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生成AIコンペを開催してみた!~新たな視点とスキルアップの一石二鳥~
前回の記事の続きです!
目黒区企画経営課の下田です。
以前記事で紹介した、目黒区の「生成AIコンペ」について終了したので、どのような感じだったか紹介します。
この大会の目指すところは、生成AIをうまく使いこなす手法を身につけると同時に、「的確な指示を出す」というマネジメントスキルを磨くことです。
流れをおさらいするとこんな感じ。
1.コンペに参加する職員が、生成AIを使って業務で必要な資料を作成する(テーマは、他団体への依頼文)。
2.課長が資料を評価し、コンペ参加者にフィードバックする。
3.職員が自分のプロンプトを参加者内で共有し、ポイントを説明する。
4.職員が評価とプロンプトを比較し、課長の評価傾向と成功/失敗の要因を研究する。
作成条件は、以下の3点です。
・分量はA41枚とすること(裏面はなしで表面のみ)
・依頼内容に「目黒区民の利便性向上に配慮する」ということを必ず含める
・依頼内容について、他に含めたほうが良い内容があれば提案してOK
私は、次のようなSTEPで依頼文を作成していきました。(””で記載している部分が、入力したプロンプトです)
①どういうフォーマットにしたらいいか相談
”目黒区から他団体に対して依頼文を出す予定です。フォーマットを考えているので、いい案があれば教えて。”
②フォーマットができたので、その中身を埋めていく。
”依頼内容としては、相手先の団体に対して、目黒区民の利便性向上に配慮して欲しいというものです。その内容を盛り込んで、依頼文を作ってください。”
③区の要望の背景事情を生成AIに説明をして、記載の肉付けをする。
”作成した依頼文について、以下3点の背景事情を反映して作り直してください。
~背景事情の詳細条件については割愛~”
④対話を重ねたため、生成AIをねぎらいつつ、追加要素を盛り込んでいく。
”依頼文、良い感じになってきました。追加で以下の内容を加えてください。
・依頼内容の実現に当たっては、目黒区も最大限協力する。”
⑤最後に、他に含めたほうがいい内容についてアイデア出しを依頼
”他に含めたほうがいい視点について、5つ挙げて下さい。”
という感じです。
私の成果物に対する課長の評価は、あと一歩足りない!というものでした。
それを埋めるにはどうしたらいいか、課長の評価の視点とコンペの後の参加者同士の振り返りから、改良のヒントを探っていきます。
まず課長の評価の視点は以下の3点
・資料作成の目的を理解しているか
・区の文書として相応しいか(区長の視点に立てているか)
・正しい日本語となっているか(繰り返し使っている表現がないか、など)
コンペの後の振り返りで、プロンプトに組み込むと良いと思われた点
・依頼文の作成にあたり、自分自身が依頼内容について、整理した事項を「背景知識」として生成AIにインプットする。
これらを踏まえると、プロンプトの修正ポイントとしては、
・最初に「背景知識」を生成AIにインプットする。この時、区の要望の背景だけでなく、相手先の団体の状況なども要素として含める。
・要望を記載する際には、区長の視点(大局的な観点)で記載するように指示する。
・最後に繰り返し使われている表現がないかなど、文章の添削を指示する
という事が考えられました。
そのため、プロンプトに条件を追加したり、文面を修正したりして、アウトプットを次のとおり改良してみました。
①依頼書提出にあたって、相手先の団体の状況や区の要望の背景事情を生成AIにインプットし、依頼文のフォーマットを相談する。
→生成AIから
1.イントロダクション
2.要望内容(3項目の例示あり)
3.結びの言葉
という構成とした方が良いというアドバイスが来る。
②イントロダクションと結びの言葉について、含めるべき内容についてのアドバイスが記載されているので、それを具体的な文章にしてもらう。
→生成AIからの回答と、コンペの議論を合わせて考えると、結びの言葉をイントロダクションとして使った方が良さそうなので、そのように変更する(結果として、3.結びの言葉は項目としては削除する)。
③要望項目として提案があった3つのうち、2つについて項目を変更するように指示。
→生成AIから、タイトルだけでなく、内容についても文章が書き直されてきた。よくできていたので、基本的には採用する。
④最後に、文章の校正を指示する。校正の視点として、正しい日本語であることと、同じ表現が何度も繰り返されていないかの2点を指示。
→微修正がなされたので、これを生成AIの最終成果物として、人間の手を加えて完成させることとする。
※区長の視点(大局的な視点)で記載するように指示してみたが、文章はそれほど変わらなかった。
中身は不完全なものでしたが(当然のことではある)、形式としてはよくなったのではないかなという気もしました。
今後も調査研究を続けていきたいと思います!
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