征服を諦めたマルドゥクは、四人の部下たちと共に月の裏側にある星間連合の前哨基地に身を隠すことにした・バルバロス卿と死闘を繰り広げる香川は劣勢に追い込まれていた・しかしバルバロス卿は何者かに狙撃され命を落とす・自分の弱さを痛感した香川は、バイブル支部に帰らずにしばらく修行の旅に出ることを誓う・その後、エルサレムのヨセフス宅に集まる飛鳥と香川、そしてバイブルと影の政府の幹部たち・長い戦いが終わったことを改めてお祝いする・香川は飛鳥に旅のことを伝える・そこにやってきた辰は、飛鳥にある人物を紹介する・それはバルバロス卿と取引して国連本部を明け渡した長髪の女性だった・彼女の正体は飛鳥の母親である山吹千夏(実の母親ではない)・彼女は長い間国連の関連組織である国際平和委員会で働いていたため、飛鳥とは一緒に過ごす時間をつくることができないでいた・飛鳥はようやく家族のもとに戻れたことを涙を流して喜んだ・その後、陣内に見送られて日本に帰国する飛鳥・誰もいないはずの家に今では、飛鳥の帰りを待つ家族がいた・その頃大西洋に浮かぶある孤島で、謎の男たちが密会していた・その中にはバイブルの幹部である龍門の姿もある・彼の正体はバイブルの会員ではなく、バイブルや影の政府とは別の秘密結社、300人委員会のメンバーだった
300人委員会編
・ヴァチカンでの戦いから3年、飛鳥は日本のある出版社に就職していた・この3年間、バイブルからの連絡はなく、飛鳥は危険な旅とは縁のない普通の生活を送っていた・飛鳥の母親千夏は、飛鳥と過ごす時間をつくるために、しばらく国連での仕事から身を引いていた・その代わり父親辰は、定期的に海外に渡りバイブルの任務をこなしていた・その頃イギリスのバイブル支部では、エドワードたちが相変わらず呑んだくれの生活を送っていた・そこにバイブルの本部からある連絡がくる・バイブルの本部がある場所は非公開になっており、会長のエドワードでさえその詳細を知らなかった・本部からきた連絡とは、カリブ海のある島で、世界中からバイブル会員を集めて親睦会を開催するという内容だった・酒や宴会が大好きなエドワードは、参加する気満々だった・エドワードは世界中の知り合いや仲間たちに一斉に親睦会の開催を知らせた・その知らせはもちろん飛鳥の元にも送られた・最初は迷った飛鳥だが、職場の上司には海外に取材に行くと適当に嘘をついて、親睦会が行われる島に向かうことにした・島に着いた飛鳥・島にはそこら中に出店が出ており、世界中からバイブル会員やその家族が集まっていた・そこにはエドワードたちイギリス支部のメンバーも来ていた・3年ぶりの再会を喜ぶ飛鳥・会場には他にも影の政府の幹部たちも訪れていた・最初は警戒する飛鳥だが、3年前の戦い以降「世界統一計画」を諦めた影の政府は、現在はバイブルと協力関係にあることを知り安心する・飛鳥は親睦会ではちょっとした有名人だった・ロズウェル事件の生き残りで、3年前の戦いで大活躍したという話がバイブルの組織内ですでに広まっていた・さらに親睦会の会場には香川も来ていた・香川はこの3年の間に世界各地を旅していた・旅をする中で、世界中で起きている紛争や内戦を直に見てきた香川は、戦場である噂を耳にしていた・それは、世界各地の紛争地や戦場に現れる元傭兵の謎の男に関する噂だった・その謎の男はとにかくめちゃくちゃ強く、世間からは「覇王」の異名で知られていた・その時、親睦会の会場が騒然となる・騒ぎの原因は会場に突然現れた「覇王」レオナルドバトラーだった・何故か飛鳥はその男の顔に見覚えがあった・さらに覇王の隣には、もう一人謎の人物がいた・覇王によれば、その男の正体はナチスの総統アドルフヒトラーだという・しかし見た目は実際のヒトラーよりも若く、顔立ちも全然似ていなかった・影の政府のジャスティンは、元ナチスの科学者だった父親から聞いていたヒトラーの容姿とはかけ離れていると主張する・覇王の目的はたった一つ、世界中の強者を倒して世界一の称号を手にすることだった・そして戦いを挑む覚悟のあるものをここで待つと宣言・ヒトラーと名乗る謎の男は、親睦会の会場を破壊し始める・飛鳥たちは一旦島から撤退するが、その際にジャスティンが覇王に捕まってしまう・バイブルの親睦会会場が襲われたことは、すぐに国連本部に伝わった・国連本部にいた辰は飛鳥の身を案じ、すぐに事件があった島に向かった・事件の3日後、フランスのバイブル支部に身を隠すエドワードたち・エドワードによれば、バイブルの親睦会が開かれることは国連とバイブル関係者しか知り得ない情報だったという・だがこの二つの組織の他に、親睦会のことを知っていた組織が一つだけある・それは、バイブルや影の政府の上位組織である300人委員会だ・エドワードは、この一件に300人委員会の他に龍門も絡んでいると睨んでいた・3年前の戦い以降、龍門はバイブル支部から姿を消し、行方が分からないでいた・その頃、親睦会が開かれていた島を陣取った覇王は、捕えていたジャスティンにある質問をする・それは、ナチスの科学者たちが超古代文明についてどこまで迫っていたかという奇妙な質問だった・ジャスティンは、ナチスの総統ヒトラーや親衛隊のトップであるヒムラーがアトランティスの叡智について研究していたことは知っていたが、ジャスティン自身はアトランティスについては全く信じていなかった・他にも覇王は、ヒトラーが何かに取り憑かれていたことについてや、ヒトラーが残した謎の予言についてなど、ナチスにまつわる怪しげな噂について質問を重ねた・ジャスティンは全ての質問に対して「知らない」の一点張りだった・エドワードたちはジャスティンを救出するための作戦を練ることにする・エドワードは、残りの六宝を改めて集めると宣言・バイブルが所有していない宝は、あと「アロンの杖」と「死海文書」のみ・エドワードは陣内に六宝の一つである「太陽の書」の無事を確認するように伝える・陣内は「太陽の書」の保管場所へ向かう・その頃、覇王のもとに衝撃の人物が現れる・イルミナティの幹部の一人、ヨシュアだった・ヨシュアは覇王と刃を交え、何とかジャスティンを奪還することに成功する・同じ頃、山吹辰も島にたどり着く・ジャスティンとヨシュアに合流した辰は、そのことをエドワードに伝える・ジャスティンが無事だったことに安堵するエドワードたち・その時、陣内から連絡がくる・陣内によれば、「太陽の書」を極秘に保管していたアメリカのスミソニアン博物館に確認したところ、1ヶ月前に何者かが館内に侵入し、「太陽の書」を盗んでいったという・太陽の書の存在はメディアに公開していないため、それを盗んだのはおそらく他国の諜報機関か、もしくはバイブルや影の政府以外の秘密結社と推測するエドワード・その頃、300人委員会の本拠地では、ある巨漢の男が龍門にスミソニアン博物館から盗んだ盗品を見せていた・その盗品は太陽の書だった・その後、香川はアンドレに戦いの特訓をしてもらい、飛鳥は国際連合事務総長ブラックマンに呼び出されてエドワードとともにニューヨークに向かった・ブラックマンは、辰から聞いた情報を飛鳥本人に確かめるために彼女を呼んだという・辰によれば、飛鳥は幼少期に覇王に会っているらしい・それを聞いてようやく覇王のことを思い出す飛鳥・飛鳥は昔、辰に連れられて訪れた中東のある国で辰とはぐれて迷子になったときに、覇王に助けられていた・その日の晩、ようやく飛鳥を見つけた辰は、その場にいた覇王に銃口を向ける・「何者だ」と聞く辰に対し、覇王は「失われた10支族の末裔」とだけ答え、姿を消した・ブラックマンによると、事務総長が独自で覇王の家系図を調べたところ、ある人物と出所が同じことが判明した・そのある人物とは、香川健だった・つまり、香川も覇王もそのルーツは古代イスラエルの失われた10支族に遡れるということ・香川は10支族の中でも、日本の天皇家と繋がると噂されるエフライム族の末裔だった・エドワードはそのことをすでに知っていた・ブラックマンによれば、ユダヤ人である覇王はいずれ香川の血を利用してメシアの到来を成就させようとする・もちろん飛鳥にも火の粉は飛ぶ・ブラックマンは飛鳥に証人保護プログラムを受けることを勧めるが、飛鳥はそれを拒否する・その頃アンドレに特訓してもらっている香川の元に、戦場カメラマンをやっている兄の香川晋吾がやってくる・晋吾はバイブルのメンバーである弟にある情報を伝えにきたという・それは、晋吾が戦場で軍人や傭兵をインタビューする中で耳にしたある噂についてだった・それは、ヨーロッパを拠点に活動するある巨大組織が、世界各地で起きる戦争に多額の軍資金を出資しているという噂だった・噂によれば、その組織は戦争に出資することで、いずれ地球で起こるであろう大災害に向けて生き残るべき人類を選別しているのだという・そしてその巨大組織のボスは、長髪で手練れのアジア人剣士だと噂されている・龍門の顔が頭によぎる香川とアンドレ・さらに晋吾は、バイブルのイギリス支部に出入りしているメンバーのプロフィールを独自に調べた結果、一人だけ経歴が穴だらけの怪しい人物を見つけたという・それは龍門のことだった・晋吾の話によると、その巨大組織はなぜか龍門がバイブルに入会した時期から活動を停止しているという・その巨大組織はおそらく300人委員会・香川とアンドレは確信した・事件の犯人として最も怪しいのは、今行方をくらましている龍門だと・その数日後、アメリカ支部に集まるエドワードとアンドレと香川らは、晋吾が伝えた情報の真偽をククルカンに確かめることにした・13個のクリスタルスカルを使ってククルカンを召喚するエドワード・ククルカンによれば、龍門の正体は300人委員会のボスで、現在彼は何かとんでもないことを企んでいるという・エドワードはククルカンに300人委員会のアジトの場所を聞き出す・その場所は、ブリテン島のすぐ隣にあるリンディスファーン島・エドワードは、龍門を必ずバイブルのもとに連れ戻すと宣言する・危険な戦いになると予感したエドワードは、飛鳥に対し支部に待機するように言うが、飛鳥はそれを断り、エドワードや香川たちと共に島に行くことを決める・飛鳥は、国連本部でブラックマンから聞いたもう一つの衝撃的な話を思い出す・ブラックマンはエドワードたちと同じく、親睦会襲撃事件の犯人が300人委員会だと予想していた・彼の話によると、300人委員会の思想は悪魔崇拝に近く、アトランティスの研究にも力を入れている・龍門はおそらく、アトランティスの叡智を使ってこの世界に悪魔を復活させようとしているのかもしれない・そしてブラックマンは、山吹辰から飛鳥の正体がアトランティス人の末裔だということを聞かされていた・その事実に飛鳥自身が驚きの表情を見せる・ブラックマンは、アトランティス研究に力を入れている300人委員会が飛鳥を狙ってもおかしくないと忠告した・その後、リンディスファーン島に乗り込んだ飛鳥、香川、エドワード、ラパス、辰、陣内、アンドレ、リチャード、トム、エリザベスたち・警備の兵士を倒し、地下に潜入する・そこでついに龍門と対峙する・龍門の目的は、アトランティスの叡智を復活させてそれを利用し、ハルマゲドンを起こして、生き残るべき人間を選別することだった・覇王は元々龍門に雇われた傭兵だったが、計画を知った途端に龍門を裏切り、単独行動に出た・覇王は自ら親睦会を襲撃することで、国連の目を300人委員会に向けさせようとしていた・エドワードは、龍門がスミソニアン博物館から盗んだ太陽の書を所持していることを確認する・そこに覇王が乱入する・覇王の目的は龍門の計画を阻止すること・だが龍門は、謎の力で覇王の姿を消し去った・龍門は他の仲間たちも次々と消し去っていく・追い詰められた飛鳥は第三の目を覚醒させるが、立ちはだかる300人委員会の幹部たちには通用しなかった・そこにククルカンが現れ、ポータルをつくり何とか飛鳥と香川を逃すことに成功する・邪魔者を全て排除した龍門は、太陽の書に向かって謎の呪文を発する・すると太陽の書から封印されていた魂が解放され、事前に用意してあった北欧人の青年の遺体に憑依する・その魂の正体は、かつて大洪水後の世界で人々を扇動し高い塔を建てさせたという、ノアの息子ハムの子孫であるニムロドだった・今、300人委員会の手によって、古代の支配者であるニムロドが、新たな肉体を手にして現代に蘇ったのだった・その頃、太陽系内のとある星で、シャードが一人で修行をしていた・そこに、星間連合の宇宙船から連絡が入る・星間連合は、地球で再び危機が起きているとシャードに伝え、ある助っ人を送り込んだという・その助っ人の正体は、アヌンナキ族の王マルドゥクだった・その頃、飛鳥と香川の目が覚めると、そこはリンディスファーン島ではなく、見知らぬ小さな村の中だった・村人にそこがどこか聞いてみると、何とそこはイスラエルにあるメギドの丘だった・そこで一匹の野良犬と出会う二人・その犬は白黒の模様のあるボーダーコリーと思われる犬で、飛鳥はなぜか犬の感情や思いが読み取れることに気づいた・飛鳥はその犬に、「仲間」を意味する「メイト」という名前をつけた・メイトに「エルサレムに行きたい」と伝える飛鳥・村人の話によると、メギドからエルサレムまでは歩いて一日かかるという・香川は半信半疑だったが、メイトは二人をエルサレムに導くように歩き出す・二人はエルサレムを目指すため、メイトについていくことにする・一方とある雪国で目を覚ましたのは、エドワードとリチャードだった・二人は混乱しながら雪景色の中を歩いていくと、一軒の小さな小屋を発見する・小屋の中にいた青年に暖を取らせてもらう二人・二人はその青年から、今いる場所がロシアだと教えてもらう・リチャードはその青年が、5年前に政府の機密情報をネット上に暴露してロシアに亡命したCIAの元エージェント、ダニエルヤードリーだと気づく・ダニエルがお手洗いに行っている隙に、リチャードは一つのメモリーカードをエドワードに見せる・リチャードは3年前に「世界統一計画」を実行したことを後悔していた・そこでリチャードは影の政府のボスの座を息子のトムに譲ろうとしていた・影の政府のボスを辞めるには大統領の許可がいる・しかし今の混乱した世界情勢を考えた場合、おそらくリチャードがボスを辞めることを大統領は許してくれない・そこでリチャードは、このメモリーカードの中身を世界に公表すると考えた・そのメモリーカードの中には、影の政府が今まで犯してきた数々の国際犯罪に関する情報が保存されていた・それを公表すればアメリカの国際的地位は失墜し、世界は大混乱に陥る・しかしリチャードは、世界を裏から支配する秘密の組織なんてない方がいいと考えを改めていた・その後、ダニエルに近くの街まで送ってもらう二人・タクシーを捕まえて空港に向かう・しかし突然リチャードは、例のメモリーカードがポケットの中から消えていることに気づく・先程リチャードがエドワードにメモリーカードを見せてからタクシーに乗るまでの間、二人が接触した人間はダニエルしかいない・エドワードはメモリーカードを盗んだのがダニエルだと推測する・リチャードはこんなこともあろうかと、ダニエルの懐に発信機を忍ばせていた・エドワードは発信機の場所まで行くようにタクシーの運転手に伝える・その頃、アメリカのバージニア州で目が覚めた辰とトムは、移動手段を確保するため、拳銃でトラックを奪おうとしていた・しかし弾が装填されていないことに気づくと、近くの巨大な建物の中に身を隠す・だが、その建物がアメリカ国防総省本庁舎(ペンタゴン)であることに、二人はまだ気づいていなかった・一方、1日かけてようやくエルサレムに辿り着く飛鳥と香川・とりあえずヨセフスの自宅を目指す二人・ヨセフス宅に着くと、彼はちょうど別の客を出迎えていた・その客の正体は、伝説のスパイと言われているスコーピウスベラスコだった・ベラスコは、かつてヴァチカンやナチス、日本の天皇家に仕えていた経験を持つ、見た目は普通の老人だった・ヨセフスとベラスコは、300人委員会について話し合っていた・ベラスコは、昔とある国の諜報機関で龍門と共に働いていたという過去を持つ・飛鳥と香川は、リンディスファーン島で見た出来事の詳細を二人に話す・飛鳥は、バイブルの親睦会に向かう途中で、会場までの道を教えてくれたのがベラスコだったことを思い出す・ベラスコは、あの覇王襲撃の時に現場にいたという・その時、覇王と共に現れたヒトラーと名乗る謎の男のことを思い出すベラスコ・ベラスコによると少なくともあの男の肉体はヒトラー本人のものではないという・その発言の意味を理解できないでいる飛鳥と香川・するとヨセフスの元に、エルサレム市内に覇王が現れたという連絡が入る・現場に向かう飛鳥たち・覇王は香川を見た途端、急に跪き、「香川が来るのを長年待ち望んでいた」と発言する・覇王の血脈は、香川と同じ古代イスラエル王国のエフライム族・覇王によると、香川の父方の祖父照之はエフライム族の血を引く女性と結婚し、ユダヤ人の支援活動に従事していた・ユダヤ人にとって日本人と言えば香川照之と思われるほど、香川の祖父はイスラエルでは有名だった・覇王の目的は、失われた10支族の末裔を全て見つけ出し、メシアの到来を実現させることだった・そこに突然、バイブルのイスラエル支部の支部長が現れ、飛鳥たちを支部に招待する・その頃ロシアでは、エドワードとリチャードがダニエルを追っていた・ダニエルはリチャードから奪ったメモリーカードを持って、アメリカに帰国しようとしていた・ダニエルは、メモリーカードをアメリカ政府に渡せば、リチャードが上の許可なく政府の機密情報にアクセスしたことがばれて、自分の手柄になり、過去の罪を帳消しにできると考えていた・しかしそんなダニエルを、ロシア政府のエージェントが空港で待ち構えていた・ロシア政府は、ダニエルがアメリカに帰国することで、ロシア政府の情報がアメリカに漏洩することを懸念していた・ようやくダニエルのもとに追いつくエドワードとリチャード・ダニエルは、アメリカへの帰国を阻止しようとするロシアと、メモリーカードの奪還を狙うリチャードとの間で板挟みになっていた・そこでエドワードは、第三の選択肢を用意する・それは、アメリカとロシアで協力して300人委員会を倒すというものだった・エドワードはこの選択に乗れば、300人委員会に関する情報を全てリークすると約束した・その頃アメリカのペンタゴンでは、不審者と思われた辰とトムが捕まって尋問を受けていた・そこに影の政府の科学者ロナルドウィップが現れ、二人の嫌疑は無事晴れた・ロナルドの話によると、1ヶ月程前にペンタゴンは覇王の襲撃を受けており、その際にペンタゴンの地下に幽閉していた二人の女霊媒師が姿を消したという・二人の女霊媒師とは、かつてアトランティス滅亡後に地底都市シャンバラに逃れたネガティブ存在で、影の政府が切り札としてペンタゴンの地下に厳重に閉じ込めていた・さらにこの二人の女霊媒師には、死者の魂を現世に呼び戻す能力がある・トムは、覇王と一緒にいたヒトラーを名乗る謎の男は、その女霊媒師によってヒトラーの魂が入れられただけで、肉体はヒトラーのものではないと推測する・辰は覇王の行方を追うために、アメリカのNSA(国家安全保障局)に連絡する・しかしその頃NSAは、謎の人物に襲撃されていた・その襲撃者の正体は、龍門だった・アメリカのNSAには、世界中からあらゆる情報が集まってくる・龍門はNSAにある機密情報にアクセスし、アトランティスに関する情報を入手する・そして飛鳥の正体が、かつてアトランティスで崇められていた「クレイトアトラス姫」であることを突き止める・バイブルのイスラエル支部では、飛鳥と香川が支部長オリバーシッチンと面会していた・オリバーは、ヴリルという謎の力を研究している専門家で、アトランティスのことにも詳しかった・飛鳥は、龍門を止めるにはアトランティスのある場所に先回りする必要があると主張・オリバーは、世界中の研究機関が予測するアトランティスがあったと思われる場所の座標を飛鳥に伝える・その座標は、大西洋上のある海域を示すものだった・イスラエル支部を後にする飛鳥と香川・そこに突然謎の男が現れ、飛鳥を誘拐する・その男の圧倒的な力になす術なく倒れる香川・その男は、龍門によって復活を遂げたニムロドだった・一方リチャードとエドワードは、イルミナティの本拠地があるドイツに向かっていた・地底都市シャンバラに無事帰還したジャスティンは、シャンバラに住む巨人たちに力を貸してほしいと依頼する・カリブ海のとある島で目が覚めたラパスとエリザベスは、島に住む謎の老人に出会う・ラパスとエリザベスは、バミューダトライアングルで起きている飛行機や船舶の謎の失踪について老人に教えてもらう・老人によると、バミューダでの不可解な事件は、大西洋の海底に眠るクリスタルでできたピラミッドのせいで起きているという・アメリカとフランスの調査チームは、ピラミッドの頂点部分には通気孔のような穴があり、それが近海の海流を乱していると考えている・そのクリスタルピラミッドを誰がいつ何のために造ったかは未だに分かっていない・その頃、日本の山奥で目覚めた陣内とアンドレは、山の奥地で一軒の古びた家を発見する・その中には、八咫烏の一員と名乗る謎の老婆がいた・陣内とアンドレは、その老婆から不可思議な話を聞かされることになる・またアメリカのヒューストンでは、NASAの職員たちが高速で地球に接近する謎の飛行物体を観測し、大騒ぎしていた・しかしNASA室長のブライアンミッチェルは、その飛行物体の正体はアヌンナキ族だと推測する・3年前と同じように、マルドゥクの小型宇宙船はエリア51の敷地内に降り立った・3年前と違うことは、今回はシャードが一緒にいたという点だった・マルドゥクとシャードを迎えるブライアン・マルドゥクの目的は以前とは違い、地球の侵略ではなく人類との協力だった・シャードによると、地球でニムロドが復活したことを察知した星間連合から連絡があり、地球人と協力して300人委員会の暴走を止めるというミッションを与えられたという・その時、西の方角から強い波動を感じたマルドゥクとシャードはそこに向かった・その頃、どこかの山奥の小さな小屋に閉じ込められた飛鳥・誘拐犯であるニムロドは、飛鳥のことをクレイトアトラス姫と呼ぶ・ニムロドによれば、かつて大西洋上で栄えたアトランティスに、ある時空から小さな赤ん坊が舞い降りてきた・アトランティスの王たちは、その赤ん坊をクレイトアトラス姫と呼び、民衆を統治するための信仰対象として祭り上げたという・しかし、テクノロジーのレベルが愛のレベルを上回ったアトランティスは、神の怒りを買い一夜にして海の底に沈んだ・ニムロドは自身のことを、大洪水の生き残りであるノアの子孫であると飛鳥に告げる・さらにニムロドは、飛鳥の額に指先を当て、飛鳥の記憶を呼び覚まそうとする・一瞬目の前に何かの光景が映り始める飛鳥・そこにマルドゥクとシャードがテレポーテーションで現れ、その光景は目の前から消え去った・大洪水後からずっと地球を監視してきた二人は、ニムロドのことを知っていた・マルドゥクはアロンの杖でニムロドを攻撃するが、あと一息のところで取り逃してしまう・復活したばかりのニムロドは、まだ完全に力を取り戻せていなかった・マルドゥクとシャードは300人委員会を倒すために協力すると持ちかけるが、飛鳥は一人で大西洋に向かうと宣言する・飛鳥は香川やエドワードの力に頼らず、一人で戦うと意気込んでいた・飛鳥と一旦別れたマルドゥクとシャードは、突然誰かの声が頭の中に響き渡ることに気づいた・その頃少し離れた別の山奥では、陣内とアンドレが謎の呪文を発している老婆を怪訝な顔で見つめていた・するとそこにテレポーテーションでマルドゥクとシャードが現れる・二人は謎の声で呼ばれたから来たという・八咫烏の一員と名乗る謎の老婆とマルドゥクは面識があった・マルドゥクによると、この老婆の名前はカミヨ・マルドゥクが幼少の頃から世話になっているという・カミヨはマルドゥクにあるものを渡したいと言い、古びた長方形の木箱を用意する・カミヨの話によると、マルドゥクが伊勢神宮の別宮伊雑宮から盗み出したアロンの杖は、預言者モーセが用意した偽物・カミヨは、代々八咫烏に伝わる本物のアロンの杖をマルドゥクに渡したいという・木箱の蓋を開けると、そこには金箔が貼られた不思議な形の木の棒が入っていた・見た目はまるで、かつて百済王から倭国の王にプレゼントされた七枝刀のようだった・マルドゥクは真のアロンの杖を手にし、体の奥から力がみなぎってくるのを感じる・突然カミヨが何かを感知し空を見上げる・その頃、大西洋上空で謎の巨大生物の体の上に乗っている龍門は、空に手を突き上げて、自身の能力を発動させようとしていた・ドイツでイルミナティ本部への秘密の入り口を目指すリチャードとエドワードは、突然何かの異変に気づく・周囲を歩いていた一般の市民や観光客たちが、何かに操られるように突然二人に襲いかかった・市民を相手に本気が出せないリチャードとエドワード・しかしそこにイルミナティの6人の幹部の一人であるヨシュアが現れる・ヨシュアは謎の力で市民を戦闘不能にして二人を助け出す・ヨシュアは、ドイツのシュヴァーベン地方にある観光地、ホーエンツォレルン城に二人を案内する・その城の下には広大な地下空間が広がっており、そこにイルミナティの本部があるという・普段は人気の観光地だが、それが逆に地下の存在を隠すための目眩しになっている・地下の一室に着いた途端、ヨシュアは300人委員会に惨敗した二人を非難する・リチャードは惨敗という言い方には語弊があると反論したが、龍門がNSAに侵入し、アメリカ政府の機密情報にアクセスしたとヨシュアから聞かされると驚愕の表情を見せる・ヨシュアは独自の情報網を通じてその情報を掴んでいた・そしてヨシュアは、大西洋上で何かが起こるとだけ二人に伝えると姿を消す・困惑しながら地上に出たリチャードとエドワードの前に、突如二人の謎の男が立ちはだかる・その二人は、リンディスファーン島の地下で龍門と一緒にいた300人委員会の幹部たちだった・一方、アメリカのワシントンにあるホワイトハウスを襲撃していたヒトラー(肉体は別人)と二人の女霊媒師・ヒトラーの目的は、かつてナチスドイツを敗戦に追い込んだアメリカへの復讐だった・そこにシャードが現れ、ヒトラーと対峙する・そしてエルサレムでは、龍門に操られて大暴れしていた覇王をマルドゥクが食い止める・世界各地で300人委員会と激突する光の戦士たち・イスラエル支部長にもらった座標の場所を目指す香川の前には、ニムロドが再び立ちはだかる・そして大西洋にあるバミューダ諸島に向かうため空港にやってきた飛鳥・そこに父親辰が現れる・飛鳥は感極まって今まで父親に抱いていた不満を辰にぶつける・なぜ辰は、飛鳥が地球外の存在であり、アトランティスで崇められていたクレイトアトラスという存在であることをずっと隠し続けてきたのか?・そして自分が一体何者なのか?・そんな飛鳥に、辰は優しく抱擁し、飛鳥が何者であろうと辰の娘であることに変わりはないことを伝える・安心した飛鳥は、気持ちを新たにバミューダ諸島に向かう飛行機に乗った・大西洋上空では、龍門が操る巨大な空飛ぶ蛇が大西洋のある海域に巨大な大穴を作っていた・蛇の吐き出した光線で海底まで開いた大穴の底には、クリスタルピラミッドがそびえ立っていた・龍門は、事前に入手していた小さなキャップストーンをクリスタルピラミッドの頂点に嵌め込むと、ピラミッドは謎の光を発し始める・テレポーテーションでアメリカのニューメキシコ州にあるホワイトサンズ国立公園に移動した香川とニムロド・ニムロドは香川に、行方が分からない飛鳥をすぐにここに呼び出せと要求するが、香川はそれを拒否する・ニムロドと香川のリベンジマッチが始まる・ワシントンでヒトラーと交戦するシャード・二人の女霊媒師は星間連合のメンバーであるシャードに寝返り、シャードは何とかヒトラーを打ち倒す・エルサレムで覇王と戦っていたマルドゥクは、真アロンの杖の力を使い、覇王レオナルドバトラーを撃破する・バミューダ諸島にやって来た飛鳥は、ラパスとエリザベスに再会する・飛鳥は二人に、島に住む謎の老人を紹介される・その老人がヘリコプター操縦のライセンスを持っていると知った飛鳥は、老人の操縦するヘリで例の座標の場所へと向かう・しかし途中で謎のハリケーンに巻き込まれ、ヘリは操縦を失いどこかに墜落していった・アメリカのとある空港では、ダニエルヤードリーが軍に包囲されていた・5年前に政府の機密情報を暴露しロシアに亡命した罪で収監されそうになるダニエルは、軍の高官にエドワードから聞いた300人委員会の情報を全てリークし、収監を免れた・軍はダニエルから得た情報をもとに、海軍の軍艦を大西洋に向かわせた・一方ドイツのホーエンツォレルン城では、エドワードとリチャードが死闘の末、300人委員会の幹部二人を撃破することに成功していた・その頃大西洋では、クリスタルピラミッドを中心にアトランティスのテクノロジーが再起動し、失われた大陸の叡智が再び蘇ろうとしていた・また、龍門がキャップストーンを元の位置に戻したことで、バミューダトライアングルを形成していた謎の嵐がピタリとやんでいた・その頃ホワイトサンズにて、ニムロドに再び敗北する香川・ニムロドはトドメを刺そうとするが、そこにイルミナティのヨシュアが現れる・ヨシュアに威圧されたニムロドはどこかに姿をくらます・命拾いした香川に対し、ヨシュアは少し休むように助言するが、香川は龍門を止めるため、そして飛鳥を助けるためにアトランティスに行くことを決意する・どこかで目を覚ます飛鳥と老人・目の前には謎の遺跡が広がっていた・そこが目的地であるアトランティスだと気づく・嵐に巻き込まれたヘリは制御を失い、大西洋の真ん中に開いた謎の穴の中に墜落した・そして伝説の島アトランティスは、その穴底に今もなおひっそりと存在していた・同じ頃、空飛ぶ蛇に乗りアトランティスの遺跡を見つける龍門・突然謎の攻撃が蛇を襲う・アトランティスの地に降り立った龍門の前に、ベラスコが立ちはだかる・かつての旧友と再会を果たす龍門・その頃、アメリカ軍の軍艦が、龍門討伐のためアトランティスに向かっていた・香川の兄晋吾も、チャーター船に乗り香川から送られてきた座標を目指していた・飛鳥と老人は、とりあえず遺跡の真ん中にあるクリスタルピラミッドを目指していたが、道中でボロボロのベラスコを発見する・龍門はベラスコの忠告を無視して、アトランティスのテクノロジーを狙ってクリスタルピラミッドに向かった・飛鳥は老人にベラスコの手当てを頼むと、龍門を追って走り出した・クリスタルピラミッドの入り口に辿り着いた龍門・そこにククルカンのポータルを通ってエドワードが現れる・龍門の暴走をくい止めようとするエドワード・龍門は、アメリカに敵対する東側の国々の高官を操り、軍を編成して大西洋に向かわせていた・まもなく大西洋上でアメリカ軍と龍門に操られる東側勢力の軍が激突しようとしていた・このままでは戦争になると忠告するエドワード・そして龍門は、ついに自分の正体を明かす・龍門は人類文明を創造した天王族の一人であるドラゴンゲート家の末裔だった・龍門の両親は世界の権力者に抹殺され、龍門はその復讐を果たそうとしていた・龍門に銃口を向けるエドワードだが、龍門の剣技の前には全く敵わなかった・クリスタルピラミッドの中に入り、アトランティスのテクノロジーを発見する龍門・だが突如、待ち伏せしていた山吹辰の急襲を受ける・その頃、アトランティスの遺跡にテレポーテーションする香川とヨシュア・ヨシュアは香川に、アトランティスを再び海の底に沈めるための方法を教える・そして、ついに龍門のもとに追いつく飛鳥・そこには血まみれの辰が倒れていた・怒る飛鳥だったが、今度はそこにシャンバラから三人の巨人族たちが現れる・ジャスティンに依頼され、飛鳥を助けに来たという・だが、その巨人たちですら龍門には敵わなかった・そこで龍門が自身の能力について語り始める・龍門の力の正体は「プラズマ」だった・リンディスファーン島の地下からエドワードたちを離れた場所へ瞬間移動させたのも、世界中の市民や軍の体や思考を操った原因もこのプラズマだった・飛鳥は第二次世界大戦中にアメリカのペンシルバニア州で行われたフィラデルフィア実験の話を思い出した・その実験では、艦船を強力なプラズマで包むことで、離れた場所に船が瞬間移動したと記録に残されていた・プラズマは個体液体気体に続く「第四の物質」と言われており、その用途はまだ謎の部分が多い・龍門によれば、世界にはこのような不思議な力を操る人間がおり、その力は「ヴリル」と呼ばれている・飛鳥は、バイブルのイスラエル支部長オリバーシッチン氏がヴリルの研究者だったことを思い出す・龍門は飛鳥に対し、共にアトランティスの玉座に座り世界を支配しようと勧誘するが、飛鳥はそれを拒否する・飛鳥は第三の目を覚醒させ、龍門に戦いを挑む・さすがの龍門でも飛鳥の覚醒した力には歯が立たなかった・だが急に謎の頭痛と耳鳴りが聞こえ始める飛鳥・ニムロドの時のように目の前に何かの光景が映り始める・その隙をついて飛鳥に銃口を向ける龍門・龍門が引き金を引いた直後、駆けつけた香川が飛鳥に覆い被さり、銃弾から飛鳥を守った・急に地響きがすると大西洋に開いた大穴が閉じ始める・香川はクリスタルピラミッドに来る前に、クリスタルピラミッドのキャップストーンをてっぺんから引き抜いていた・それが、アトランティスを再び海の底に沈めるためのスイッチになっていた・ようやく自分の計画が失敗したと自覚する龍門・香川と飛鳥は、急いで老人が操縦するヘリの場所へと向かう・龍門は大波に飲み込まれるアトランティスと共に海の底に沈んだ龍門が倒れると同時に、プラズマのヴリルが効力を失い、我に帰る東側勢力の軍人たち・間一髪のところでアメリカ軍との戦争は免れることができた・アトランティスに上陸していた飛鳥や香川、エドワードやベラスコは、晋吾のチャーター船に乗り込み、大西洋を後にする・ようやく、300人委員会との戦いは幕を閉じたのだった・その後リチャードは、影の政府のボスの地位を息子のトムに譲った・リチャードの部屋で談笑するトムとエリザベス・そこに衝撃的な報告が入ってくる・それは、「メッセンジャー」と呼ばれる影の政府お抱えのある予言者が、新たな「印」を見たのだという・印とは、メッセンジャーがたまに見る予知夢のことだ・その内容とは、世界の終末の時に現れる三匹の獣、通称「滅びの獣」のうちの一匹がもうすぐ活動を始めるという・「六大勢力」の一角を担っていた三百人委員会が倒れたことで、世界の均衡が崩壊することを懸念する各国の権力者たち・そんな中、ついに六大勢力最恐の組織ヒクソスが動き出そうとしていた