鍵っ子から始めるアイデンティティ
私が小学校高学年に上がった頃に母がパートを始めました。
それに伴って、私は家の鍵を持って学校へ通うようになりました。
首から下げて管理できるように、学校のクラブで覚えたかぎ針でピンクの紐を編んで鍵に括って。
鍵が必要な日に私が忘れて家を出ると、母が「鍵ーっ」と叫びながら追ってきます。あれちょっと怖かった、鬼気迫る感じで。
さて、帰宅時間です。
目の前には深緑の扉、右手には鍵。あとはそれを鍵穴に差し込むだけ。
ではなくて。
私は必ず立ち止まって、ある問題と向き合っていま