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意味不明小説集

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自分の意味不明小説や、noteで見かけた不条理だったりホラーだったりする、星新一系の意味不明ショートショート(1頁漫画も)をまとめています。
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#SF

宇宙大会議(SF)

・・・目が覚めると、真っ白い部屋にいた。 天井は円型のドーム状になっていて、部屋の中央に円卓が置かれている。 僕は円卓の一席に座っていた。 僕以外にも、円卓のそれぞれの席に人が座っていた。 いや、よく見ると彼らは人間じゃなかった。 恐竜のような見た目の鎧を着た生物、スライム状の有機生命体、テレビでよく見かける絵に描いたような宇宙人。 中には、かろうじて人型をした生物もいたけど、全身が真っ赤だった。 他にも奇妙な生物達がテーブルを囲んでいた。 ・・・これは夢だろうか。記憶の最

永遠の始まり

 この世に永遠に存在するものはない。それは宇宙でさえ例外ではない。では、存在しないはずの「永遠」という概念や言葉がどうして生まれてくる事ができたのだろう? ある人物は 「人が『永遠』というものを望んだから」 と言った。 僕は今、その『永遠』とやらを強く欲している事になるだろう。 ーー永遠の若さ ーー永遠の命 ーー永遠の友情 ーー永遠の愛 『永遠』への憧れ。今この瞬間、残り短い命を擦り減らす彼女をどうにかして救いたい。失う事がどれほど耐え難い苦痛なのか、神は、

博士のロボット

その博士はいつもロボットを連れていた。 ある記者が尋ねた。 「いつも連れていらっしゃるロボットにはどのような役割があるのですか?」 「もう私も年ですからね。このロボットは私の健康を管理してくれているのですよ」 博士はそう言ってにっこりと笑った。 ある日、研究室で助手の1人が他のロボットをメンテナンスしていた。助手は博士の後ろにぴったりと寄り添うロボットに目をやり聞いてみた。 「先生、そのロボットもそろそろメンテナンスしておきますか?」 「ありがとう。気持ちだけで充分だよ」 「