創作》穴

道のど真ん中に、穴が開いていた。

人がすっぽり入れそうな大きさの穴だ。
真っ黒にぽっかり開いた穴を、危ないなぁなんて思いながら、上からそっと覗いてみた。

穴の中には、また道が、ちょっと見たことない雰囲気の道があって、そこにもおなじように穴が開いていた。
そして自分と同じように穴を覗く人が見えた。

おや、人がいる。

穴の事を聞いてみようと、下の地面の穴に落ちないように降りてみた。
ほうほう、自分がいた場所に似てるようで違う場所だ。

しかし、尋ねようと思った相手がいない。

そこの穴を覗くと、どうやら下に降りた様子。

さてどうしよう?

見上げると自分が降りて来た穴が空にぽっかり開いている。
その穴の上で、上の穴を見上げる人影が見えた。
地面の穴の先には、下を覗く人影。

さて、どちらに聞いてみようか?

original post:http://novel.ark-under.net/short/ss/25


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