◼️文脈を読んで贈り物をするセンス
毎年、お盆の時期におばあちゃんの家に行くと、冷蔵庫に”桃の天然水”がありました。”桃の天然水”が好きだったのは小学生の時の私。当時、コンビニではもうコーヒーかお茶しか選んでなかった大学生になった私は「もう、違うんだけどなぁ」と心の中で思っていました。”桃の天然水”をスーパーで選んで冷蔵庫に置いておくことがおばあちゃんの楽しみで、それが一つの愛だったとは知らずに。
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贈り物選びって難しい。
正直、現金が1番簡単で早い。何にしようかと悩む時間もないし、場所取らない、かさばらない。相手が好きなものを買ってくれれば良い。でも、そこに感動はあるのかな。
プレゼント選びはだいたいその人の好きなもの選んでしまう。大切な人、大好きな人たちの好みや好きなものは覚えるように心がけている。でも、付き合いが長くなると贈り物も毎回マンネリ化してしまうし、もしかしたら相手の好みも変わってしまっているかもしれない。”おばあちゃんちの冷蔵庫の桃の天然水”みたいに。
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最近、周囲の方からの”文脈を読んでの贈り物”に感動してしまった。相手の好きなものを選ぶのではなく、相手との時間の、その場面場面からの文脈を読み、相手が喜びそうなものを選ぶという贈り物。
親友から引越しの餞別としてもらったポータブルバッテリー。Apple Watchも充電できる優れもの。毎日使うものだし、使うたびに相手のこと思い出すという素敵な贈り物。
思い返せば、私はよく外出先でスマホのバッテリーがなくなって、会う度にその親友から充電器を借りていた。Apple Watchの充電をし忘れて外出してしまい「今日会う時Apple Watchのケーブル持ってきて!!」みたいな場面がちらほらあったことを思い出してつい微笑んでしまった。
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国を跨いでの引越しで荷物が増えることを考慮して、荷物にならず、機内にも持ち込める小瓶の香水を贈ってくれた友達。
超音波ディヒューザーを愛用してることを知ってて、外出先でも楽しめるようにとポータブルのディヒューザーを贈ってくれた友達。
私が『ある食べ物』を知らずどんな味か気になってたのを知ってて、翌日にそれをすぐ買ってきてくれた同僚。
想像力と心の余裕があるからこそできるプレゼントは、とても嬉しい。
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私は”おばあちゃんちの冷蔵庫の桃の天然水”のような場面をいつまでも嬉しく思える人間でありたいけど、そうじゃない人もいるかもしれないから。いつも想像力と心の余裕を持ち、贈り物のセンスは磨いておきたいな。
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