攻めのバックオフィスに違和感がある件
巷で、コストセンターの作業屋さんから脱却の旗振りとして、「攻めのバックオフィス」という文言が使われている。
コーポレート部門に所属している私から見ても、単純作業は労働生産性は低く、それを属人化することで、あたかも代替え不可能な熟練職人であることをアピールしていた時代は、もう淘汰されるだろう。
そこに、自分のアイデンティティを投影していたら、さらに引き剥がすのは難しい。相当なパワーを用いる必要がある。
コーポレート部門は、意外にも権限がある。
権力があたかも力量として認知されていたら、組織としてもっと悲惨なことである。管理職もそうだが、あくまでマネジメントの権限があるだけで、それは職種であり、力ではない。
では、何なのかというと、会社にどれだけ影響力があるか無いかの差であり、経営陣は役員規定にガチガチに縛られた公人だ。
能力淘汰されるのがコーポレート部門で、無くなりはしないが、増えもしないのが、我々の部署だ。
さて、どうやったら生き残れるだろうか?攻めなければいけないのか?
出発点は、なぜ会社に必要とされているかを分析することだ。
SWOT分析的にいけば。
S:強み コーポレート的な知識や処理ができる
W:弱み コストセンターである
O:機会 意外に誰かがやらくちゃいけない
T:脅威 ITに作業を奪われる
最近やたらとクローズアップされるのが、脅威であるITによる効率化だ。確かに、強みが作業である人は、まずいだろう。
しかし、上述の通り、強みと機会を重ね合わせ、脅威には晒されるが、誰かがやらなくちゃいけない。誰かが、経費精算を照査し、給料を計算し、会社の財務諸表を作り、事業推進における内部統制をリスクコントロールマネジメントにて、モニタリングしなければならない。機械には、しばらくは難しい業務だ。なぜなら、人は悪知恵だらけで、いつだって意味不明な存在だ。人のことは人がよく分かる。クジラのことはクジラ同士が分かるように。
世の中の一般的な流れとして、事業の採算が苦しい場合、事業規模が縮小するため、コーポレート部門は真っ先に早期退職を迫られるのが常だ。事業推進とコーポレート部門は、セットだ。稼いできて貰わないと(適正に)、どのみち共倒れだ。
この現実をどう受け止めるか。
全ては、事業目標を達成するためにすぎない。達成できたら、人は残るし、ダメだったら解散だ。
コーポレート部門は攻めろ、というより、事業が成功するために、何をすべきか。何を提供をできるか考えた方が良い。
例えば、新卒が辞めまくる会社だったら、経理マンが人事にコンバートして、数字の事実を見せつけ、採用業務にかける金を算出しても良いよかもしれない。資源は有限だから、戦略が必要なように。
新しい動きをしないと、しかも自律的に動かないと、どんな仕事でもそうだが、厳しい時代だ。
逆に言えば、動いて結果さえ出してしまえば、儲けもんだ。今までやってきたことは捨てて、もしくは利用し、新たに能力開発する必要がある。
私にも目論みがある。というより、皆が眼を背けている課題が目の前にある。それは、誰もやりたがらないことだ。
私の父の教えで、唯一役に立つ金言がある。
「皆が嫌がることをやれ。」
私が着目してるのは、心理的参入障壁が高く、面倒な部分だ。
企みについては、もう少しまとまったら、お話しします。
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