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イマーシブ・フォート東京

旧ヴィーナスフォート跡地に建設された世界初のイマーシブテーマパーク「イマーシブ・フォート東京」。2024年3月のオープンから数ヶ月が経ち、オペレーションも安定してきた頃だろうか。7月上旬の平日に伺ってきた。

ただ、そもそもネタバレ厳禁ということなので、個々の体験の委細に触れることはできない。あくまでも、雑感程度にとどめてメモを残しておきたい。

ゆりかもめ「青海駅」直結。裏口かのような正面入口。


園内の雰囲気

まず、平日にも関わらず賑わっていて驚いた。特に、若い女性が多かったのだが、皆さん学校なり仕事なり休んでいらっしゃっているのだろうか(自分は一応仕事のつもり…)

元々ビーナス・フォートも非日常空間ではあったが、イマーシブ・フォートとなってその非日常感はさらに領域展開されていた。

かの噴水では、歌姫と紙吹雪が舞う
キャバレーではフレンチカンカン
道端に倒れている人も…


イマーシブシアターとは?

この「イマーシブ・フォート東京」では、「イマーシブシアター」を中心に、来場者が物語の一員となって、映画のような出来事や事件に深くのめり込む体験(イマーシブ体験)が可能とされている。

ここで「イマーシブシアター」と「イマーシブ体験」について念の為wikiで確認しておこう。

イマーシブシアター(Immersive theater)は、2000年代にロンドンから始まり、以降ニューヨークを中心に注目を集めている体験型演劇作品の総称。伝統的に「観客が客席に座り、ステージ上の演者を鑑賞する」ものであった演劇を、「観客が自ら行動し、 演者と同じ空間に同居しながら物語の一部として作品に参加する」形式へと転換し、綿密な空間設計や五感を刺激する演出を通じて、観客を物語世界に深く没入させることを特徴とする。観客の行動ルールは作品によって異なり、パンチドランクの『Sleep No More』にみられる「自由回遊型」や、Third Rail Projectの『Then She Fell』にみられるような演者に誘われる「誘導型」などある。

イマーシブシアター(wikipedia)

イマーシブシアターの「イマーシブ(immersive)」は、「没入感のある」「没入型の」という意味。「ステージ上(または演者のためだけの空間)において演じられるパフォーマンスを、観客が固定された座席に座って鑑賞する」という伝統的な構図を取り払うことで、いわゆる「第四の壁」を破り、観客をパフォーマンスそのものに没入させることを目指すという点が、イマーシブシアターの特徴である。この点で、1960年代に流行したハプニングや環境演劇、それらに続くインスタレーションアートやパフォーマンスアートの実践と、フィジカル・シアター、ビジュアル・シアターの融合された形式としてイマーシブシアターをとらえる見方もある。(なお、脱出ゲーム、謎解き、ARなどは、イマーシブ「シアター」でなく、イマーシブ「体験」に該当する。

イマーシブシアター(wikipedia)

ザ・シャーロック

そして、恐らく自由回遊型イマーシブシアター作品である「Sleep No More」に最も近しい形態で行われているのが「ザ・シャーロック」。

自分は「Sleep No More」を2019年にNYで体験したことがあるのだが、体験開始前の待合室からして似ている(世界観を先取って感じさせる歌のパフォーマンスがなされる)。制作者の方は「Sleep No More」を相当に分析した上で今回の体験設計を練ったように思われる。

元祖は、NYにあるホテルを貸し切って体験エリアは6フロア。物語は1hのセットが変化しながら3回転で所要時間は計3h程度。一方こちらは、2フロアを活用して1.5hなので、スケールこそ小さいもののエッセンスは詰められている印象。

※繰り返し何度も体験できるほどにシナリオが作り込まれていたかは定かではないが、時系列で何が起きているのかメモに取られている方はチラホラ見かけた。


こちらの方が「Sleep No More」と日本のイマーシブシアターとの違いについて考察をまとめられている。書かれていないことで他に違いを挙げるとすれば、本家と異なり裸の場面は無いのでご安心ください(?)ということ。


江戸花魁奇譚

次に自分たちが体験したのが「江戸花魁奇譚」。こちらは単品チケットが9,000円もするので、かなり気合の入ったイチオシ作品ということなのだろう。内容については触れられないが、「ザ・シャーロック」と異なり、参加者である我々の存在に演者たちが気付いているというのが大きな違いとなる。となると、「Sleep No More」のように一人だけ小部屋に連れて行かれたりとか、そういうことも当然ありますよね…?(という投げかけ)


購入チケット&プライス

ちなみに、今回の購入チケットは「1dayパス+江戸花魁奇譚体験チケット(14,800円)」に「ザ・シャーロック(3,500円)」を組み合わせて計18,300円。朝から入って、ランチも園内で取ることになるので2万円コースだ。決して安くない。

演者の皆様にイケメンが多いので、女性ファンが付いている?と感じたのは気のせいだろうか。そうしたイケメン力の活用、IP(「東京リベンジャーズ」や「推しの子」)とのコラボ作品投入、さらには、アジア圏からのお客様を巻き込むためのインバウンド戦略等、ポイントは幾つかあるのだろうが、この極東の地でイマーシブシアターのマーケットをどれだけ広げられるか。今後が楽しみではある。

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