#映画感想文160『Zola ゾラ』(2021)
映画『Zola ゾラ』を映画館で観てきた。
監督・脚本はジャニクザ・ブラボー、主役のゾラはテイラー・ペイジ、ステファニをライリー・キーオ(エルビス・プレスリーのお孫さんだそうです)が演じている。2021年製作、86分のアメリカ映画である。
正直、A24の映画なら、何でも観ようと思っていたのだが、この映画に限っては、もう少し下調べをしてから観るべきだったと少し後悔してしまった。
予告編では、レズビアンの恋愛ものか、シスターフッドの友情ものの映画に見えるのだ。実際は、ポン引きに搾取されているシングルマザーと一緒に旅することになってしまったポールダンサーの話だったのである。で、これは、2015年にTwitterに連投された実話なのだという。
何というか、クドカン初期作品の馬鹿な登場人物たちのモラルをさらに削っているような人物造形で、ハイテンションで意味不明で、誰にも共感ができない。で、ポン引きに脅されたゾラも逃げられず、ズルズルと2日ぐらい一緒に過ごすことになってしまう。
映像や演出がスタイリッシュなのはわかるのだが、いかんせん題材が題材なので、なかなか入り込めない。結局、ラストはチンピラ同士のシノギ、シマ(縄張り争い)の話となり、流血騒ぎで、目も当てられない。
わたしは、こういう人たちはトランプ支持者にすらならないのかもしれない、などと考えてしまった。
映画本編より、監督のインタビューの方が面白いぐらいだった。
そうそう、女性は嫌でも笑ってしまったり、男性に対して拒絶を示すと、怒られたりするので、はっきり言えない人もいたりする。そういったことをわかってくれている監督の方が、現場の俳優は仕事がしやすいのではないだろうか。
好きな映画でも、すごい映画でもないのだが、現代的であり、挑戦的な映画ではあったと思う。そして、思うことは、さっさと買春が超絶ダサくて、恥ずかしくて、できないことになってほしい、ということである。性的搾取、ポン引きブームって、なかなか終わらんね。