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映画感想009『ネクストゴールウィンズ』~タイカ・ワイティティ監督の最適解を観た気がする!!※ネタバレあり


タイカ・ワイティティ監督の最新作!マイケル・ファスベンダー主演!

そんな『ネクストゴールウィンズ』を観た。
めちゃくちゃ期待していた訳ではないけど、アカデミー賞のノミネート作品
とかが、どんどんと公開される時期に、気軽に楽しめそうな作品として
違った方向性の大きな期待をしていたこの作品。

そんな期待に応える、めちゃくちゃ映画鑑賞を楽しめる良作でした!

簡単にまとめると、ストーリーは
短気が原因でサッカーのトップリーグの監督をクビになった主役の
マイケル・ファスベンダーが世界最弱の米領サモアの代表監督に
嫌々ながら就任する。なんだかんだあって、チームとも仲良くなり、自身の
人生も見つめ直しながら、代表戦で米領サモア代表はチーム初ゴール、更に初勝利まで決める!という実話を元にした話。。。


だめだめだったチームが結束&強くなって大勝利というプロットは
そんな映画の金字塔『がんばれベアーズ』から僕の大好きな『メジャーリーグ』、スポーツ系でなくても『フル・モンティ』とかもそうかな。。
最近でも「シャイニー・シュリンプス」、「チア・アップ!」など
テイストが似ている映画は定期的に公開されている印象がある。。。

そんな映画の金字塔『がんばれベアーズ』
写真見ただけで「ちゃり~」と泣けてくる『メジャーリーグ』


これだって、仲間集め~練習~最後の歓喜!と王道ストーリー


そんな流れの中、『ネクストゴールウィンズ』はそんな定型を
踏襲しつつ、タイカワイティティ調全開!ぶっちゃけ無駄な笑い満載!
で、最高にゆるいエンタメに特化した良作であった。


最後はみんな結束!

サモアのゆるい文化、、、
車は時速40KMを超えると違法速度で、パトカーが追いかける
鐘が鳴ると、全ての手を止めてお祈りが始まる
などを元に
追いかけるパトカーはサイレンが壊れていて、マイクでウィンウィンと叫ぶ
パトカーに指示を出す上司が母親
お祈りが始まるとコンビニでは万引きし放題
サッカー協会の会長は、カメラマン、レストランの店長も兼任
などなどゆるいギャグの連発

『マイティソー』とか『ジョジョラビット』とかでは
ブラックでゆるいギャグをストーリーに関係なく連発したことで
不評をかっている印象だったが
今作のゆるくてテーマもそんなにないスポーツコメディ映画においては
そんなブラックでゆるいギャグが丁度よく、小気味良く入っている。

たとえば
終盤にサッカー協会の会長が初ゴールに興奮して心臓発作で倒れた後
医療ブースで寝ていると試合後にかけつけた息子が
試合結果を話すシーン。。。
このシーンは結果がどうなった!?というドキドキと
会長に共感して少し感動なんてしちゃうシーンなのだが
この間ずっと後ろになぜかお腹を刺されて流血したおじさんが
点滴を受けて座っている。
え?これなに?とずっと気になっているのだが、特に触れられず。
試合勝利の結果に大興奮する会長の後ろで一緒にガッツポーズまでする
血だらけのおじさん。

一体なんなんだ、、、?

とにかくサッカーが上手い奴を集める点描で
リフティングの上手い男を見つけ、「じゃあ今度練習で」と
別れた直後に車に跳ねられてしまうシーン

面白いけど、マーベルでは怒られる演出だよね。。。

蹴るのが上手いからスカウトされた警察官のポッチャリおじさんは
いつのまにかチームのトップ下でキラーパスを連発するのだが
パスする前に腕を羽のように伸ばし、目を閉じて精神統一する

これ実話を元にした話だけど、嘘過ぎない、、?
ジョジョラビットでもこういうことして批判をかってた、、、

試合前にロッカールームで、選手たちに何かスピーチしたい人!って
聞いた時に、両親が最近に逮捕されて、、、と話し始める選手。
その途端にスタッフから試合始まります!と言われ
じゃあ今度また話してね!と呆気なく打ち切る監督
というシーン

みたいなことを連発しまくったけど
不思議と嫌な気持ちにはならず、素直に面白かった

これって、つまり、タイカワイティティ史上
もっとも演出が上手くいった作品なんじゃないか?
と思えてきた。

タイカワイティティの面白さ、良さが詰まった
渾身の作品がこの
『ネクストゴールウィンズ』
ということになる、、、気がする!

他にも
第三の性”ファファフィネ”についてだとか
主人公は娘を事故で無くしていたりだとか
会長と主人公との「幸せ」についての会話だとか
ちゃんとした部分はちゃんと押さえている。

僕もしっかり目頭は熱くさせてしまいました!


そんなこんなでタイカワイティティ史上
最も演出が上手くいっている!?と思わせる
最適解作品ここにあり!
ということで、、
超楽しめました!

おすすめです!





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