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「子供の心に残る絵本がつくりたい」イラストレーター クレーン謙さん

イラストレーターとして20年やりながら、大人になっても思い出してもらえる絵本や子供とのワークショップを開催されている背景をお伺いしました。

プロフィール
・出身地 :兵庫県
・活動地域:東京
・経歴
1967年生まれ
松本零士のアシスタントなどをして、
イラストレーターとして独立。
ニューズウイーク、週刊ダイヤモンド、フォーブス、ジャパンタイムズなどの表紙イラスト、KKベストセラーズ「トイレの花子さん」のイラストなどを手がける。その他、CDジャッケットや広告イラストなど。
2007年、草土文化「ヤマガタはかせの昆虫事件簿」シリーズの挿絵、
2014年、絵本塾出版より絵本「スパゲッティのぼうけん」を出版する。
・現在の活動および職業
現在は、絵本の製作や、パンフレットや雑誌のイラスト製作、
最近では小説に執筆、
絵本関係のイベントの出展、お子さん向けのイベントを手がけています。
時折、音楽ライブなども。
職業はイラストレーター/絵本作家
・座右の銘
そういえば、考えた事がありません(笑)。
作品でそれを表現しているような気もします。

記者:本日はどうぞよろしくお願い致します。

クレーン謙さん(以下、クレーン 敬称略):どうぞよろしくお願い致します。

記者:どのような夢やビジョンをお持ちですか?

クレーン:若い頃は正直、明確なビジョンはありませんでした。
私は、20年間イラストレーターとしてやっています。そこから絵本を書くようになったきっかけは、よく通っている世田谷の経堂にあるガラムマサラ店の常連さんとの出会いでした。その常連さんは小学生の支援学校で働いている方だったのですが、その方の紹介でそこの支援学校で働くことになりました。学校で絵本の読み聞かせや本の挿絵を描いたりしているうちに、本格的に絵本を書くようになったんです。
それをきっかけに絵本作家や子どもと付き合うようになり、良い絵本を作りたいと思うようになりました。
今は子供の心に残るような、いい絵本を描きたいと思っています。


記者:クレーンさんにとっていい絵本とはなんですか?

クレーン:いい絵本のイメージは頭の中にはあります。
小学校で働きながら子供と触れ合うことで子供の視点が分かるようになりました。それを通して、描きながら「これがいい作品だな」と思うようになりました。
自分の中で色々アイディアは支援学校で培ったものがあるので、いかに楽しんでもらえるか、子供の心をつかむのか、ということは得意です。
だからといって、実際にいい絵本が描けるかどうかは別なんですけどね。


記者:それを具現化するためにどんな目標や計画を立てていますか?

クレーン:まず締め切りを守ることですね。
不思議なもので自分の仕事ってなると伸びてしまうので、相手との締め切りを守っていくことを意識しています。守っていかないと仕事も無くなってきますしね。
自分が思うに、児童書の出版は特殊な業界で。企画が始まってから終わるまでスパンが長いんです。他の出版業界だとこれってありえなくて、企画がぽんぽん進んでいかないんです。
自分は絵のアイディアはたくさん浮かぶけど、形にしたりまとめていくのが苦手でなかなか本にできないんですよ。

記者:その目標計画に対して現在どのような活動指針を持って、どのような基本活動をしていますか?

クレーン:人間関係を大切にしています。
絵本は絵を描く人と文章書く人に分かれることが多いんですが、私は今は文章を書く人が別にいます。どういう作品を書いているのか、この人がどういう人なのか、一緒に作品をつくる上で気にかけて確認するようにしています。
絵本の企画が通ったらひとり仕事になるので、そういったことを持続させるのが大切になりますね。
また、絵本作家と小説家で違うのは、子供と接することが多いところです。それがストレスの発散になっているので、子供と接する時間を合わせて創作の時間をとるようにバランスとっていきたいと思っています。


記者
:自分の絵本を知ってもらいたいとか子供を幸せにしたいとかそんな夢があるんですね。

クレーン:もちろんあります。自分の作品を知ってもらうのに草の根的運動としして宣伝に色んなところに足を運んだり、ワークショップをしたりしています。
そういった創作活動以外の事をするのが自分の中でバランスとるのに良いなと思ってますし、なにより子どもと接するのも好きなんです。
東京の神保町にあるブックハウスカフェという、絵本関係の人には聖地になっている本屋さんがあるんですが、そこによく行っています。絵を描いている上で、人間関係を大事にしていきたいと思っていて、出版関係や作家さん、読者の子供とか接することができるのは本当に楽しいですし、好きじゃないとできないって思うんです。絵本を読んでくれた子供から手紙が来たら必ず絵付きでお返事したりしてます。
今やりとりしてる子が小学校2年生で昆虫が好きで、昆虫の絵を描いて送ってます。

記者:そもそもその夢やビジョンを持ったきっかけはなんですか?

クレーン:絵本を始めたきっかけは最初にお伝えした通りなんですが、それ以前から10年以上イラストをやっていて、平成元年には漫画家の松本零士先生のアシスタントを1年ほどしました。自分の漫画を持って行って直談判したんです。
このアシスタントをしながら現場を見るのが一番勉強になりました。当時、同時進行でデザインの専門学校に通っていましたが、忙しかったのもありますがなにより先生の現場が勉強になったので専門学校は辞めました。
その場でアイディアだしや、先生が実際に絵を描いてるのを見たり、それにトーン貼ったりするのが、学校よりも実践的に勉強になりました。


記者:その発見や出会いの背景にはなにがあったのですか?

クレーン
:今になって思い出してみると、現場で仕事することで色んな経験ができたことがよかったです。
子供の時ずっとインターナショナルスクールで、日本人が周りにいないような環境でした。高校卒業後はアメリカの大学に行ったりする人が多いなか、私は思いついて北海道の酪農のバイトに行きました。すごく過酷な仕事でしたが、今思うとやれてよくて、絶対知り合えない人と出会えました。そういうのも知ってると知らないとでは、作品も違ってくるんじゃないかと思うんです。
周りの作家さんをみていると必ずしも作品に反映されるわけじゃないですけどね。経験と作品は別じゃないかと思っています。例えばすごい人格者の人がいても、感動させる作品が書けるわけではないと思っています。でもいろんな経験するのは悪くはないですし、作品をつくる人には必要な気がしています。


記者:では、最後に読者へのメッセージお願いします。

クレーン
:若者 のうちに、何も考えないで一度日本を出たほうがいいと思っています。なかなか実践する人はいないんですが、次の日にパスポート取って旅行でも計画立てて放浪してくるみたいな、そんな経験が大事なのでおすすめします。今の日本って煮詰まってる気がしてて。日本って住みやすいんですけど、それが仇になってる気がします。日本は高齢化が進んでいますが、例えばベトナムなどは年齢が若くて元気なので、その差は大きいと思います。日本は若いエネルギーが足りないなと思います。

記者:絵本から日本の現状まで大きな観点を持って作品をつくられてるんですね。本日はお話し聞かせて頂いて本当にありがとうございました。

クレーン謙さんの情報はこちら
↓↓↓
ホームページ
https://kencrane7.wixsite.com/ken-crane

ストーリー連載「RADIO CRANE’s」
https://hotel-bfu.com/craneken/story/

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【編集後記】

今回、取材を担当した高橋、塩田、西山です。繊細で細やかなタッチの絵を描かれるのでどんな方なのかとワクワクして取材させていただいたのですが、色んな経験をされていてお話しとても楽しかったです!そして最後は日本の話しまでなりとてもグローバルな取材になりました。
今後の益々のご活躍を応援しております。

「1日でも早く日本のロックダウンを要求する1000万人の署名を求めます!!」に賛同いただきました。ありがとうございます。


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