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発達障害の子が自分の気持ちを伝える事ができる様になる


不登校の子もそうですが、最近増えている発達の問題を抱えた子ども達。周りからは、

「落ち着きがない」とか
「空気が読めない」とか
「動きが読めない」とか

他の子に比べて手がかかるとの理由から、保育園や幼稚園などでは先生から「発達の検査を受けてください」との要請があるらしい。

親御さんにしたら「家では問題行動はあまり見られないんだけど」などと悩まれる声も時々聞かされる。

安心安全な場所

子ども達にとって、幼稚園、保育園、学校も含めて、そこが「安心で安全な場所」となっているかどうか?ここは、ものすごく大切だと感じる。

つまり、環境問題です。

イナプランでは、「環境設定」をとても大切にします。
先生やお友達と言った、人間関係だけでも緊張している子どもにとって
家庭のリビングの様な環境を作る事が大切なのです。

教室のことは「リビングルーム」と呼び、家庭のリビングの様に、ソファーがあったり、お花を飾っていたりします。

クラス名は子ども達がつけます。
「元気なニワトリ」
「クールなコアラ」
など。そして、ニワトリやコアラの絵とかぬいぐるみを置いたり、自分たちの居場所である事を一人一人が意識できる様にします。

大日向小学校での男の子の話

今から4年前にオープンした、長野県の大日向小学校でのエピソードです。

発達に問題がある小学校一年生の男の子。多動でじっとしておらず、いつも机をガタガタさせたり、教室を飛び出したり、突然大きな声を出したりします。

イエナプランではチャイムもないし、教室の出入りやトイレに行くのも自由です。

1学期がひと月ぐらい過ぎたある日、その男の子は朝のサークル対話ででをあげて「自分の気持ち」を発表します。(サークル対話ではよく、「今どんな気持ち?」というテーマで対話をする事があります)

そのテーマに、男の子はこんなふうに自分の気持ちを伝えたのです。

「僕は病気があります。だから、癇癪を起こしたり、教室を飛び出したり、机をガタガタさせたりします。
でも、僕は本当はそんなことはしたくないし、みんなと同じ様に、静かにしたり優しくしたりしたいんだ。でも、病気だから気がついたら周りに迷惑をかける様な事をしてしまってる。でも、それは本当はやりたくないことなのだという事をみんなにわかってほしい」

先生はからの話が終わると、
「みんな、そういうことだから宜しくね」とだけ言ってサークル対話を終えたのだそうです。

彼は自分の気持ちを伝えることで、また、周りの子どもたちは彼の気持ちを聞くことで、「共に生きる」事が更に強くなったのではないでしょうか?

素敵なエピソードです。

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