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日本女性は凄いのだ!

個人的に私は日本女性というのは世界的に見てもかなり能力が高いと思うのですが、経済界ではなかなか活躍できていないというのがとても勿体無い。

ママになっても社会と繋がりたい!って思う女性は多いけど、その方法はといえば、「○○ちゃんのママ」というポジションだったり。「○○の企業にお勤めの〇〇さんの奥様」というオプションだったりすることが多いのです。私が主催しているNPO法人ママの働き方応援隊(mamahata)にはそんなママたちがお子さんと一緒にできる働き方を模索して参加されています。mamahataでトレーナーというリーダーポジションにエントリーすると肩書きの入った名刺を持つことができます。あるママさん曰く、「人生で初めて自分の名刺を持ちました」と、感動していました。

そうなのです、日本女性は結婚して専業主婦というポジションを選ぶと、「アイデンティティ」がわかりづらくなるようなのです。

キャラ弁が流行った理由

日本の「お弁当文化」は世界的にも有名だけど、その中でも近年大きな話題となり、企業さんとのコラボ企画などもある「キャラ弁」このブームの影に実は日本女性、特に専業主婦と呼ばれるママたちの「アイデンティティ」にまつわる面白い現象があることがとても興味深いです。人は元々、1日2食しか食べていなかったのだそう。ところが現代社会ではビジネスパーソンという形での働き方ができたことで、会社で昼食を取るというスタイルが一般的になった。そして、高度経済成長期。男性は会社で仕事を頑張る!女性は専業主婦となり子どもを産み育てるといった国の政策が始まったのです。その時に「愛妻弁当」なる文化が始まったと思われます。

愛妻弁当からキャラ弁へ

時代の流れで愛妻弁当なるものは段々と影を潜めてきたようです。その背景に、コンビニという物凄く安価で便利なお弁当を販売する拠点が日本中にお目見えしたこと。また、オフィス街に、大手外食産業が増えたことにより、美味しくて、安くて、早く、昼食を提供してくれるお店が乱立している。というのも、大きな要因かもしれません。つまり、夫のために妻が早起きして頑張ってお弁当を作るよりも、その日の気分で夫は千円以内で好きなものを自分で選んで(やりくりして?)食事をすることができるのです。これは妻にとっても夫にとってもある意味都合の良いことだったのか、「愛妻弁当」というのは段々と影を潜めたのです。それにとって変わったのが「キャラ弁」もしかしたら、その背景には「家庭内での夫と子どものポジショニング争い」という背景があるのも見逃せません。ママにとって、家庭内ではパパよりも子ども優先の日々となっている?そしてここに日本女性の驚くべき実態があるという研究データが・・・


家事がアイデンティティになっている?日本女性


立命館大学の筒井教授によると、日本女性は家事の中にアイデンティティを求めている人が多いのだとか・・・以下筒井教授による「日本人男性が家庭内労働で最も機能しない三つの理由」の研究記事より。

女性の中にも家事を女らしさと捉える人がいます。もし、男性側が家事を分担したいと思っていても、女性側が家事をすることで自分のアイデンティティを満たしているタイプであれば、効率的な家事分担は難しくなる。
効率的な家事分担とは、できるほうができる時にやるということ。女性側が家事にアイデンティティを求めていると、自分の知らないうちに済ませてあること自体が不満の種になります。相手に自分と同じレベルを求めている場合も、不満の種となる。    
            筒井 淳也(つつい・じゅんや)立命館大学教授

日本古来からのお家芸と言われる華道や茶道

その昔(それほど昔ではない?今もある)日本女性たちの習い事の代表格といえば、花道や茶道など、花嫁修行と呼ばれていることが多かったのです。実は私も何故か習いに行っていました。正座地獄が耐えられず1年もしないうちに離脱しましたが・・(笑)その目的はつまり、そのゴールに見据えているのは良家に嫁ぐという戦略があったように思います。まさしく「良妻賢母」の「花嫁道」だったのです。そんなことには全く興味がなかったことに気がついた私はさっさと辞めたのですが、今思えば凄い世界でした。

時代はインスタ映えへ・・

そして時代は移り変わり、SNSなるものがお目見えしたことで、「映える」ことが時代の花形に・・・独身女性たちはInstagramで「リア充」を発信。そして、子育て中のママたちはInstagramで「キャラ弁」を発信。そこに目をつけたのが企業!日本のお弁当文化はこうして見事に商業化されていったのです・・・。それもこれも、筒井教授のおっしゃる「家事にアイデンティティを求める日本女性」ということが根底にあるのでしょうか?

こんまりのお片付けメソッドは何故これほどブレイクしたのか

「こんまり」こと近藤麻理恵さんは日本の家事を世界的に有名にした。

彼女の凄さは「片付ける」という行為を日本の神道を通して、「こころの問題を解決するカウンセリング」というポジションにもっていったことなのかもしれない。

片付けに関しては「風水」(今から約四千年前に中国で発祥した、「気」の力を利用した環境学)や

「断捨離」ウィキペディアより

「断捨離」のそれぞれの文字には、ヨーガの行法(ぎょうほう)である断行(だんぎょう)・捨行(しゃぎょう)・離行(りぎょう)に対応し、

断:新たに手に入りそうな不要なものを断る
捨:家にずっとある不要な物を捨てる。
離:物への執着から離れる。
という意味がある。

こんまりが登場するまでは、気や風水といったある意味宗教的な視点から「片付け」を見ていた。つまり、片付けることができないと、「邪気」や「執着」から不幸になってしまう。といったある意味脅しのような躾のような立ち位置から見ていた気がする。

ところがこんまりは「あなたのこころはどうありたいの?」といった「ときめき」の視点から「片付け」を捉え、「こころがときめき、豊かになるお片付けの世界」を見事に実現。著書は世界中で1400万部売れた。日本の主婦のアイデンティティが世界的なビジネスに発展した凄いモデルでもある。

日本人女性の凄さ

こんまりの事例に限らず、日本女性は家の中の家事をビジネスとして生業にすることで成功している人が多いのも事実。そのように考えてみると、未だに5割強の日本女性が出産を機に仕事を辞める理由の一つに「せっかく産んだ我が子と一緒にいたい」というのがあるらしいが、それは我が子に母親自ら「手作り」したものを与えたいといった母となった女性の我が子への「愛情表現」で自分自身の存在意義を確認するというアイデンティティ形成思考があるのかもしれない。

例えば食の世界でも、生花や茶の湯の世界でもプロと呼ばれるトップクラスには男性が多い。この理由は日本の政治経済のジェンダーギャップ指数が先進国中最下位と言った理由によるものらしいが、実は教育や健康のカテゴリーでは日本は上位に食い込んでいるのだそう。つまり、健康産業、教育産業では女性の活躍が増えているということなのだ。このことから考えていくと、「失われた30年」と言われる日本経済の低迷を切り開く鍵は、もしかしたら女性たちが握っているのかもしれない。先に紹介した「こんまり」に関して言えば、夫がプロデュースしているという点も見逃せない。


そう言えば同じく夫のプロデュースにより日本で第一人者となった主婦の1人に家庭料理界のカリスマ栗原はるみさんがいる。専業主婦だったはるみさんをTV業界で活躍していた夫がプロデュースしたことで知られている。そう考えると、これからの日本経済を牽引するモデルは夫がマネージャー、妻が得意な家事で起業するというのもありなのかもしれない。


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