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なにげない日に惹き込まれた日

九月も三割すぎた

今日

朝は穏やかに晴れていた。
今日も暑いな、と思いながらも
秋に近づいている気配に 心涼んでいた。


昼ごろ
急に、大きな雷が鳴った。
その後すぐ、奇妙な光と闇に変貌していく。

ニュースによると
今年は、例年より雷雨が多いみたい。
「 ちょうど20年前、東海豪雨がありました 」
当時の様子が生々しく映る前に
コーヒーを飲みながら、テレビを消した。



出かける用事があって
時間が迫っているけど、私は全く気がない。
とりあえず、靴を出し
渋々 傘を持って出る。
言っても、すぐバスの中。
ひどい雨に打たれることはない。



バスの中から見るいつもの景色も
奇妙なまでに変貌する。

後方の少し高い位置にいる私は
夢中になるものも力も取り出さず
時期に降りる方向をボーッと眺めてた。

雨の通る道が痛々しく窓を打ち付けていて
ふと、左にむけると
陽の降る線が神々しく雲を突き抜けていた。

まるで間を走り抜けているように
陽の行く先は、時々、建物に遮られ
それでも反対の座席の下まで透き通っていた。



バスを降りると
雨は、傘の上でボンボンと可愛らしく弾む。
曲線を楽しむように滑って
最後キラッと滴になって目の前を降りていく。

闇と光の間にいると
美しいものに触れている感覚になる。
幻鳥が流れるように動いているように
選択できる、自由になれる、どこにでも行ける
闇から差し伸べられた陽に、導かれている
そんな感覚になる。

最近ハマっている
と言って、もうひと月ふた月になるのか
あまり歩かない雨道をエスコートするように
心情が『laughter』を流した。



帰るころには、すっかり止んでいた。
まだ闇のある雲の間に、青く映る空が見える。
屋根からおりた滴は、縁まで堪能し
すぐ下の溜まり場で、円になって遊んでいる。




呆気なく勝利した暑い日差しは
雫になって 好きにしている姿を
キラキラと映し出す。



神秘的な森の中に馴染むランプのように
優しくて、ささやかで、なのに特別な光を
わたしにも向けてくれる。



右の奥から、ほう木の音が聞こえて
案内されるまま、コツコツ抜けていく。

なんてことない いつもの場所を歩くのに
物語の中に入っていくようだった。



大きく茂る木々につく
彩り豊かな緑に沿って

横に向けば
三世代が共存している木に感動し



上には
短冊のような葉に印された証に感動し



下に気づくと
分身になっても力強い輝かしさに感動し



自然の成り行きは、とても美しくて。。



雷雨で外に出たくない沈んだ気持ちも
汚れてる脳内も 持っているわたしに
特別な日を味あわせるような 心地いい高揚で
むだに歩かせては、その度に、感動させた。




たまに もう乾いた緑 が
脈をきれいにみせている。
いのちの横を通る。

もう、虹のカケラもないほど 爽快な空に
夏を呼び寄せる 声の音が
あちこちに 響き渡る。


晴れたどこかに
どこか、どこかに、と探していた。
でも、もう、あれから見掛けていない。
今日のような 不思議な日を思い出した。
あの時のあの架け橋は、特別で大切な宝もの..

すでに、わたしの中に存在しているんだ と
もう、あなたは大丈夫よ と
教え、なだめてくれている。

ううん。きっと、そうだと信じたい。


特別でなくていい

なんてことない
なんでもない
日常的な営み

そんなところに自然とピントが合っていく。





わたしの位置で 見えるものが変わる写鏡には
より高くより美しいものは 美しく反射される。



その近くに立っている 色のない某人は
当たり前に ゆがんで引き伸ばされている。



時間をみようとすると
そんなことより
スマホがすごい熱になっていた。

楽しく美しい時間に浸りながら
元の日常に帰っていった。




のちに、また雷からはじまり
奇妙な光と闇に。。
今度は、洪水警報が出た。

束の間の ハレ になった。


そうだ、
特別なひとときを過ごした 特別な日に
してしまおう 。。φ






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