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#映画感想文286『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』(1998)

映画『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ(原題:Lock, Stock and Two Smoking Barrels)』(1998)の再上映を映画館で観てきた。

監督・脚本はガイ・リッチー、出演はジェイソン・フレミング、デクスター・フレッチャー、ニック・モラン、ジェイソン・ステイサム。

1998年製作、108分、イギリス映画。

公開当時、大きな話題になっていたことを覚えている。しかしながら、ホモソの男の子クラブっぽいマッチョな暴力映画であろう、と思っており、食指が動かなかった。とはいえ、名作だと言われてはいるので、せっかく再上映されるのならと観に行った。

いやー、すごかった。日本の映像クリエイターによって作られた2000年代のコマーシャル、ミュージックビデオ、ドラマ、映画は全部ここから引用されていたのだろう。観たことがない映画なのに、観たことがあるようなシーンがたくさんあるのだ。(ヤクザとチンピラ、不良、馬鹿って、みんな好きだよね。)

さすが、マドンナの元旦那である。そして、ジェイソン・ステイサムがイギリス人であったことを知る。

2000年代の模倣作品に対する気分をコントにすると、こんな感じ。

医者「次の方、どうぞ」
患者A「ここ最近、調子が悪くて…。何というか、頭がうまく働かなくて。チンピラとヤクザが複数出てきて、勘違いとか行き違いで大体みんな死ぬんですけれど、複数の事件が一つの事件に収斂されていくんです」
医者「うーん、この症状は『ガイ・リッチーになりたい病』ですね。まあ、とにかく黒澤明の『七人の侍』を見直してください」
患者A「ぼくはガイ・リッチーじゃなくて、タランティーノになりたいんです! 先生は何もわかってませんね」
医者「誰かじゃなくて、自分になってください。次の方どうぞ」

医者「今日はどうされましたか」
患者B「先生、無駄にスローモーションで映像をカクカクさせたり、インサートでイギリスのロックを使いたくなるんですけど、どうすればいいでしょうか」
医者「ええと、これは『ガイ・リッチーを真似したら大体かっこよくなると思いすぎ病』ですね。ヒッチコックとキューブリックを見てください。次の方、どうぞ」

そんな感じの映画だった。ガイ・リッチーはすごい。安易に模倣してはいけないが、模倣してしまった映像クリエイターの気持ちもわからなくもない。確かにかっこよかった。でも、面白かったのかどうかはよくわからない、というのが正直なところ。

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