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リアルとバーチャル

修了式で生徒にしたお話です。
プレゼンテーションソフトを使って表示しながらお話ししています。
これはその時の原稿ですが、実際は原稿見ながら話しているわけではないのでこの通りではありません。
ChatGPTに入試の作文問題を書かせた話から、リアルとバーチャルの話になります。

ChatGPT話題ですよね?
知っている人はどのくらいいますか?
ChatGPTは、対話型のサービスで、独自の文章を作ることができる人工知能ツールです。
質問に答えてもらうことも、詩や歌、エッセイ、短編小説、プログラミングのコードなどを書いてもらうこともできます。

さて、そこで、今日はリアルとバーチャルの話です。
リアルとバーチャルについて考え、皆さんのステージを1段階あげます。

ではまず、ChatGPT。
本校の入試の作文を書かせてみました。
皆さんが1年前に解答した作文です。
何と答えたか見てみましょう。

私は、社会に貢献する仕事をするために、技術や知識に没頭したエンジニアになりたいと考えています。この力を身につけることで、自己研鑽を続け、新しい知識や技術を吸収し、業務に必要なスキルを高めることができます。

エンジニアになって、「技術と知識」に没頭したいらしい。
高いスキルのエンジニアになりたいということでしょう。
そのために新しい知識や技術を吸収できる。
そして、スキルを高める。
同じことの繰り返しになっていますね。

この力を身につけるために、私が活用したい本校の教育活動は、個別指導や進路指導です。個別指導は、自分のペースで学べるため、自分のレベルに合わせた学習をすることができます。

知識と技術を身に付けるために、個別指導と進路指導を活用する。
個別指導は個別の指導の定義になっています。

また、進路指導では、自分が目指す職業や進路についての情報を得ることができ、自己成長のために必要な知識やスキルを習得することができます。

多分背景に「進路指導とは自己成長のために必要な知識とスキルを習得できるもの」という定義になるデータがあってそれを言い換えた文になっています。

さらに、本校の特色であるチャレンジスクールとしての取り組みも、私が身につけたい力につながると考えています。

本校の特色、もっと具体的に言ってほしかったですね。
国語の時間に具体と抽象の技術を身に付けましたよね。
チャレンジスクールだというのはまだまだ具体的でない。
具体的にどのように力を身に付けたいかも言ってほしかったですね。

さて、チャットGPTくんが書いた作文では何がよくないなのか。
総じて文章らしさはあるものの具体的なことが書かれていない、つまり、その人らしさが見えてこない。
入れ物はあるけれど中身がない。
この文章は空っぽなのです。

ではどうすればいいのでしょう。
具体例が欲しいといいました。
あなたはなんでエンジニアになりたいのか、そのために具体的に本校のどの部分が役に立つのか。
具体的に何を学びたいのか。

そのためには、本当は「リアルで個別の体験」をすることが必要になってきます。

ただし、皆さんが1年前、この学校に入学するときには「考えています」でよかったのです。
本校のアドミッションポリシーは「本校の特色を理解している生徒」「本校を志している生徒」「自他を尊重し責任のある行動をとれる生徒」でした。

しかし、この先は「リアルで個別の体験」をすることが必要になってきます。
「考えています」で止まっていてはよくない。
幸い小台橋高校の学びはリアルで個別の体験の連続です。
2年次からはゼミが始まり、選択科目の学びが始まります。
「リアルで個別の体験」を積み重ねてください。

「リアルで個別の体験」をすることを実践といいます。
一番わかりやすいのが恋愛です。
恋愛は机上の空論はあり得ない、体験してみて初めて分かるものです。

料理も、スポーツも、そして学問も、すべて実践が必要です。

体育の時間にバドミントンのラケットの振り方を学んだでしょう?
でも、いくらラケットの振り方を理解しても、実際にやってみないとわからないでしょう?
「やってみなければわからない」のです。

頭の中にだけ存在するのはバーチャル、これを外にアウトプットしていくこと、これが必要です。
「考えています」だけでなく、いま、実行に移しているのか、自分の体験の連続であるのかが大事です。
「行動は思考を超える」と考えているからです。

そして、あなたがこの学校でやっていく実践は必ず何らかの形で「世のため人のため」になっていきます。

そこで皆さんのステージが上がる話です。
というか皆さんはステージがすでに上がっていますよ、という話です。

入学してすぐ皆さんは「交流プログラム」で、パラダイムシフトから始まり、主体性、ミッションステートメント、重要なこと、winwin、理解して理解されることを学びました。

今日はその先に行きましょう。
6つめはシナジーです。
Ⅰ年前は皆さんには実践がなかったので5番目までしか行けなかったのです。
でも、今、皆さんはこの学校で1年間を終え、2年次にはリアルで個別の体験を積み重ね、実践していきます。
そして、あなたの実践は何らかの形で世のため人のためになっていきます。
ほら、ステージが1つ上がっているでしょう?

念のため、例によってもう一つステージが上がるかどうかやってみましょう。

新しい技術を否定し人間性に回帰させる議論の仕方はよくある議論の型で、ステレオタイプだ。
するとこの論自体が机上の空論に近くバーチャルなものに過ぎない。

なるほど、いいですね。
2文目は飛躍がありますが、確かにリアルとバーチャルというタイトルだけで結論が分かってしまいます。
どうせ、仮想空間でなく、現実と向かい合えってことでしょうって。

もちろんリアルとバーチャルの融合もやらなくてはならない課題です。

でも、今日はリアルの話です。
リアルな体験を「議論」にすることでなくつまり「考える」ではなく、やってみることがおすすめです。
なぜかというと「行動は思考を超える」から。
「やってみなければわからない」です。


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